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評価:
北川 広和
緑風出版
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(2000-05)
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前回の記事において朝鮮の独立運動で祝日にもなっている三一運動(1919年)についてご紹介したのだが、それについてネットで調べていたところ以下のような記事を見つけた。
東京で20年目の三一節記念式を開いた日韓市民団体(3月1日 ハンギョレ)
http://japan.hani.co.kr/arti/international/19817.html
東アジアの平和連帯訴え
「兄さんもこんな歳になってしまったんだね。私たちが最初に会った時は40代だったのに」
28日、日本の東京文京区のある居酒屋でハン・チュンモク韓国進歩連帯代表(58)は、渡辺健樹日韓民衆連帯全国ネットワーク共同代表(63)の顔を見ながら、親しげに声をかけた。渡辺代表がその言葉を受け、「もう髪の毛がこんなに抜けた」と今はまばらになった自分の頭を撫でる間、隣に座った北川広和月刊『日韓分析』編集員(61)は片言の韓国語で冗談を言った。
韓国と日本の市民団体が、1996年から毎年休むことなく開いてきた三一節(3・1独立運動)共同行事が28日で20回目を迎えた。両国の市民団体の交流が始まったのは20年前のことだ。この日の行事に参加したイ・チャンボク6・15共同宣言実践南側委員会常任代表議長(元国会議員)は「当時(最大在野団体だった)全国連合(民主主義民族統一全国連合、現韓国進歩連帯)の常任議長として日本を訪問した。日韓関係が悪い時こそ、民間ではより頻繁に会って交流を行わなければならないと考え、日本の民衆勢力とともにシンポジウムを開催した。それがきっかけになり、現在までの交流を続けている」と述べた。
当時、韓国では在野と市民団体を網羅する全国連合という団体があったが、日本にはそのような団体がなかった。韓国との交流の必要から、1970年代から在日同胞スパイ事件の救命運動に参加してきメンバーを中心に韓国の民主化と平和統一運動を支援する「日韓民衆連帯全国ネットワーク」を1999年春に発足させ、今日に至っている。彼らは毎年三一節には韓国から日本に、8・15光復節には日本から韓国に答訪する交流行事を、もう20年も続けている。長年の付き合いだからか、彼らはお互いを兄貴、弟と称し、この日の行事に姿を見せていない知人の近況を尋ねることもあった。
この日の交流会に先立ち、彼らは東京文京区民会館で三一節96周年記念行事を開いた。この日の行事の中心となったのは、解放70周年(日本では敗戦70周年)を迎え、安倍政権が推進する「集団的自衛権」など、日本を再び戦争できる国にしようという動きを両国市民がどのように阻止するかであった。渡辺代表はこの日、要請文で「(今年)3月1日は、日本の植民支配から朝鮮半島の人々が独立を求めて奮起した三一節運動の96周年だ。日本人には過去の歴史を直視し、いかに朝鮮半島とアジアの人々と平和的な関係を作っていくのかを再確認する日でもある」と指摘した。イ・チャンボク議長も同日の演説で韓米日軍事同盟を制御するための『東アジア市民平和連帯』の組織を再び訴えた。行事の間には、日本人と在日同胞が一緒に作った「歌の会」の会員たちが「岩のように」など韓国民衆歌謡を歌った。
上の記事で三一節(と光復節=8月15日)を祝っている日本と韓国の交流団体が、民主化運動の左翼ネットワークなのは間違いない。
こうした軍事政権下(左翼の大嫌韓時代)において金大中さんを救おう!金芝河を殺すな!とやっていた人たちが、民主化後に歴史問題で日韓関係こじらせるようになったんじゃないかと以前から目星をつけていたのだが、その思いは西岡力教授の話を聞いてからというものますます強くなっている。
