うつぶせvsあおむけ

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    (2005-11)

    添い寝授乳で赤ちゃん死亡か「助産師の指導に過失」と両親が告訴状提出(2018年12月28日 ライブドアニュース)

    http://news.livedoor.com/article/detail/15803854/

    ・・・

    告訴状によりますと、去年12月に東京・中央区の聖路加国際病院で30代の母親が男の赤ちゃんを出産し、担当の助産師が赤ちゃんと添い寝をして授乳するよう指導し、出産から3日目の未明に赤ちゃんを母親の胸の上でうつぶせに近い姿勢でタオルで固定したということです。2時間半後、母親が異変に気付き、その後に赤ちゃんの死亡が確認されました。両親は「原則しないはずの添い寝での授乳をさせるなどして窒息死させた」として、業務上過失致死罪で助産師への告訴状を警視庁に提出しました。警視庁は受理するかどうか検討するとしています。両親によりますと、病院は「調査の結果、死因は乳幼児突然死症候群の可能性が高い」と説明したということです。病院はANNの取材に対し、「現時点でのコメントは差し控えたい」としています。

     

    先日このニュースを「助産師・・・母親の胸の上でうつぶせ・・・授乳・・・乳児死亡・・・」と適当に読んだために、早期母子接触「カンガルーケア」かと思ってたのだけど、今しがた上の引用記事で確認したところ出産から3日目と生まれてからけっこう経ってからの事故らしい。そもそも添い乳って生まれたて赤ちゃん胸の上に乗せてタオル固定するもんなのか?という疑問を含め、聖路加病院のやりたかったことや乳児の死因は読んでもよく分からないのであった。

    ついでなのでカンガルーケアを検索してみると、母子の絆や母乳育児を促進すべく出産直後30分以内に2時間程度胸の上に赤ちゃんを置くそうで、初乳を赤ちゃんに吸わせることもあるらしい。しかしおそろしいことにカンガルーケアと検索に打ちこんだらサジェストで一番に「事故」が出てきた。

     

    https://www.amazon.co.jp/dp/B00817L2RO/

     

    https://www.amazon.co.jp/dp/4093798672/

    内容紹介

    生まれる病院で発達障害は5倍違う

    「先生の病院で生まれた子に発達障害児がいない」--
    関係者から聞かされた一言に著者である久保田医師は驚かされた。そしてあるデータを目にする。
    福岡市立のある3施設で集計された統計データによると25年前に比べ発達障害児は20倍以上に増加していた。さらに生まれる病院によって発達障害児の発生率が5倍違ったことがわかった。その原因の一因は国が推奨してきた「カンガルーケア」と「完全母乳」にあると久保田医師は指摘する。実際、「カンガルーケア」と「完全母乳」が推奨されるようになった年と発達障害児が急増する年は一致していた。
    「久保田産婦人科麻酔科医院」の開業から30年間、1万5000人を超える赤ちゃんを取り上げ、出産のゴッドハンドと言われる久保田医師が、現代の誤った出産常識を変えるために意を決して訴える警世の書である。

    内容(「BOOK」データベースより)

    生まれる病院で発達障害は5倍違った!2万人の赤ちゃんを取り上げた出産のゴッドハンドが意を決して訴える「間違いだらけの現代のお産」

     

    産直後カンガルーケアの是非 母子の絆深める目的の半面、事故で訴訟も(2011年6月20日 m3.com)

    https://www.m3.com/open/sanpiRyouron/article/138199/

    カンガルーケアは母親が新生児と肌を合わせて抱く行為を指す。出産後におなかに乗せてお互いに接触し、母親が子供に声をかけたり、自然に母乳を飲ませたりして、母子の絆を強めようという目的がある。母乳中心とした育児に移行させるきっかけとして行われる場合が多い。日本では、2003年にWHOからカンガルーケア実践の手引書が発刊されたのを契機に、母乳育児を目的とした出産直後のカンガルーケアが急速に広まった。

