余分な水

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    葛根湯や五虎湯、麻黄湯など麻黄の入ってる漢方は風邪薬であることが多い。風邪をひいて熱が出るのは熱に弱いウイルスや菌を殺すためであり、そんな自然治癒力を発汗作用のある麻黄が高めているという解釈もなされるようだ。

    五虎湯は以前記事にしたので省略するとして、使われている生薬は葛根湯が葛根(カッコン)、大棗(タイソウ)、麻黄、甘草、桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、生姜(ショウキョウ)、麻黄湯は麻黄、桂皮、杏仁、甘草となっている。漢字見て「ショウキョウ」がしょうがのことだと気づいた。

    また葛根湯の「葛」の漢字もよく見たら「くず」ではないのかと思って検索したところやはりくず湯とかのくずらしいし、「桂皮」はシナモンのことでこれまた甘草同様に食品でもあり多くの漢方に入っている。薬だけではなく食べ物もまた炭水化物やたんぱく質やビタミンといった「部分」に分解された科学的な見地ではなく、体を温めるとか冷やすとかいう食べ物「全体」が持つ熱の性質で見ているだろうから、しょうがやシナモンを使うのもあたためを補って体の冷えを緩和する医食同源的な役割があるのかもしれない。

    じっさい10年ぐらい前に腹巻や靴下や湯たんぽのあたためブームが起こってたときに、しょうがが冷え性に良きとまことしやかにささやかれて女向けにしょうがを使った食品も発売されてた。あたためブームの仕掛け人は「心もからだも「冷え」が万病のもと」(2007)の川嶋朗医師や石原結實医師だったのではないかと思うが読んだことはない。

    タケダ健康サイトによれば生薬には薬性をあらわす「五気」寒・涼・平・温・熱と味をあらわす「五味」辛・甘・酸・苦・鹹という2つの指標があり、たとえばしょうがは温・辛、甘くていろんな漢方に入ってる甘草は平・甘、ハッカはスースーなので凉・・となってるので、この感じからいくと麻黄の薬性とやらは「熱」ではないかと思った。しかしなぜかタケダ健康サイトには麻黄の薬性が載ってなく、麻黄 薬性で検索してもよくわからないしサジェストも「麻黄湯 トリップ」「麻黄 覚醒剤」「エフェドリン ダイエット」「エフェドリン ドーピング」みたいなのばっか出てきてしまう。

     

    葛根湯(クラシエの漢方 かぜシリーズ)

    http://www.kracie.co.jp/ph/k-kampo/teach/detail_1.html

    効能

    体力中等度以上のものの次の諸症:感冒の初期(汗をかいていないもの)鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛み
    ・・・
    葛根湯とは

    「葛根湯」は、中国の古典医学書「傷寒論(しょうかんろん)」「金匱要略(きんきようりゃく)」に記載されている薬方で、「かぜぐすり」として知られています。
    「かぜ」のひきはじめは、からだがゾクゾクして、布団を何枚重ねても「さむけ」がとれず気持ちの悪い状態がつづきます。同時に頭痛がして、肩や首すじがこってきて頭が重苦しくすっきりしないものです。また、関節も痛みます。
    「葛根湯」は、かぜのひきはじめ、肩こり、鼻かぜ、頭痛、筋肉痛、手や肩の痛みに効果があります。かぜをこじらせ、長引かせると、からだの調子を大きくくずしてしまうことが多いので、できるだけ初期のうちに治したいものです。保温を心がけ、栄養に富んだ消化によい食べ物をとり、からだを安静にすることが大切です。

     

    麻黄湯(クラシエの漢方 かぜシリーズ)

    http://www.kracie.co.jp/ph/k-kampo/teach/detail_7.html

    効能

    体力充実して、かぜのひきはじめで、さむけがして発熱、頭痛があり、せきが出て身体のふしぶしが痛く汗が出ていないものの次の諸症:感冒、鼻かぜ、気管支炎、鼻づまり

    ・・・
    こんな時・こんな方に

    かぜのひきはじめさむけが強く、熱が高いとき / かぜのひきはじめで、体の節々が痛いとき / 運転する方、受験生など薬を服用して眠くなっては困る方
    麻黄湯とは

