ひさぶりだぜ
この世からギャルは滅亡したと見なし、しばらくはまったく女子高生の記事など書いてなかったけど、先日書店で休刊したはずのギャル雑誌「egg」を発見した。今どきの女性誌にはめずらしく縄で縛ってなかったので中をチラ見したところ、茶髪に目元を盛った化粧とルーズソックスで渋谷とかGALとか言ってて、震災前っていうかスマホが普及する前の日本にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えた。
https://www.amazon.co.jp/LOVEggg/dp/B07BQPXRYS
なんで最近の雑誌縄で縛ってるかというと、多色アイシャドウパレットや財布など豪華付録が真ん中へんに差し込まれているためである。そのような付録めあてに買う女たちがほとんどできっと中身は読まれてないけど、概して若い女たちに人気爆発を志向するエイベックスの歌手や韓国アイドルを表紙にあてがい、内容もそのような歌手や韓国文化(食、化粧、旅行)の広告、またメインのファッションページにおいてはAKBみたいなのに在籍するアイドルをモデルにしその顔や名前を女たちにも知らしめるという機能を果たしているようだ。
そうした付録とアイドルとファストファッションとチーズタッカルビに毒された現代の女性誌事情を憂い、シースルー前髪やグラデリップなんかより昔ながらの粗暴でハレンチで歯並び悪い茶髪ギャルが可愛いんだよ!というルーズソックス派の心の叫びを具現化したのが今回のegg復活なのであろう。ただ付録でついてくるパックは確か韓国コスメであり、元KARAのハラちゃんがブスな男におびえる差別的なテレビコマーシャルで一瞬炎上しかけたことがある。
ギャル雑誌eggとagehaがコラボ、新雑誌「LOVEggg」発刊(3月5日 Fashionsnap.com)
https://www.fashionsnap.com/article/2018-03-05/ageha-egg-loveggg/
ビューティー誌「ageha(アゲハ)」が、ギャル雑誌「egg(エッグ)」とコラボレーションし、4月17日発売号から誌名を「LOVEggg(ラブジー)」へ変更する。
「LOVEggg」は、「ageha」の"盛り"と"女らしさ"、「egg」の"GALの流行をキャッチする早さ"と"リアルなライブ感"を融合させた18〜24歳のGALに向けたファッション&ライフスタイル誌。"ギャル魂"というマインドやコンセプトはそのままに、「ソーシャル時代という新しい価値観の中で生きる女のコ達の"今"を応援する」という。
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上の記事によると、もともとagehaって雑誌があり、それとeggがコラボしたって形のようで、agehaのgとeggのggで「LOVEggg」っていう名前になったようだ。なおウェブ版のeggも今年にはいってできているが、そっちは女子高生とオリジナルのロゴを使ってるのに対し、雑誌のeggの対象年齢が18〜24歳といわゆるお姉ギャルであることから両者は無関係な気がする。
egg公式サイト
https://eggegg.jp/
合成だけど109をバックに渋谷のスクランブル交差点でイケイケな感じの女子高生共。スカートのロング化と靴下のショート・くしゅくしゅ化が顕著な現代において、ミニスカートにルーズソックスもしくはハイソックスもしくはルーズソックスの中にハイソックスの二刀流で2010年ごろのギャルスタイルを踏襲する。
雑誌のeggとウェブのeggがあるのもまぎらわしいけど、調べてみると「LOVEggg」の前身となった「ageha」誌も「小悪魔ageha」誌とはまた別の雑誌であり、小悪魔agehaがトランスメディア社、agehaがメディアボーイ社、そのお姉さん格(アラサー?)である「姉ageha」が主婦の友社と、agehaだけで三種類あって出版社もバラバラだった。もともとeggとは別にハピーナッツっていうギャル雑誌が存在し、そのキャバ嬢バージョンとして増刊したのが小悪魔agehaなので、もはやその歴史は政党の分裂や合流ばりに訳わかめである。
ギャル雑誌『小悪魔ageha』ライセンス問題で分裂か 読者やモデルも困惑「なんで2つあんの?」(2017年11月28日 ねとらぼ)
