バブギャル
浜崎あゆみ全盛期から、眉や唇の色を控えめにして目を強調するカラーレスメイクが主流だったが、今は女性誌言うところの「抜け感」とやらを表現するためにアイメイクを薄くするのが最大の特徴だ。
メザイク、カラーコンタクト、つけまつ毛の普及によって、アイシャドーやアイラインをそれほど派手にしなくても目の大きさをある程度盛れるようになったことが一因として考えられる。
にしても、眉と唇が濃くなったのはバブル期以来ではなかろうか? 90年代以降のリップメイクはベージュ系やグロスなど、ツヤを与えるだけのバイプレイヤーに甘んじていたにもかかわらず、近頃は発色の良い赤やオレンジの口紅を塗りたくった女が急増しているのだ。あれはおそらく最近よく見かける、クレヨンタイプの口紅ではないかと思う。
それに加えて今はゆるふわな茶髪がなりをひそめ、黒髪やストレートヘアが流行りでもあるために、若者が本当にバブル期の女みたいに見えることもあり、外見的には一気に老けた感がある。
いわゆるアラレちゃんメガネにしてもそうだが、当時(1987〜92年くらい)を一度リアルで通過した者からすると「そんなファッションどこがいいんだい?」と、たずねてみたくもなるところ、今のギャルは90年代生まれであるからして、そのダサさを知らないばかりか、新鮮で素敵ぐらいに考えているにちがいない。
おそらくこのバブル風ギャルを牽引しているのは、ぶんか社より発行されている「JELLY」だと思われる。
「JELLY」は「Ranzuki」(ランキング好きの意)の姉妹誌として創刊された辛口ギャル雑誌であり、その歴史はまだ10年にも満たない。
辛口というにはその対をなす甘口や中辛があるということだが、おそらく甘口に相当するのが「ポップティーン」なのだろう。
ちなみに新興雑誌の「JELLY」に対して「ポップティーン」誌はというと、20年以上前にはすでに存在していた。
当時「エルティーン」「パステルティーン」「ルナティーン」「おちゃっぴー」などの少女向けエロ雑誌にカテゴライズされていたはずの「ポップティーン」だったが、近年益若つばさや舟山久美子といった人気モデルが頭角を現すにしたがい、私もある時から「ポップティーン」がかつてのティーン系エロ雑誌でないことに気づき出したのである。
表紙の「popteen」のキラキラロゴに対し、背表紙の「ポップティーン」というどこか渋いカタカナ表記のロゴは、エロ本時代の唯一の名残であろう。
テレビなどで益若つばさや舟山久美子、あるいは西野カナのガーリーなファッションを見る限りでは、同じギャルでも昔の汚らしい陸サーファー崩れのコギャルとは大きく異なり、厚化粧ではありながらも小ぎれいにまとまっているのがいかにも現代的だ。
それと対象的に「JELLY」は服装も化粧もややモード寄りだろうか。しかしながら、くだんのパラダイムシフトに鑑みると「ポップティーン」よりも「JELLY」のほうが今っぽいような気もする。
にしても、「テラスハウス」で有名な今井華など、JELLYモデルの経歴をみるとデビューが「egg」だったりして、「そんな雑誌まだあったんかい」と思って調べてみたところ、やはりというか今月末日発売号をもって休刊するのだそうだ。
egg誌と同じく汚らしいコギャルのイメージの強かった「cawaii」が2009年、eggの男性版「メンズエッグ」が昨年、くわえてギャルより汚らしい「小悪魔ageha」も一ヶ月くらい前に滅亡したらしい。抜け感全盛期に生き残れなかった厚化粧雑誌の末路である。
- 2014.05.29 Thursday
- ギャル・JK今昔
- 19:46
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- by 悩み