    「麻黄湯」は、漢方の古典といわれる中国の古典医学書「傷寒論(しょうかんろん)」「金匱要略(きんきようりゃく)」に収載されている薬方で、古くよりかぜの初期症状に用いられています。
    麻黄湯は、寒さによって体表(毛穴)が閉じ、体内のエネルギーや栄養の流れが悪くなったため、汗が出ず、さむけふしぶしの痛みなどが生じているもので、からだを温めて、発汗を促すことで寒さを発散させる作用があります。

     

    麻黄湯の麻黄、桂皮、杏仁、甘草のうち麻黄、桂皮、甘草は葛根湯にも入ってて、上記引用のサイトを参照すると効能も大きく違いはない。いづれも風邪のひきはじめの寒気と頭痛と鼻と関節痛、汗が出ないといった症状のときに飲むそうだ。

    相違点としては麻黄湯が完全に風邪薬なのに対し、葛根湯は肩こりや筋肉痛にもよいとある。また「証」(体質)は体力があって胃腸が丈夫な実証と虚弱な虚証タイプに分けられ、ツムラのサイトにあった新見先生のコメントによれば虚証の人が葛根湯を服用すると胃腸を悪くするそうだが、帯津先生は証が合う薬なら副作用をおそれる必要はないって言ってた。

    これが漢方は副作用がないって話に発展してるのだろうか。でも体質によって薬の合う合わないがあり、合えばよく効き副作用をおそれる必要がないのは西洋薬も同じだと思うのでなんで漢方の特性みたいになってるのかはよくわからない。

     

    私に合う漢方薬の見つけ方(ツムラ)

    https://www.tsumura.co.jp/kampo/info/order/

    多くの漢方薬は、その人の体質や症状に合ったものでないと、十分に効果を発揮することができません。その体質を見極めるためには、こちらで説明する漢方特有の”ものさし”が必要で、漢方に詳しい医師は、その”ものさし”をもとに、あなたに合った漢方薬を選んでくれるのです。

    ・・・

    漢方では、独自の理論に基づいて体質を診るオリジナルの“ものさし”があります。それが「証(しょう)」「気・血・水(き・けつ・すい)」です。漢方では一人ひとりの病態だけでなく、体質を重んじて漢方薬が処方されるのです。

    そのため、ときにはニキビの治療なのにおなかを診たり、冷えの治療なのに生理(月経)の状態を聞いたりなど、治してもらいたい病気や症状とは関係のなさそうな部分も診察したり、内容を聞いたりします。それは、その人の体質を見極めた上で、その人に合う漢方薬を処方するために必要な診察の一つなのです。

    ・・・

    一方、「気・血・水」は、不調の原因を探るためのものさしです。
    漢方では、私たちの体は「気・血・水」の3つの要素が体内をうまく巡ることによって、健康が維持されていて、これらが不足したり、滞ったり、偏ったりしたときに、不調や病気、障害が起きてくると考えられています。
    そのため、診察で「気・血・水」の状態を診て、どこに問題があるのかを探っていきます。

    ・・・

    漢方では、おもにこの「証」と「気・血・水」の2つのものさしを診て、処方を決めていきます。その人にもっとも合った漢方薬を導きだすために行われるのが、「四診(ししん)」という独自の診断です。

    ・・・

    以上のように、漢方に詳しい医師は漢方的な診断法を用いて、その人に合った漢方薬を選んでくれます。
    ただし、こうした診断には私たち、患者側の協力が欠かせません。
    自分に合った漢方薬を見つけるには、医師とコミュニケーションをよくとって、患者と医師の二人三脚で治療に取り組んでいくことが大事なのです。

     

    漢方を処方する指針としては前述の「証」とあと「気・血・水」がある。ツムラのサイトを読んだ感じでは「気」がメンタル系、「血」が生理などの婦人科系、「水」が血以外の水分、むくみや鼻水や汗や尿にかかわる症状のようだ。

    気は気功の気と同じものかもしれない。「冷え」は血行が悪いというとこから「血」に関係しているような気がするけどどっちかというと体にたまった「余分な水」が原因のようで、血の不調は瘀血(おけつ)とか血の道症(ちのみちしょう)と呼ばれ、出血させることによって汚れた血を浄化する治療法もあるという。