    カンガルーケアを巡る議論として関心が高まっているのは、健康な正期産児の場合に、出生直後20分から1時間ほどの段階で実施するか否かという点。カンガルーケアを実施したケースで、チアノーゼや呼吸停止などの事故が報告されているからだ。

    ・・・

    むしろ黒須氏はカンガルーケアのポジティブな側面に注目している。

    理由は、母子の愛着形成と母乳育児の確立に大きな役割を果たす点があると考えられるからだ。出生直後に、母親と新生児が密着することで、お互いが相手を感じる。母親は子供を胸やおなかに乗せてしぐさを感じることで、子供の理解を深めることができる。2007年から2009年にかけて発表されたシステマティックレビューで、カンガルーケアに伴い、初回授乳の成功率や母乳育児の継続のほか、子供の体温保持やなく回数、母親の愛着行動などで好ましい効果があると報告されている(Cochrane Database of Systematic Reviews 2007,Issue 3.Art.No.:CD003519.、Pediatr Int. 2010 Apr;52(2):161-70.)。

    ・・・

    タイミングと継続時間について「早期にできるだけ長く」がポイント。ガイドラインの指針では、「出生後30分以内から、出生後少なくとも最初の2時間、または最初の授乳が終わるまで、カンガルーケアを続ける支援をする」と記載している。安全性の確保については、「今後研究や基準の策定は必要」と示す。

    ・・・

    「カンガルーケアは新生児の低体温を招くため危険。出生直後のカンガルーケアは即刻中止すべきだ」。久保田産婦人科麻酔科医院(福岡市)の久保田史郎氏はこう説明する。

    ・・・

    久保田氏は、カンガルーケア中のチアノーゼや心肺停止は、出産直後の低体温症が引き金になっていると日本母乳哺育学会(2009年)で報告している。胎児は38度前後の温かい子宮内で過ごし、分娩を境に25度前後の分娩室に生れて、約13度の環境温度差で、寒冷刺激を受ける。

    久保田氏は、「放熱抑制のために末梢血管が収縮し、産熱亢進んために啼泣(筋肉運動)をする。そうしてカロリー(糖分)消費量が増大する。末梢血管収縮とカロリー消費の増大が、子供を低血糖症に陥らせ、自律神経機能不全や脳神経発達に障害を引き起こす危険性がある」と話す。経口的に栄養摂取がまだできない段階は低血糖症に陥りやすい。

    さらに、高インスリン血症の小児にとっては重大となる。久保田氏は、胎児の中には、母親が妊娠糖尿病でなくても、血糖値を下げる高インスリン血症の胎児が6人に1人(20/120人)いるという成績を発表している。分娩前には、どの新生児が高インスリン血症児か分らない。「症状が表に出なくても、中等度の低血糖症が長時間に及ぶと、脳神経発達に永久的な障害を引き起こす恐れがある」と久保田氏は懸念する。

    「カンガルーケアの問題点として、心肺停止事故だけでなく、無症候性低血糖症の新生児を増やし、原因不明の発達障害児を増やす危険性があることがある。福岡市では、カンガルーケアが普及し始めた頃から、発達障害児が増加した」と、久保田氏は産後の対応と小児の発達が無関係ではないと見ている。

    ・・・ 

     

    上の引用文によるとカンガルーケアは2003年に世界保健機関WHOが良き。言い出して急速に広まったらしい。WHOといえば1989年にユニセフと「母乳育児成功の10箇条」も出している。

     

