池川以前

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    胎教という概念は相当古いらしく、ウィキペディアを参照すると「胎教という言葉の起源は中国の『青史氏之期』という古書であり、(中略)日本においては6〜8世紀頃医書を通じ部分的に伝来した。 江戸時代末期になると妊婦の保護や妊娠中の食物禁忌などと相まって胎教と解釈されるようになった」て書いており、青史氏之期がいつの本なのか分からないけど日本に伝来した6〜8世紀より前なんだろう。私の知識でそこまでさかのぼるのは無理なので、2010年ごろから「自然なお産」とともにゴリ押され近ごろではのぶみという新キャラの参入でよりパワーアップしている「胎内記憶」に焦点をあててみると、まづ本田望結ちゃんもやってる0歳から能力を伸ばす七田式教育の七田眞とつなぶちようじの共著で「胎内記憶―バース・トラウマの秘密」て本が今から20年前に出ており、それが胎内記憶って四文字熟語の起源と考えられる。

    どうもこのバース・トラウマという概念が胎内記憶を考えるにあたって重要であり、赤ちゃんが畳の部屋で自然に生まれたかったのに、病院出産では気持ち良い胎内から無理くり引きづりだされるやいなや強いライトにさらされたくさんの人に囲まれ母親と引き離され・・・誕生早々この仕打ち何やねん?!と、心に深い傷を受けるというわけである。そんなの覚えてるはずがないと思うことなかれ、じつは赤ちゃんというのはわれわれ大人が思うより多くのこと分かっており、魂時代から空の上で神様や他の赤ちゃんと「このママにきーめた!」「ぼく虐待されにいくんだ♪」などと話しながら自分の生まれる場所も決め、そのことを多くの子どもは3歳ぐらいまで覚えているし、病院出産によるバーストラウマとやらは潜在意識だか深層心理だかに強く刻まれ、後の人生にも影響を及ぼすのであった。

    「胎内記憶―バース・トラウマの秘密」が出た90年代後半という時期をふまえ、胎内記憶がトラウマ&癒しブームを背景に出てきたものと仮説していたけども、ラマーズ法などヒッピーが自然なお産に注目しだしたのとほぼ同時期である1976年にはすでにフレデリック・ルボワイエール著「暴力なき出産―赤ちゃんのために」が村松博雄によって訳されており、これが病院出産によるバーストラウマの根拠になっているらしい。1974年に出た初版は世界各国で訳され、日本では村松博雄版が入手できなくなったためか1991年にも同じ内容と思われる「暴力なき出産―バースサイコロジー 子どもは誕生をおぼえている」が中川吉晴訳で上梓されている。

     

    https://www.amazon.co.jp/dp/4795234728

    内容(「MARC」データベースより)

    現在の出産法は生まれてくる赤ん坊にとって暴力だ。赤ん坊の立場から出産のときにどんな心の傷が起こるのか、どのようにすれば快い祝福の人生に旅立っていけるのか。誕生時に赤ん坊が感じることを解明し、子どもに心理的外傷を残さないおだやかな出産を提言。

     

    訳者の中川吉晴はホリスティック教育を専門とした同志社大学教授、ほんやら洞の片桐ユズル京都精華大学名誉教授とも親交があるし、ブタ一頭丸ごと食べるでおなじみ鳥山敏子(シュタイナー教育)と津村喬(気功)が出していた「賢治の学校」て雑誌にも何か書いてた。中川氏はオダンの水中出産、トランスパーソナル、オルダス・ハクスレーの妻であるローラ・ハクスレーの本などのほか「魂の殺人 親は子どもに何をしたか」のアリス・ミラーの著書も翻訳しており、やっぱり子供のトラウマって概念がアダルトチルドレンやらインナーチャイルドとやらにもつながってくる気がする。

     