    私含め素人は悪い菌やウイルスが手や空気から口に入って感染しそれを排出したりやっつけるために防御反応が起こる〜みたいな感じに病気をとらえてるが、漢方は菌とかウイルスとか全然見つかってない時代の医薬なので「気」「血」「水」が不足したり滞ったりする「気滞」「血虚」「水毒」などといった各症状を生薬の力で温めたり潤したりして「めぐり」を正常に戻すって理屈とみられる。なので漢方のサイトで薬の効きを読んでも、熱がどうの水がどうのという説明に終始し、その漢方的な身体感覚が素人には今ひとつピンとこない。

     

    夏冷えの原因は「水毒」かも?! あなたの「水毒」度を診断!(養命酒)

    https://www.yomeishu.co.jp/genkigenki/feature/150729/index.html

     

    https://www.amazon.co.jp/dp/4828418903

     

    https://www.amazon.co.jp/dp/4840154023

    内容紹介

    脱、冷え、むくみ、ぷよぷよ肉。これらの原因はすべて、体にたまった水(水分)。
    肌や髪、ボディラインなどの目に見えるパーツだけでなく、冷えや生理不順、免疫力の低下などの不調が現われます。
    また、中年太りの象徴としてよく言われる「二の腕のぷよぷよ」の正体は、脂肪ではなく「水」です。
    本書は、石原新菜先生が漢方の考え方をもとに、独自の理論で「水毒」について解説。そして、とりすぎた水を体から出す具体的なメソッドを紹介します。余分な水を出して、体の中からキレイに。
    ・・・
    著者について

    医師/イシハラクリニック副院長。 2006年3月医学部卒業、2年間の研修医を経て、現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。
    クリニックでの診察の他、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。

     

    「漢方に詳しい医師」ならば望診(見た目)、聞診(声)、問診、切診(触る)の「四診」、また舌を見たり口臭をかいだりニキビの治療なのにおなかを診たり冷えの治療なのに生理の状態を聞いたりなど、病気や症状とは関係のなさそうな部分を診察することもある・・とのことで、どこかツボや足裏から毒素出る系療法と通ずるものも感じる。ツボ=経穴は前述の「気・血・水」の通る道である経絡(けいらく)にあり、鍼灸、指圧、マッサージといった刺激によって滞っていた「気・血・水」の流れが正しくめぐるようになるという理屈らしい。

    ただじっさい漢方を処方している医師のどれだけが漢方に詳しく患者の舌を見て「証」とやらを判別したり「この患者さんは体にたまった余分な水が気の流れをさまたげその気を動かそうとくしゃみが出ているためによって冷えた部分を温めながら分代謝を促すとともに気を動かして鼻水・くしゃみなどの症状を抑える小青竜湯を処方しよう」とか「長びく風邪により消化器の働きが衰え消化・吸収がうまくいかなくなり排出しきれない余分な水分が肺の働きを邪魔することでせきやたんが多いなどの症状が生じているので消化器の働きを助けるとともに余分な水分をとる竹茹温胆湯を処方しよう」などと漢方的な判断できるのかは疑問が残る。

    もし「四診」や「証」「気・血・水」といった標準的な医学とはまったく異なる知識体系が必要だとして、そんなの詳しくないお医者さんが対症療法的な発想で漢方だしたり素人がドラッグストアで購入できてしまうのは濫用だ。ていう声が、「漢方に詳しい医師」や販売者から出てたりはしてないのだろうか。臨床試験をへず体質改善、長期服用などで西洋薬と差別化してる以上、薬効がなかったりかえって体調悪くなったとき、「証」が合ってなかったのだ。あるいは、もっと長く飲めば効果が表れるはずだ。めんげんで毒が出ているのだ。など、どんな解釈でもできてしまうし、甘草やら桂皮といったわりとなんにでも入ってる生薬の過剰摂取にもなりかねないと思うのだが。

     

    多施設間における桂皮含有漢方薬服用患者のクマリン摂取量と肝機能への影響の検討

    http://nenkai.pharm.or.jp/135/pc/spdfview.asp?i=1446

    【序論】シナモン(桂皮)の芳香成分であるクマリンは、肝毒性を有するため、欧州では耐容一日摂取量(TDI)を0.1/kg/dayと設定している。これまで我々は、九州大学病院および飯塚病院にてツムラ桂枝茯苓丸加薏苡仁エキス顆粒(TJ-125)が処方された患者を対象に後ろ向き調査研究を行ってきた。しかし、対象患者の多くが桂皮を含む他の漢方薬を併用していた。そこで、両施設間における桂皮含有併用薬を含めたクマリン総摂取量と肝障害との関連性および施設間の差異について検討した。

