昭和50年代の洗髪事情
リンスの必要性は“なんとなく”が多いのよ。
生まれてはじめてリンスをしたとき、リンスはシャンプーみたいに泡立つものだと思っていた。いくらマッサージしても泡立たないのでてっきり不良品だと思い込み、店へ文句を言いに行こうとした
「リンスの効果について前に恋人からいろいろ聞かされたけど、僕はその気にならないなあ。気休めなんじゃないの」なんて、見かけによらず認識不足ね。そんなことないのヨ。
洗髪もあまりしないけど、みっともないから週3回と書いといてくださいよ
やや太めで、ロングヘアがちょっとむさくるしい感じ。でも洗髪は週3〜4回とまめなのだ。
「週2回はふろ屋で、あとは月に1回トルコへ行くから、そこで。頼むと洗ってくれますョ。ていねいに」
女の子とシャンプーにまつわるエピソードは?の質問に、トルコでのタワシ洗いの感触が忘れられない、との答え。
何かしらね、タワシ洗いって・・・ユニークな人。
花王 中森明菜 S58年春頃 CM(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=KTnruW5Zrm0
「信じられる?ティーンの2人に1人は、毎日シャンプーしてるって」
昭和の主要なシャンプーブランドといえば、花王「フェザー」(1955年)ライオン「エメロン」(1965年)資生堂「バスボン」(1974年)あたりか。「フェザー」は現在も「エッセンシャル」として生きながらえている。
おそらく戦前には普通の白い石鹸で洗っていたのが高度経済成長期あたりから粉末シャンプーが出てきて、やがて今のようなクリーム状になり、70年代にはリンスも使え!ってな空気になってきた。当時のリンスはトリートメントと違い、お湯に溶かしてゆすぐという使い方であったようだ。
アイドル時代の中森明菜が言っているように約30年前の時点では、オシャレに敏感なティーンでさえ2人に1人しか毎日シャンプーしていないのだから、平均的には週1、2回ってとこだったんだろう。
そのくせヘアリキッドやらポマードやらチックやらと今よりキツい整髪料つけていたんだから、その臭さと汚さは想像にあまりある。しかしいっぽうで本来はそんなに洗わなくてよかったはずの髪も、化粧品会社が「毎日シャンプーしないと不潔である」と、きれい好きの日本人を洗脳した部分も大きいのではなかろうか?
拾い物
国産シャンプーの草分け「フェザー」の粉末時代。1950年代か?
当時のピチピチギャルが、今どきシャンプー使わない男なんて遅れてるんだよ!とでも言いたげな広告。
1977年。「ペアでつかうと、しなやかいっぱい」と、当時のピチピチギャル(山口百恵)がリンスの必要性をアピール。
ピチピチギャル2人連れが、しなやか!しなやか!とリンスの習慣をゴリ押し。
「今、2人に1人の割合でトリートメントが使われています」と、「ティーンの2人に1人は毎日シャンプーしてるって!」(by中森明菜)と全く同じ手法で、需要をでっち上げるためにトリートメント使わない奴が遅れているかのように誘導。
シャンプー使わないとヤバイ。リンス使わないとヤバイ。トリートメント使わないとヤバイ。毎日シャンプーしないとヤバイ。・・・とエスカレートしたあげく、80年代後半には「朝シャン」の習慣が何者かによってゴリ押されている。
- 2014.08.30 Saturday
- 私の書斎
- 23:10
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- by 悩み