未婚の母

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    モデル・安井レイ、妊娠報告 未婚の母に(朝日新聞デジタル 8月16日)
    http://www.asahi.com/and_w/interest/entertainment/CORI2041054.html?iref=comtop_list_andw_f01


    「JELLY」誌のモデル、安井レイが妊娠を発表した。この人はたびたび同誌の単独表紙にもなっている看板モデルで、私が持っている8月号もやはり安井レイが表紙を飾っている。
    最近にわかにギャルについて興味を抱いている私だが、その前から安井レイは可愛いと思って目をつけており、どっかでこの人が彼氏のことを話している記事か何かを見たこともあった。子供はやはりその彼氏との間にできたようである。
    驚くべきは、交際が6年にわたっているにもかかわらず結婚しないということだ。安井氏が21歳ということを考えると、相手もまだ若いから・・・ということも考えられなくはないが、しかしいくらなんでも学生ではないだろうし、その真相はなぞに包まれている。
    さらに妊娠7か月というのだから、もっと驚いた。8月号では季節柄、ヘソ出しているし、ビキニ着てるし、あいかわらずガリガリお腹ペッタンコで、これを見たらまさか誰も妊婦だと思わないだろうよ。

    まぁどのような事情があれとにかく安井氏には元気なお子さんを生んでいただくとして、それよりこのニュースの「未婚の母」ってフレーズに奥さま全盛期である昭和40〜50年代のワイドショーを感じてしまうのは私だけだろうか。
    この言葉には「シングルマザー」という今風の味気ない横文字とは違い、誰が父親かも分からない子供なんてフシダラな女。という旧モラル側の差別的なニュアンスと同時に、男や結婚制度に依存しない、自立した女性像としてもてはやすウーマンリブ世代の羨望も含まれているように感ずる。どっちにせよスキャンダラスで仰々しい響きに、私は以前から違和感を抱いていた。
    とくに加藤登紀子という左翼の歌手が若い頃、政治犯か何かで逮捕されていた恋人とのあいだに子供ができたことを知ったとき、未婚の母になる決意もした。とかいう話をたびたびテレビでしているのだが、そういうのを見ると「この世代って、未婚の母が格好良かったんだろうな〜」と、引いてみてしまう。
    結局、加藤登紀子は夫が逮捕されているあいだに婚姻届けを出したらしいのだが、それもまた獄中結婚っとドラマチックにたたみかけるのがよりいっそうの萎えポイントだ。特に私は学生運動や加藤登紀子一家の政治思想(有機野菜とか反原発で有名)に疑問を抱いているため、違和感はなおさらである。
    できちゃった結婚をしたり、離婚をしてシングルマザーになることは、今じゃ特別ありふれた話ではない。もちろんそういう男女を計画性がないとして批判する人もあろうが、昔はもっと風当たりが厳しかったんだろうと思う。
    藤圭子が自殺したさい、宇多田の親父と同棲していたのを「同棲なんておかしなことはやめなさい」ってな感じで、レポーターからやけに上から目線で説教されている映像が流れていたが、ほんの30何年か前まで同棲ごときでそこまで言われていたという時代背景があったのだから、奥さま以外の生き方がいい意味でも悪い意味でも特別視されるのは、いたしかたなかったのかもしれない。
    左翼方面に影響された40〜60代の女性に、未婚や離婚をステイタスと見ているようなノリがあるんじゃないかといううっすらした疑惑は、松原惇子著「クロワッサン症候群」(1988年)を読んだときにいっそう強くなった。
    クロワッサンという雑誌、今ではほっこりみたいな感じになっているが、おそらく80年代初頭は結婚や子育てはダサくて東京のワケありキャリアウーマンがおシャンティ、とマガジンハウスらしく都会的かつ浮世離れした女性像をフィーチャリングしていたようだ。
    そんな「ありふれた奥さまなどくだらねー」の煽りを本気にしてしまった一般の女が婚期を逃して迷走している、という現実をえがき出した「クロワッサン症候群」。その中でもクロワッサン御用達文化人としてやはり加藤登紀子の名前があげられている。
     

    百恵ちゃんや聖子ちゃんはスターである。
    ・・・しかし、リストを見てもらえばおわかりの通りクロワッサン御用達文化人には、とりたててスターはいない。それどころか、はっきりいって中年おばはんばかりである。

    市川房枝、犬養智子、桐島洋子、澤地久枝、加藤登紀子、吉行和子、向田邦子。
    クロワッサン御用文化人には、大きな共通点があった。
    まず第一に若くないということ。読者よりも軽く20歳くらい年上である。はっきりいっておばさんたちである。1人として、20代から30代にかけての女盛りの女はいない。
    ・・・
    第二に、当然のことながら全員キャリアウーマンである。女優をやめて主婦業に専念している浜美枝さんはまちがってもでてこない。
    ・・・
    御用達文化人の第三の共通点。それは、普通の結婚をしていないということである。これは非常に大きな要素だ。
    ・・・
    桐島洋子さんは未婚の母。ちょっと時代がずれれば、過去を隠していなければマスコミに登場できない立場の人である。澤地久枝さんは一度結婚し離婚しているし、犬養智子さんも20年つれそった亭主と別れている。吉行和子さんも20代に一度結婚しているが離婚。向田邦子さんと市川房枝さんは筋がね入りの独身。加藤登紀子さんだけが、正式に結婚し子供ももっているが、獄中の男と結婚したという点がいわゆる普通の結婚ではないと評価され、御用達に選ばれたようだ。
    御用達文化人が実生活で「新しい女」「自立する女」「結婚しない女」をしている、ということが、女たちにとって、説得力をもってせまってきたのはいうまでもないことである。

    御用文化人の顔を思いうかべればわかるが、全員知的な女である。
    ・・・
    知的な女には、ふしぎなことに美人はいない。本当はいるのだけど、「クロワッサン」は知的で美人な有名人を嫌った。その証拠に山本陽子さんや吉永小百合さんは、「自立している女」で東京人で知的であるにもかかわらず御用達のメンバーにいれてもらえなかった。
    美人は一般の知的女たちは好きでないのだ。なぜなら、自分とあまりにもかけはなれすぎていて、生きる指針の手頃な偶像にはなりえないからである。
    ・・・
    もし、加藤登紀子さんが大原麗子のような顔だちをしていたら、女たちは絶対、彼女を快く受け入れはしなかったはずだ。東大卒、美人なんて、聞くだけでうんざりする。知的と評価されるどころか、「嫌味な女」としか思われないだろう。
    加藤登紀子さんの顔が美人じゃなかったから、偶像になれたのだ。


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      • 2017.09.15 Friday
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