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1711/28/news110.html
Wikipediaで小悪魔agehaはファッションだけでなく、モデルが虐待やトラウマなど心の闇を披露することがある点が特異だと指摘されている。確かにいわれてみるとキャバ嬢てのも援助交際同様、それまでの水商売や売春とは異なるルーズソックス世代特有のトラウマ文化な気がしてきた。
https://www.amazon.co.jp/dp/B079V9929Y/
このbisって見慣れない雑誌が視界に入ってきて、そういえば昔JJの妹(女子高生)版にbisって雑誌があったな。と思い出したのだが、出版社もJJの光文社だった。しかし中身はまったく別物である。
今バージョンのbisは玉城ティナや八木アリサなどviviで見かけるモデルやAKB的なアイドル、しばちゃんや堀北真希の妹といった今どきサロンモデルが紙面に登場していた。服はガーリーで個人的にあんまりよく分からないテイストなのだけど、ラルムって雑誌に似てる印象で、じっさいラルムの編集長だった人が昨年bisを復刊させたそうである。
オリジナルバージョンのbisは、JJ読んでた流れでたまに読んでいた。表紙を飾っていたのは長谷川潤などのモデルで、そういったモデルの出ているファッションページもあったし、くわえてすでにテレビよく出ていたホリプロの浜口順子がモデルとして在籍するなど、その後木下優樹菜やAKBなどに見られる、テレビタレントから雑誌モデルってパターンのはしりだったのだが、あくまでメインはJAMなど神戸の読者モデルだった。
この拾いの表紙画像が一番JJbisぽいと思う。何かもっと頭金髪で盛り盛りなイメージあったけどそうでもなかった。
いちおう表紙に出てる人は関西の金持ち女子大生なのであるが、このドレス姿と髪型、化粧は当時のキャバ嬢に近い。Wikipediaによると小悪魔agehaの創刊は2005年となっており、それまでキャバ嬢は厚化粧や髪を巻くにあたってJJやJJbisの読者モデルを参照にしていたのではないだろうか。
そのせいかどうなのかJJbisはageha創刊の翌年に休刊するのであるが、今bisを復刊させた編集長はもともとagehaの編集者だったという。てことはbisは今でこそ少女趣味でロマンチックな感じにしておるけど、じつはイケイケのキャバ嬢DNAが流れている。
https://www.amazon.co.jp/dp/B07BSXQMB1/
この浜崎あゆみの表紙、現代なのに本人はもちろん背景や小物さえもガラケー感(スマホ普及前の雰囲気)が漂っていてすでに懐かしい。上の新生eggもじゅうぶん古めかしいけど、さすがにeggやagehaでも前髪73分け、頭頂部もっこり、ベージュ口紅はないんじゃないだろうか。
https://www.amazon.co.jp/dp/B07B658B8D/
この雑誌「アーユルヴェーダーの毒出しレシピ」が気になってチラ見したけど、中見たら昔の牛乳の共同購入の記事があり例によってパスチャライズとかノンホモとか書いてたので、昭和の生協だ。と思ってそっちを読んだ。毒出しレシピは服部みれいとの共著もある蓮村誠の奥さんによるものらしい。
- 2018.04.24 Tuesday
- 見た
- 23:03
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- by 悩み
LOVEgggを出すダナリーという会社は
「小悪魔ageha」のライセンスをはく奪されても
agehaという名前の雑誌を出し、
所謂、パチモン商法を取ったのでは
ないでしょうか?
ねとらぼの記事と愛沢えみり氏のブログを
読むとそのように感じます。
そんな会社とタッグを組んでeggは
大丈夫なのでしょうか。
「小悪魔ageha」生みの親、中條寿子氏
のDNAを受け継いでいるのは
VENUS社が出している「小悪魔ageha」と
medius社の「姉ageha」と
中條氏の弟子である中郡暖菜氏の手掛ける「bis」の
三誌なのだと思います。
個人的にはWEB版eggに注目しています。
最近はパラパラを21世紀生まれギャルが踊る
動画をYouTubeにアップしていました。
コギャルブームが去ってから早20年。
何度もリバイバルする世紀末のギャル魂は
恐ろしくも頼もしいです。
次回の更新も楽しみにしています。