この三一節を祝うメンバーである月刊『日韓分析』北川広和編集委員って人が
「北朝鮮バッシング」っていうそのものずばりな本を書いていたらしく、検索で引っかかった97年の記事を読むと横田めぐみ拉致事件は産経のデッチ上げ〜ってな内容だった。97年というとまだ横田めぐみさんの存在が知られ始めた頃なので、2002年まで「北朝鮮は悪くない」が左翼の公式見解だったんだろう。
また「日韓民衆連帯ネットワーク」というのもサイトがあり、それを読むと
日韓ネットとは・・・会則
http://www.geocities.jp/nikkannet/01general/02kaisoku/kaisoku.html
日韓ネットは、朝鮮半島の平和と統一を願い、日韓の民衆連帯と交流をすすめている市民グループです。
ほぼ70年代から、韓国滞在中に不当逮捕された在日韓国人政治犯の救援運動(おかげさまで現在、在日の政治犯は0になりました)や、韓国の反独裁民主化、平和・統一運動、民主的労働組合運動との連帯をすすめてきたグループや個人を中心として、97年以降、韓国・民主主義民族統一全国連合と共催で東京とソウルで交互に開催した「アジアの平和と朝鮮半島の統一のための日韓共同シンポジウム」を契機に、各地のグループ・個人があらためて連携を強めようと、99年春、全国ネットワークとしてスタートしました。
日韓ネットは、どの政党にも属さない市民グループです。趣旨に賛同される方はどなたでも会員になれます。ぜひ、あなたも会員に!
どの政党にも属さないってのは「ネットワーク」と並んで市民団体の定番だが(左翼ではない、普通の市民がゆるやかにつながっているといった趣旨かと思う)、共同代表の衆議院議員は旧社会党や新社会党に属している。
もしかして例の西早稲田?と思ったけど全然違う住所だった・・・
その他メンバーは反天皇制とか命どぅ宝(沖縄)とか、まぁ何でこれが韓国の民主化運動とつながってるんだと思うかもしれないが、そういうもんなのである。辺野古でもハングル文字の反戦横断幕見かけたし。
また「カトリック正義と平和協議会」もこの日韓ネットだった。「カトリック正義と平和協議会」とは、西岡力がトーク番組で光州事件について語っていたときに名前の出てきた団体だ。
【さくらじ】#3 11月23日、北朝鮮による韓国への砲撃が![桜H22/11/26] (YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=3g0EKNKfn0s
ぼくは光州事件が専門でね。実は1982年から84年までソウルの日本大使館に勤めてたんですよね。で光州事件って1980年に起きたんです。ぼくまぁ調査員って資格でいたんですけども、そのとき死者が何人だったかってこともわかんなくて、日本の左翼・・・今でもいろんな変なことやってる和田春樹っていう東大の名誉教授がいるんですけども、あれと朝日新聞の猪狩章っていう記者が本出して、死んだのは2000人だと。その根拠はカソリックのルートで死体が500体くらいあったという手記が日本に来てですね。日本のカソリックの正義と平和委員会かな?何か記者会見したんです。で妊婦の腹を裂いて胎児を投げ捨てたとかいう話だったんですけど、ところがそれウソだったわけ。そんなことなかったっていう説もあって、それがだから事件の2年後で、まだ全斗煥政権もそこ取材することタブーにしてたときに、まぁ私も外務省の仕事の休暇とって光州に8回くらい行ってですね・・・
(略)