    オルダス・ハクスリー生誕100年祭について中川吉晴が聞き,ユズルが話す。

    http://yuzurukatagiri.net/archives/huxley1994la/

    中川
        最初の三日間あった「子どもは人類の究極的投資」のカンファレンスはどうでしたか?
    片桐
        おもしろかった。デービッド・チェンバレンの誕生以前の記憶の話とね,それからミシェル・オダンの水の話,水とホルモンの話はすごくおもしろかった。それからフェルッチが言った話もおもしろかったな。コーヒーが生殖能力に悪いということを言ったじゃない。コーヒー,タバコ,アルコール,それから……。
    中川
        妊娠してからの話というのは,これまでもあったかもしれませんが,妊娠前からのものというのは……
    片桐
        だけど前のほうは,あんまりはっきり今回の会議でも出てなかったんじゃない。もちろん,妊娠する瞬間の母親の,つまり母体の状態が大切だということは言っていたけど……
    中川
        「コンシャス・コンセプション」というのは新しい考えですよね。
    片桐
        うん,だから最初は文字どおりとってさ,コンセプションの瞬間を意識できるような,そういうことかと思ったけど,そこまで厳密に言ってるわけではなくて,アンウォンテッド・チャイルド,欲しくない子どもじゃなくて,ウォンテッド・チャイルド,子どもが欲しくてつくるということだよね。アンウォンテッド・チャイルドが実際はすごく多いということでしょう。
    中川
        それは悪循環になるわけでしょう。
    片桐
        そう,アンウォンテッドだった人はまた親になって,不注意な無自覚的なセックスをするからいけないんだ,ということかな。無自覚的なセックスをして,無自覚的に子どもをつくる,すなわちアンウォンテッド・チルドレンをつくる。
        ぼくはオダンのホルモンの話がすごくおもしろかった。妊娠やお産のときアドレナリンがどうなるとか……。もう一つのポイントは,記憶というものが脳のなかにあるだけじゃなくて,三つのシステムがあってね,その一つはホルモン・システムなんだ。もう一つは,免疫システムということね。それから麻酔の害のことをすごく言ってたじゃない。麻酔をやったら,その結果生まれた子どもが,ドラッグ・アディクト(薬物中毒)になる可能性は非常に高いということも言ってたよね。それは統計的に,そういうことが出てるからね。だから,日本なんかこれから恐ろしいな。それとオダンの話によれば,工業国では,子どもというか,とくにティーンエイジャーの自殺率がすごくあがってるんでしょう。これには出産時の帝王切開とか,病院で生まれたかどうかとか,そういうことと関係があるんだということだけど。オランダでは低くて,ほかは大変なんだよね。オランダはなんでかっていうと,33パーセントは自分の家で生むわけ,産婆さんによってね。アメリカの場合,自殺した人の23パーセントは帝王切開なんだ。ブラジルだと自殺者の32パーセントが帝王切開。オランダの場合は,7パーセントが帝王切開。まあそういう統計をあげてましたね。必要性もないのに帝王切開をやるし,それから最近は会陰を切るのはあたりまえでしょう。だからやっぱりそれも,憂うべきものとつながるんじゃないですか。日本では,自閉症と出産時のドラッグ,麻酔薬との関係が報告されているそうですね。

    ・・・

    中川
        精神面で豊かになったということがあるのでしょうか?
    片桐
        そういう感じは出てきたんじゃない,たぶん。だから,ああいう人たちがふえれば,やっぱり百匹目のサルじゃないけど,だんだん変わってくるとおもうよ。
    中川
        今回,ぼくは「ボーディ・トゥリー」に初めて行けてうれしかったんですが,あそこもすごい繁盛ぶりでしたね(ボーディ・トゥリー書店は,その年の成功したビジネスとして,商工会議所から表彰されていた)
    片桐
        いや「ボーディ・トゥリー」の雰囲気も変わった。それはね,どういうふうに変わったかというとね,そんなに特別の場所じゃないというふうになってきた。前はね,もうちょっとなにか特別な人たちがくるような場所だったような感じがある。それがそんな特別な場所じゃなくなったという感じがあるね。だから,やっぱりああいう意識がかなり広まってきた,ふつうの人たちのあいだにね。ぜんぜん今回の会議とかそういうこと関係のない人たちのあいだにもね。百匹目のサルという話はもっとみんなの常識になってもいいんじゃない。
    中川
        日本は百匹目までは,まだまだですか?
    片桐
        いや,そりゃアメリカが変われば,日本だって変わるし,そういう意識はその国に限られたものじゃないからね。

     

    しかしルボワイエの時代から前世とかこのママにきーめた!って、言ってたんだろうか。ルボワイエがインドに逝ったってあたりから自然なお産復興が当初よりヒッピー野郎によるものだったと推察されるが、病院出産が苦痛だったこと赤ちゃんは意外に覚えてまっせ。て話だったのが、赤ちゃん意外に知能が高い→英才教育、胎教ってことになってたり、話が年々進化してってると思う。


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