    【方法】2008年4月〜2013年3月にTJ-125が処方された対象患者61名(九州大学病院)、68名(飯塚病院)が併用していた桂枝含有漢方薬のクマリン含有量をHPLCで測定し、クマリン総摂取量を算出した。服用前後での肝機能値変動は有害事象共通用語規準(CTCAE)v4.0を用いて評価した。

    【結果】桂枝含有漢方製剤33種類のうち、クマリン含有量が最も高かったのはTJ-125であった。1日クマリン総摂取量の中央値は、九州大学病院0.121/kg/day(0.062-0.541/kg/day)、飯塚病院0.106/kg/day(0.049-0.326/kg/day)であった。両施設とも桂皮が原因と思われる肝障害はみられなかった。

    【考察】1日クマリン総摂取量は施設間で差がみられたが、ともにTDIを超えていた。しかし、両施設において桂皮による肝機能への影響はみられなかったことから、臨床上漢方由来のクマリン摂取では肝機能への影響は少ないことが示唆された。

     

    桂枝茯苓丸料加薏苡仁(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん)

    http://www.kracie.co.jp/ph/k-therapy/prescription/keisibukuryoganryokayokuinin.html

    血のめぐりが悪く、しみ、にきびに悩む方向けの漢方薬

    漢方では、何らかの原因で肌がふさがれ、「水(すい)」と熱が正常に排泄されないと、肌トラブルが起こると考えます。肌に「水(すい)」や熱がたまると、それが邪魔になって「血(けつ)」が滞ります。

    「血(けつ)」は全身の組織や器官をめぐり、栄養を与えているので、めぐりが悪くなると、シミなどの色素沈着になりやすくなります。また、栄養がいきわたらないと、ザラつきなどの肌あれが現れやすくなります。

    「桂枝茯苓丸料加薏苡仁(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん)」は、「血(けつ)」のめぐりを良くして、肌に栄養がいきわたるようにします。

     

    総じて西洋医学が血液や尿の成分を分析したり、X線で体の中身を撮影して悪い「部分」を特定し薬で殺したり切除したりと攻撃型の治療であるのに対し、東洋は五感を使ったきめこまやかな体質診断や治療によって西洋医学でカバーできない人間「全体」のバランスすなわち「気・血・水」の「めぐり」を整えるため自然治癒力を補助するということなのだろう。そういえば冷えとりにおいても冷え自体というよりは冷えてるのにもういっぽうではほてってるといったような偏り、つまり熱がある箇所にとどこおって全身にうまくめぐっていないことを問題だといっていた。

     

    ・・・

    陰の気は下から上に上り、陽の気は上から下へ下る性質をもっています。ところが陰の気は冷たいところが好き、陽の気は温かいところが好き。ですから足元が冷たくて上半身が温かいと、陰の気は上へ上ろうとはせず、陽の気は下っていきたらず、気の巡りが悪くなるのです。気と血は同時に巡るとされており、気の巡りが悪ければ当然血の巡りも悪くなります。

    こうして体の上下の温度差ができてしまった状態が「冷え」です。冷えがあると血管が縮んで血液の流れが悪くなり、血行不良が起こります。そして動脈から十分な血液がこないと、体全体の細胞に必要なだけの酸素や栄養分が供給されません。また、そういうところでできた老廃物や疲労物質を運び去ることもできなくなります。

    こうして細胞の機能が鈍ったり狂い出しますと、内臓機能の働きも悪くなり、免疫力の低下、潰瘍の形成、腫瘍細胞の発生などにつながります。

    (進藤義晴「これが本当の「冷えとり」の手引書」32〜33ページより)

    ・・・

    それで、「あなたには冷えがある」と告げますと、「私は足がほてるくらいだから、冷え性のはずがない」と答える人が多い。冷え性のように手足の冷たさを自覚していなくても、足がほてるということは冷えている証拠なのです。足元を冷やしたまま上半身に重ね着をして温めていると、足がほてります。そして、ほてっているから冷えていないと勘違いして寒いときでも素足でいるため、ますますひどくなります。そのため、自覚のない人のほうが重症の冷えを抱えこんでいることがあります。

    (進藤義晴「これが本当の「冷えとり」の手引書」34〜35ページより)


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