    1. 母乳育児についての基本方針を文書にし、関係するすべての保健医療スタッフに周知徹底しましょう
    2. この方針を実践する為に必要な技能を、すべての関係する保健医療スタッフにトレーニングしましょう
    3. 妊娠した女性すべてに母乳育児の利点とその方法に関する情報を提供しましょう
    4. 産後30分以内に母乳育児が開始できるよう、母親を援助しましょう
    5. 母親に母乳育児のやり方を教え、母と子が離れることが避けられない場合でも母乳分泌を維持できるような方法を教えましょう
    6. 医学的に必要でない限り、新生児には母乳以外の栄養や水分を与えないようにしましょう
    7. 母親と赤ちゃんが一緒にいられるように、終日、母子同室を実施しましょう
    8. 赤ちゃんが欲しがるときに欲しがるだけの授乳を勧めましょう
    9. 母乳で育てられている赤ちゃんに人工乳首やおしゃぶりを与えないようにしましょう
    10. 母乳育児を支援するグループ作りを後援し、産科施設の退院時に母親に紹介しましょう

     

    日本でカンガルーケアが広まった2003年といえばエコの祭典である愛・地球博をひかえキャンドルナイトやら打ち水大作戦が始まったりほっこり雑誌が創刊され出した時期であり、そんな日本ほっこり化の気運に乗って自然なお産界もラマーズ法以来の人気爆発期だったのではないだろうか。ちかごろやけに自然なお産および胎内記憶ゴリ押されてんな?!と私が思ってたのは、ちょっと後の2010年前後だが。

     

    https://www.amazon.co.jp/dp/4576840436/

     

    高橋悦二郎著「胎児からのメッセージ―赤ちゃんは胎内でなにを訴えている?」(1984)というちょっと胎内記憶入ってそうな本にも、カンガルーケアって名前こそ出てきてないもののすでにカンガルーらしき動物が出産した写真の次のページにママさんが胎脂のついた赤ちゃんを腹の上に抱く写真が掲載されている。普及したのがここ10年程度とはいえ、少なくともラマーズ法全盛期にはすでにカンガルーケアが日本に紹介されていたようだ。

    さらにさかのぼること1970年代初めにジョン・ケネルとマーシャル・クラウスという小児科医によって早期母子接触の重要性が説かれたのがカンガルーケアのおこりと思われる。また現在のカンガルーケアはどうか知らないのだが、抱くにあたって赤ちゃんの胎脂ついたままなのが良きらしい。

     

    さて、このヌルヌルの胎脂に包まれた生まれたばかりの赤ちゃんを、なんのためらいもなくすぐに抱きしめたり、お乳をのませようとするお母さんもけっこう多いものです。

    そんなお母さんに話を聞いてみると、

    「生まれたての赤ちゃんを抱くことで、母親としての自覚がわいてきました。ヌルヌルはほとんど気になりません」

    とよくいわれます。そういう親子を追跡調査してみると、気持ちが悪いといって抱こうとしなかったお母さんにくらべて、その後の親子関係がうまくいっているケースが多いようです。

    もちろん、すべてそうだとはいえません。あとからでも親子関係はちゃんと修復できますが、やはり母と子の最初の出会い、接触がたいせつであることは否定できないと思います。

    その意味で、アメリカの病院などでは、生まれた瞬間のへその緒のついた赤ちゃんを、ちょっと汚れをふいただけでお母さんの胸に抱かせてあげるといったやり方を実行しているところが多いようです。日本でも見習って実行している産院がふえているようです。

    生まれてからほんの1〜2時間といっても、このとき、赤ちゃんはわりに覚醒した状態にあるといわれます。ですから、この貴重なときに、お母さんと赤ちゃんが肌を触れ合わせることは、とても意味があることなのです。

    (「胎児からのメッセージ」100〜102ページより)

     