でそこに行ったらね、当時銃をとって戦ったっていう全南大学の学生と友達になって彼に墓地とか案内してもらったんだけど、一番残虐な場面何だったんですかって言ったら戒厳軍が棍棒でデモ隊を殴ってたというのが一番残虐な場面で、妊婦の腹を裂いたっていうのと全然ちがうわけ(笑)。それでその「引き裂かれた旗」っていう手記があるんですけど、カソリックが400体死体があったっていうね。それがまた韓国に逆輸入されて韓国の延世大学っていう日本の慶應みたいなところの壁新聞で貼ってあったんですよ。ぼく大使館員だったからときどき壁新聞見に行くのまぁ趣味・・・半分仕事半分でね(笑)学生運動ウォッチャーだったですから見に行ったわけ。あっ日本の「引き裂かれた旗」がここにまた逆輸入された。と思って見ててね、模造紙に手書きなんですけどもビニールでぬれないようにしてて、そのビニールの上に万年筆で、400体あったってのウソだって書いてるの。おれはそのときは光州にいたけど死体はリヤカー3台分しかなかったって。ぼくのその友達になった全南大の学生に聞いても100は超えなかったと。政府の発表が200なんですよ。政府の発表は正しいんです。
この「カトリック正義と平和協議会」の公式やウィキペディアを読むと、その主張はやっぱり慰安婦とか憲法9条とか反核とか命どぅ宝とか宗教とはいえ政治色がかなり強い。クリスチャン=左翼ではないのだが、民主化運動系にクリスチャンが多いのは何か特別な秘密がありそうだ。
ざっとまとめると日本で三一運動を祝っているネットワークの中の人は、韓国の政治犯を救おう(70年代)→光州事件の恐ろしさ盛る(80年代)→慰安婦問題(90年代)→北朝鮮拉致否定(2002年まで)・・・といった経緯を歩んできている。この人たちの世界観は西岡力言うところの「韓国版自虐史観」に寄与していることだろう。
ってなわけで前置き?が長くなったけど、本日の話題。
駐韓米大使暴行の容疑者、10年の日本大使襲撃犯と同一か(3月5日 CNN)
http://www.cnn.co.jp/world/35061356.html
マーク・リッパート駐韓米国大使が5日朝、ソウルの講演会会場で刃物を持った男に襲撃され、負傷した事件で、韓国の聯合ニュースは姓名が「キム」とする55歳の容疑者は2010年7月に同市で駐韓日本大使にコンクリートの破片を投げ付けた男と同一人物と伝えた。
この事件で容疑者は執行猶予付きで懲役2年の判決を受けていた。
地元テレビは、5日の事件で男は拘束され、調べを受けていると伝えた。聯合ニュースによると、容疑者はリッパート大使に背後から近付き、大使をテーブル上に押し倒して襲い始めていた。ソウルの警察によると、凶器は長さ約25センチの刃物で、大使は右ほおや手を切られていた。
容疑者は最近始まった米韓合同軍事演習に反対していたとも伝えた。地元警察が犯行の詳しい動機や犯行の謀議の背景について調べている。
犯行発生時をとらえたビデオ映像によると、男は床に取り押さえられ、会場外へ連れ去れた。この際、「韓米の軍事演習は止めなければならない」とも叫んでいた。
地元の病院によると、大使はほおに長さ約10センチ、深さ約3センチの切り傷を負った。80針を縫う処置を施したという。神経系統に傷はなかった。より深く切られていた場合、深刻な症状になりかねなかったという。左腕と手の5カ所も負傷した。
米国務省のハーフ報道官は命に別条はないと述べた。
地元警察の責任者によると、この日の講演会は「民族和解協力汎国民協議会」が主催したもので、容疑者はこの団体のメンバーだった。
韓国の朴槿恵(パククネ)大統領は、事件は米大使への物理的暴力だけではなく米韓同盟への攻撃であると非難し、決して容認出来ないと述べた。
最近霧の中で車が玉突きしたとか男が銃乱射したとか、セウォル事件以降特に韓国の素晴らしさをぶち壊すニュースが報じられることが多くなったが、今日はそのシリーズの中で駐韓米大使が刃物で切りつけられて大ケガって事件が人々の耳目を集めている。少し場所間違っていれば命も危なかったのだとか。
犯人キムギジョンについて調べていると韓国の右翼?って書かれたサイトがあったけども、駐韓日本大使にコンクリートのかたまり投げたって前科からどう考えても反日反米の典型的な左翼だろう。
犯行の動機も先日北朝鮮がミサイル発射したのと全く同じだし、犯人がメンバーだったっていう「民族和解協力汎国民協議会」は中央日報の過去記事を読む限り北朝鮮の支援団体である。
そういえば朴槿恵も昔左翼から顔切りつけられてたような・・・