わがJ-POP史

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    去年の紅白はキンキキッズやイエローモンキー、パフィー、宇多田ヒカルなどルーズソックス世代の歌手たちが多く出演していたのだそうだ。番組は見てないのだけど、それにかこつけて90年代のJ-POPについてふりかえることにした。

     

    第67回NHK紅白歌合戦 曲目が決定 KinKiは「硝子の少年」 イエモンは「JAM」(12月19日 毎日新聞)

    http://mainichi.jp/articles/20161219/dyo/00m/200/009000c

     

    くしゅくしゅソックス時代までは90年代といってもバブルやサブカルの雰囲気を引きづっていたのだが、ルーズソックス時代に入るとそれらが一掃され消費や若者文化の主役に女子高生=コギャルがおどり出ることとなった。そんな渋谷や池袋のストリートを反映したのか当時のJ-POPって都会の雑踏をさすらう感じの描写が多かったよなと思い適当に検索してみると、今朝もミニスカートで人ごみの中走ったり(CANDY GIRL)、いくつものうつりゆく街並み眺めたり(Tomorrow never knows)、いらだつような街並みに立ったり(名もなき詩)、ウィンドウ開けて街じゅうにbangbangしたり(夢見る少女じゃいられない)、大人が誘いの手を引く人ごみすり抜けたり街じゅうで寝る場所なんてどこにもなかったり(I'm proud)、新しい朝にが動き出したり街じゅうがみんな他人に見えたり(WAKE ME UP)に飛び込めばいつもの仲間と騒げたり(STEADY)と、やたら街にくり出してんなという印象を抱く。

    人ごみとか街並みとか何それレベルなド田舎育ちの私は東京さ怖ぇ。と思っていたわけだが、ここで重要なのは街に物があふれていて愉快だとかいうのではなく、見知らぬ人びとが多く行きかうという描写をもってもっぱらアバズレが居場所のなさや孤独、仲間を強調している点である。いくらルーズソックス世代でも、渋谷はちょっと苦手と人並みをかきわけて5秒前に初デートの待ち合わせ場所にすべり込むといったういういしい歌は人ごみ歌謡とは認められない。

    また女性の歌は自分に正直に生きるという衝動においては殺気ずいているほどであり、平凡な毎日や味気ない大人たち、いい子な自分にNOをつきつけ、イケてる娘になるために「今日からボディをシェイプアップ誰にも負けない」(CANDY GIRL)「明日から早起きしてサボってたダイエットも始めよう!」(WAKE ME UP)などと突然減量を宣言し出すケースも見うけられる。これらの歌詞を書いていたのは小室などおっさんであることには間違いないが、コギャルをはじめとする90年代女子高生の価値観にマッチしCD全盛時代を迎えることとなった。

    で97年くらいからルーズソックスポップ(人ごみ歌謡)の中心にいた小室さんの才能が枯渇してきたこともあって、だんだんルーズソックス第二世代に移行し1998〜99年にかけて浜崎あゆみ、宇多田ヒカルや椎名林檎といった新しい顔ぶれが出てくる。先ほどものべたようにルーズソックス時代の歌詞はおっさんが書いているのだが、ルーズソックス第二世代になると浜崎や宇多田など若い女の歌い手が自分で曲を書くようになって、ここでキッスしてくれだの電話のベルが鳴ったらどうだの・・・と、ルーズソックス時代のJ-POPに顕著だった人ごみ感はなりをひそめ、もっぱら自分のつきあっている男に対する恋の歌に終始している。

    私個人はルーズソックス第二世代の頃、たまにモーニング娘聞くくらいでJ-POPはあまり聞いていなかった。ルーズソックス第一世代から第二世代はあまり大きなパラダイムの変化がなかったうえ、何かそういう恋の歌に対して退屈な印象を抱いていたのかもしれないし、ソフト面では幼き頃から慣れ親しんだ8cmシングルやカセットテープをだんだん見かけなくなりマキシシングルやMDに置き換わられていったのにもどこか味気なさを感じていた。

    恋の歌以上にもう耳障りだとさえ思っていたのがフォークソングの19(ジューク)で、19みたいな歌はもともと嫌いではないはずなのだが、これを作詞しているナカムラミツルっていう人のイラストつきポエムが本当に苦手だった。それも時が立って「今見るとけっこういいかも」とかいうのも全然なく、むしろナカムラ氏が胎内記憶の絵本を書いているのを見て余計に無理になったほどである。

     

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    ルーズソックス第二世代においてもギャル文化はまだまだ健在でゴングロに進化したのもこの頃かと思うが、少女たちの行き場のない衝動は第二世代ではだいぶヌルくなっており、臭い感動が重んじられたりキミとか夢がどうのみたいな歌が多くて停滞ムードがただよっていた。ただ1999年にモーニング娘。がLOVEマシーン(1999)で従来のイメージを大きく変えた頃からか、ルーズソックス時代に葬られた昭和あるいはB級路線がじょじょに回帰してきて、ルーズ・ハイソのハイブリット時代(2000年代前半)になるとトミーフェブラリーの一連の楽曲(2001〜)やキタキマユ「ドゥーユーリメンバーミー」(2001)島谷ひとみ「亜麻色の髪の乙女」(2002)ゆず「恋の歌謡日」(2002)大塚愛「さくらんぼ」(2004)ケツメイシ「君にBUMP」(2004)等々、懐かしい感じの歌やカバーが人々に受け入れられるようになってゆき、徳永英明「VOCALIST」(2005)でピークを迎えた。


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      • 2017.07.22 Saturday
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