    井深対談

    http://www.sony-ef.or.jp/sef/about/pdf/taidan24.pdf

    ・・・

    井深
      で、お産のあと赤ちゃんは分離?  
    見城
      それも希望なんです。  
    井深
      ああ、それは大分進歩したな。  
    見城
      ですから産んですぐにもう抱きましたし、洗ってきてからは、彼もすぐ抱きましたし、うちの彼はラマーズ法は二度目です。
    井深
      赤ちゃんを洗っちゃった?  
    見城
      洗う前に抱かしてくれるんです。胎脂がついてる状態で。だからほんと、つるつるしてるのね。ラマーズ法で産むと余りいきみませんから、出血が少ないので赤ちゃんに血がついてないんです。きれいに生まれてくるんです。最近はわりにお医者さんの方がせっかちになるというのか、どうしても会陰切開をしてしまうんですね。生まれるときにじっくりと時間をかけていれば、赤ちゃんの頭がそのまま出てくるわけですよ。ところがそれをじっくりやらないで、膣のところをハサミで切ってしまうわけです。

    ・・・

     

    上の井深対談の見城とはアナウンサーの見城美枝子であり、ソニー創業者井深大との対談の中で3人目は愛育病院で産んだと言っているのだが「胎児からのメッセージ―赤ちゃんは胎内でなにを訴えている?」著者の高橋悦二郎もまた愛育病院の小児科医である。同病院は秋篠宮家の悠仁さまがお生まれなったとこらしく、この愛育病院と生後3日の赤ちゃんを胸の上にタオルで固定して訴えられた聖路加病院、芸能人多い山王病院がブランド出産御三家なのだそうだ。

    また愛育病院の大島先生がラマーズ法うんぬん〜って言ってるくだりもあり、それ大島清じゃないかと思って検索してみたのだが検索したかぎりでは愛育病院という経歴は見つからなかった。ただ「十分に甘えさせなかった子は自立が遅れる!抱き癖を心配すると情緒不安定の子に育つ!」の内藤寿七郎が愛育病院の院長だったそうで、内藤先生が顧問だったラマーズ法「お産の学校」にケンケンも毎週だんなさんと通っていたらしい。

     

    井深対談

    http://www.sony-ef.or.jp/sef/about/pdf/taidan12_13.pdf

    大島
      僕は日本のあちこちを回っていますが、今、うつぶせ寝をやっている人たちがいるんです。うつぶせ寝は、進化の過程での四足歩行の時と姿が同じで、そのほうが2ヵ月ぐらい早く首もすわる・・・。
    ・・・
    大島
      それをおばあちゃんや母親は、うつぶせに寝かせると吐くとか、窒息するとか心配するけど、それは絶対にないですね。
    井深
      ふわふわの布団にするからいけないんでしょうね。  
    大島
      ふわふわは危ないです。ふとんは固いほうが絶対にいい。  
    井深
      昭和35年前後の頃、アメリカ式のうつぶせ寝をやって、事故が続出したんです。それでぱたっと止まった。
    ・・・
    井深
      幼児開発協会は、うつぶせとあおむけを、うまく組み合わせてくださいと、お母さんにお願いしている。あおむけのほうが手が自由に動くから。どうやら、日本人の手が器用なのは、あおむけ寝とかかわりがありそうですので。
    大島
      手を自由に動かせるから?  
    井深
      それから、お母さんの目と赤ちゃんの目を合わせるのが楽。背中からだと目が合いにくい。  
    大島
      うーん、目と目をね。  
          そうすると、コンビネーションがいいんですね。  
    井深
      ええ、幼児開発協会はコンビネーション寝です。  
          そのせいか、この頃は奥行きの長い、いい頭の格好の赤ちゃんが増えてきましたね。 
    大島
      うつぶせ寝の赤ちゃんを見ると、まず頭の形が明らかに違う。全部、楕円形、それで、夜泣きしない。これはデータがあります。
          そうか、日本人の手先が器用というのはそういうことか。それは本当にそうなのかな。  
    井深
      うつぶせ寝の子は背筋がとっても強くなるみたいですね。ところが手遊びができませんよ。  
    大島
      ああ、そうですね。第一、動物は手が器用じゃないものね。  
          そうか、日本人の手先が器用なのは、あおむけ寝をしているからか!

     

    以前読んだ1951年2月号の婦人雑誌↓からうつぶせ寝は頭の形がよくなるとかで戦後アメリカ式育児法として伝来したけど、そのうちアメリカ式が見直されるにつれすたれていったぐらいに思っていたのだが、井深対談(80年代か?)を読むとうつぶせ寝はふとんが柔らかくなければ大丈夫だし首が座るのも早いみたいな話になっている。対談によるとうつぶせ寝は昭和35年ごろに事故が多発してたということだ。

     

     

    井深氏がうつぶせ寝の事故が多発したという時期から少し後の昭和41年に出た日本語版「スポック博士の育児書」では確かにスポックがうつぶせ寝良き。ってかいてるのに、発行元の暮らしの手帖がわざわざ「日本のふとんは柔らかいので赤ちゃんが窒息死することもあった」って注意書きしてあったので昭和35年うつぶせ寝の事故多発した説はガチと思う。やっぱりうつぶせ寝や赤ちゃん独りで寝かせるアメリカ式育児は世間一般にいわれてるようなスポック博士によってではなく、それ以前にGHQからゴリ押されてたし添い寝やおんぶなど日本の子育て軽視して病院出産や粉ミルクありがたがる風潮もGHQの陰謀だったのだろう。

     

    アメリカでは赤ちゃんをうつ伏せにねかせるようですが、日本ではあおむけにねかせる習慣です。おちちを吐くときは顔を横にしなければなりませんが、ふつうの健康な赤ちゃんならば、私は日本の習慣のように、上をむかせてねかせた方がよいとおもいます。アメリカの赤ちゃんのベッドはかたいので、うつ伏せにねかせても、顔がふとんにうまる心配がありませんが、日本のふとんはやわらかいので、顔がうまって、窒息死した赤ちゃんもありました。

    (「スポック博士の育児書」229ページより)

     

    うつぶせ寝が柔らかいふとんによって事故多発しすたれた証言は前述の高橋悦二郎著「胎児からのメッセージ―赤ちゃんは胎内でなにを訴えている?」にもあった。聖路加病院の事故もおそらくうつぶせ寝との関係が疑われてると思うのだが、自然なお産かいわいでは、やわらかいふとんでなければという条件つきで比較的うつぶせさせたい意向が見受けられる。

    それよりも80年代時点で、首が座るのが早い、寝返りが早い、ハイハイが早い、おむつがとれるのが早い、こういう成長が早い方が賢くて偉いみたいな風潮が今よりかなり強そうだ。おむつが早くとれるのは当時布だったことを考えると利点も大きかっただろうが、首すわるとかハイハイ早かろうが遅かろうがどっちでもよくないか。

     

    戦後アメリカから、赤ちゃんはうつぶせに寝かせるべきだという強い主張が日本に伝わりました。西洋人はだいたい牧畜民族ですから、ひょっとすると動物の寝相を見てヒントを得たのでしょうか。

    ところが、日本でうつぶせ寝が流行すると、蒲団がフカフカでやわらかすぎるため、鼻をふさがれて窒息死の危険があるとされて、やがてブームも下火になりました。

    赤ちゃんをフカフカの蒲団に寝かせるというのも、いかにも日本人らしい、赤ちゃんをとてもかわいがる、見方によっては過保護の傾向のあらわれともいえます。

    あまりにフカフカすぎる蒲団は、あおむけに寝かせたときに脊椎を曲げてしまうおそれもあります。おとなになってもすすめられないのに、脊椎がまだやわらかい赤ちゃんにはけっしてよいことではありません。

    最近は、そういう知識が普及してきたためでしょう、ベビーベッドの上にさらにフォームラバーのマットレスを敷くというお母さんもぐっと少なくなりました。赤ちゃん用の蒲団はうすいものでじゅうぶんなのです。

    (「胎児からのメッセージ」200〜201ページより)

    うつぶせ寝の効果は、赤ちゃんがさかんに首を持ちあげようとするために、首や背中の筋肉がきたえられるのか、心もち早く首がすわることです。あおむけにばかり寝ていては、このトレーニングの機会が少なくなりますから、どうしても首のすわりが遅れがちになります。

    また、手足を突っぱってからだを浮かせるトレーニングにもなりますから、寝返りやハイハイが早くなります。あおむけに寝かせておくと、ハイハイの準備をするためには寝返りをうたなくてはなりませんから、そのぶんだけでも遅れるわけです。

    一般に、うつぶせで寝かせたほうが1〜2ヵ月寝返りやハイハイが早くなるといわれています。

    うつぶせ寝は、生まれてすぐからはじめてもかまいません。お乳を吐きやすい赤ちゃん、泣き虫や顔をまっかにしていきむ赤ちゃんなどは、うつぶせ寝のほうが落ち着きます。

    (「胎児からのメッセージ」202ページより)

     

    また「胎児からのメッセージ」の巻末に杉山四郎著「うつぶせ寝赤ちゃんはスクスク育つ」の広告もあった。杉山四郎の著書を見ると「いい妊娠いいお産―うつぶせ寝のすべてと男女生み分け法」「最新・男女児生み分け」「男女は生み分けられる―シェトルズ博士からの成果」「家庭でできる女の子・男の子の生み分け」「男と女の生み分け法―あなたが望む家族をつくるために」「最新決定版 男女は生み分けられる―妊娠の確率、生み分け成功率、飛躍的にアツプ」「新常識 男の子・女の子が生み分けられる―幸せを生む感動の計画出産」「女の子・男の子生み分け法―幸せあふれる夢の家族づくり」「最新版 女の子男の子 赤ちゃんの生み分け法」「夫のための男女児生み分け法―成功率81%の驚異」など、うつぶせ寝よりも生み分けへの情熱がすごいのだが、杉山氏以外にも「大関早苗のうつぶせ寝育児法―O脚、デカ顔、絶壁頭よ、さようなら」「小児科医からみた赤ちゃんのうつぶせ寝とあおむけ寝―新生児の超適応能力」といった本が出てるあたりから推察するに、1960年ごろ事故が多発して下火になりスポック博士の育児書にも注釈がつけられたうつぶせ寝がやや意外ながらも80年代には再評価される動きがあったということであり、この気運については柳沢慧著「いま赤ちゃんが危ない―サイレント・ベビーからの警告」(1990年)においてもけっこうページが割かれている。

     

    https://www.amazon.co.jp/dp/4087810631

     

    https://www.amazon.co.jp/dp/4893760602/

    わが国の最近の育児文化の大きな特徴は、うつぶせ保育がはやりだしたことです。欧米では比較的多く行われているこの保育方法は、日本ではむしろあまり行われないものの一つでした。しかし、わが国の産科医が積極的にうつぶせ保育の導入に力をいれ、さらにこれに美容家まで加わり、今ではほぼ日本全国に普及しています。この2,3年で私の外来にも、うつぶせ保育の赤ちゃんがたくさん訪れるようになりました。

    この頃から、私は赤ちゃんの顔つきが皆同じなのに気づき、ある新聞の読者欄に投稿したことがあるくらいです。

    その顔つきというのは、横から押さえつけられた前後に長いもので、目と目が近寄り、わずかに頬は下ぶくれとなり、日本人の赤ちゃん独特の丸い顔ではないのです。一見して判明できる独特の顔貌は、全てのうつぶせ保育の赤ちゃんに共通した個性の少ないものとなり、両親や兄姉(うつぶせ保育ではない時)に似ない顔つきとなります。むしろうつぶせ寝の赤ちゃん同士が、きょうだいのように似ています。

    ・・・

    私はうつぶせ保育の赤ちゃんは、あの赤ちゃん独特の丸みのある目と目の離れた愛らしさがなく、全体として可愛らしさに欠ける顔にされてしまうのが、残念でしかたありません。

    小さい赤ちゃんには、母性をわき立たせる条件の一つとして、可愛いということが大切です。顔が可愛いという条件には普遍性が見られます。私は看護学生100人に、丸と楕円を黒板に描き、どちらが可愛いかと聞きましたら、全員が丸の方を指摘しました。すなわち、丸顔は可愛いという普遍性を持っていることになります。

    うつぶせ保育の良いところも、もちろんあります。中でも赤ちゃんが安心したようによく寝ることでしょう。そして、未熟児や呼吸障害のある新生児では、うつぶせ保育の方が心肺の機能がうまく保てることは、医学的にも証明されています。しかし、普通の赤ちゃんには、うつぶせ保育にしなければならないほどの理由はないようです。

    (「いま赤ちゃんが危ない―サイレント・ベビーからの警告」106〜109ページより)

    さて、わざわざ赤ちゃんの時に必要な可愛さを犠牲にしてまで、うつぶせにする利点があるのでしょうか。医学的にも育児学的にも、うつぶせ保育とあおむけ保育の利害についての、一致した意見はありません。巷にはうつぶせ保育を推奨する美容の本まで出版されていますが、無責任なことです。今の日本人の顔のどこに、白人に劣るところがあると言うのでしょうか。白人コンプレックスが育児の領域まで浸透したとなれば、ゆゆしき問題です。

    私は、うつぶせ保育にするか、あおむけ保育にするかは、これまで述べてきたことを参考にして、両親が選択すべきものであると思います。しかし、産科医が決めることではないはずです。現代の医学で特に要求されている「説明と同意」が必要です。すなわち、産科医はお母さんに、うつぶせ保育の利点と欠点をよく説明し、両親の同意を得てからどちらの保育を選ぶかを決めるべきなのです。

    (「いま赤ちゃんが危ない―サイレント・ベビーからの警告」110〜112ページ)

    古い子育ての方がいいとは言いませんが、新しいものがすべてよいとも限らないので、どちらにしようか迷う時には、今まで行われてきた方法を選ぶ方が無難です。育児学的に見て明らかに誤りでない限り、経験的に行われてきたものの方が安心できます。

    たとえば、うつぶせ保育にするか、あおむけ保育にするか迷った時には、わが国の伝統的な育児の方法であるあおむけ保育を選んで下さい。しかし、お母さんがうつぶせ保育に強い魅力を感じるのであれば、その長所と短所を把握した上で選択すればよいと思います。

    (「いま赤ちゃんが危ない―サイレント・ベビーからの警告」90ページより)

    うつぶせ保育の子の頭や顔が長く扁平に変形するのは、その原因の一つに寝具があります。うつぶせ保育では、うつぶせた時に窒息を予防するために、固めの敷布団を使用するためです。このことは本場の米国でも問題になっていますが、ふとんの固さには十分注意が必要です。

    赤ちゃんはあいている自分の手で遊びます。うつぶせではこれができません。そして、視野が狭いのも欠点です。いつも一方のみを向いていますから、あおむけ保育の乳児に比べて、お母さんの顔を見る機会も少なくなりがちです。夜間の寝る時以外は手足の自由がきくあおむけに寝かすことをおすすめします。

    うつぶせ保育の赤ちゃんは発達が早いといわれます。首をもたげるのもあおむけ保育より、少しばかり早く、寝がえりも(この場合はうつぶせからあおむけになる)早いことが少なくありません。しかし一年後には、あおむけ保育の赤ちゃんとほとんど同じ発達域に到達します。ですから、発達や発育の面ではこの二つには差がないと考えればよいのです。

    では、うつぶせ保育とサイレント・ベビーとはどのような関連性があるのでしょうか。まず、うつぶせ保育の赤ちゃんは先にも少し触れたようによく寝ます。地球をだっこしているのですから、安心しているのでしょう。

    しかし、このことがお母さんとのコミュニケーションを少なくする原因ともなるのです。赤ちゃんからのサインが少なくなるために、お母さんがつい赤ちゃんと語り合う時間を逃してしまいがちです。

    ・・・

    うつぶせ保育の赤ちゃんはあまり泣きません。赤ちゃんは泣くことも大切なサインなのです。泣かないことをいいことにして、赤ちゃんとのコンタクトが希薄にならないように注意しましょう。

    あおむけ保育が悪くない方法であることは、日本の過去の実績が物語っています。サイレント・ベビーにしないためにも不必要にうつぶせにせずに、なるべく視野を広げる意味でも、手足を活発に動かす意味でも、あおむけにする時間を多く作ってやりたいものです。

    うつぶせ保育と赤ちゃんの突然死との関連性がよく話題になります。赤ちゃんの突然死として報道されるものには、うつぶせて死んでいたものが少なくありません。だからこそ、今もって乳幼児突然死症候群とうつぶせ保育との関連性が問題になるのです。確か、横綱千代の富士関のお嬢さんも、死亡時にはうつぶせていたようです。最近の小児学会(平成元年5月 新潟市)でも、乳幼児突然死症候群の七例中六例がうつぶせ保育だった、と報告されています。「うつぶせ保育は窒息しない」というのはいまでは神話になり、むしろ突然死との関係がとりざたされることの方が多いようです。

    ・・・

    (「いま赤ちゃんが危ない―サイレント・ベビーからの警告」112〜115ページより)

     

    これ引用してる途中で、千代の富士の娘って松田優作の息子の嫁さんよな?と思ってついWikipediaで確認してしまったのだが、千代の富士の娘は秋元梢といい妹さんがうつぶせ寝が原因でか?はともかくとして1989年にわずか4カ月で突然死したのだという。また同じ本でこれまたカンガルーケアという言葉こそ出てこないものの、生まれた直後の母子接触と母乳育児の関係について言及されていた。

     

    お母さんと赤ちゃんの絆は、人間の中では最も強いものだといわれます。赤ちゃんはお母さんのおなかの中で大きくなり、生まれてからもお母さんのささえがなければ生きていけないのです。

    ・・・

    この母子の絆は、生後早い時期に結ばれます。動物ではこの時期を過ぎても母子の絆が結ばれなかった場合には、親が子を殺すこともあります。人間ではこのようなことはありませんが、その後の子供の精神発達に影響することがあります。この時期(臨界期)はヤギでは生後5分以内、人では12時間以内といわれています。

    ソーサらの研究によれば、生後すぐにお母さんに抱かれた赤ちゃんは母子の絆が強く結ばれるので、そうでない赤ちゃんに比べて、母乳で育てられる機関が2倍以上長かった、といいます。

    また、出産後退院するまでの間、母児同室(出産後、赤ちゃんはお母さんのベッドのそばで寝る)だった場合と、母児同室の場合を比べてみました。すると、退院後2か月たって母乳で育てている割合は、前者で77パーセントで、後者では27パーセントであったといいます。

    すなわち、生まれた直後にお母さんと子どもが接触したかどうかは、その後の保育にも影響を与えるのです。日本の一部の産科医院での産後退院まで赤ちゃんをお母さんから離しておき、授乳の時だけ一緒にさせる習慣は、母子関係にとって好ましいものではありません。

    ・・・

    まず、赤ちゃんが生まれるとすぐお母さんの胸に抱かせることは、多くの産科でも行われています。産まれた直後の赤ちゃんは短時間ですが、意識がはっきりしている時があり、この間のことはよく覚えているといわれます。ですから、この時に結ばれる母と子の絆は一生続くものと思われます。

    ・・・

    (「いま赤ちゃんが危ない―サイレント・ベビーからの警告」118〜120ページより)


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      • 2019.06.16 Sunday
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