冬もていねいに
http://www.amazon.co.jp/dp/B017MEIZ6C/
ほっこり雑誌の中ではあまり大衆に迎合しない印象のある「天然生活」。今出ている号の特集は「私の体調管理法」と題して、冷えとり、丹田、アーユルヴェーダ、デトックス、足裏など、からだのこえにみみをすませる感じの民間療法が目白押しで、特別付録には二十四節気七十二候の暮らしカレンダーがついてきている。
二十四節気というのは夏至とか立秋とかいうアレだが、元電通のマエキタミヤコによる「キャンドルナイト」(夏至、冬至)、元博報堂の池田正昭の「打ち水大作戦」(大暑〜処暑)、あとあんまり有名じゃないけど元電通の上田壮一による「Think the Earth」の「えこよみ」ってのが二十四節気の本だったりして、かねてより左翼っぽい広告関係者が人気創出していた。くわえて月の満ち欠けも好む傾向にあるが、これらは旧暦志向であり西洋から太陽暦がもたらされる前は自然と暮らしが密着していたっていう、よくある江戸時代万能説の一種だろうと見ている。
そういえば2年くらい前に使っていた「あたらしい自分になる手帖」にも二十四節気とか月の満ち欠けは載っていたと思う。まぁその程度なら普通のカレンダーにも載っていたりするので、ほっこりさんは古きよき暦で季節の移ろいにも注目してみてはいかがだろうか。
http://www.amazon.co.jp/dp/4906817084/
天然生活で岐阜県に移住したマーマーマガジン編集長服部みれいの冷えとり生活に密着していたが、今年から手帖がリニューアルして「あたらしい自分になる手帖」から「わたしの手帖」になって、「岐阜&美濃情報」も満載なんだそうだ。amazonで服部氏の著作物を検索したところ、以前は「あたらしい自分になる本」(2011年)「あたらしい東京日記」「あたらしい食のABC」(2012年)「自由な自分になる本」「あたらしい結婚日記」(2013年)と、「あたらしい」「自分」がキーワードとなっていたが、2014年11月に出た「わたしの中の自然に目覚めて生きるのです: あたらしい暮らしのちいさな魔法」をさかいにあたらしいが副題に格下げされ、そのかわり「わたしが輝くオージャスの秘密: 黄金の生命エネルギーできれいになる元気になる」「わたしのヒント」など代わりに「わたし」が台頭してくるようになり、手帖も名前が変わってしまった。
http://www.amazon.co.jp/dp/4091037585
引き続いては女優でモデルの菊池亜希子が編集長を務める「マッシュ」。菊地氏は小学館によれば「文化系おしゃれ女子のアイコン」らしいのだが、一般的には無名だ。
あるときから突然降ってわいたようにほっこり界で重用されるようになり、しかもファミリーマートのCMで見ると全然パっとしないおなごなのでいったい何の力が働いてるんだとしか思えず、本当にほっこりさんが文化系おしゃれ女子のアイコンとして菊池氏に憧れているのかどうか今ひとつふに落ちないものがある。私が菊地氏に抱いている違和感は、もっとメジャーどころに例えるとゲンキングに対するそれに近い・・・といえば分かっていただけるだろうか。
雑誌自体はオリーブとかマーマーマガジンみたいなノリだ。しかしマッシュはもうかれこれ創刊してから3年以上も続いているようだし読み終わった奴をブックオフでもしばしば見かけるのでじつはけっこう読まれているのか?と、私がピンとこないだけで文化系おしゃれ女子のあいだでは本当に人気爆発しているのかもしれない。
しかし雑誌よりも、菊地氏が出演したほっこり映画のほうが気になった。
おいしいかき氷屋さんのオープンです!映画『海のふた』予告編(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=j3TbGJBEv0Q
「あたしねぇ、この海のそばでかき氷屋始めることにする」
「は?」
「お前仕事は?やめてきたの?」
「うん」
「お父さんそれずれてる〜」
都会から田舎に戻ってきた、まり。
「はじめちゃんのこと頼んだからね」
大切な人を失った、はじめちゃん。
「メニューこれだけなの?」
「私は私がいいと思うものしか出したくないの」
「何つくってるの」
「糖みつ」
「手間はかかるけどねぇ、おいしいんだよ」
「はじめちゃん、かき氷食べる?」
「糖みつです」
「・・・おいし」
「うまい!」
「おいし〜い」
「お金のことを最優先しちゃったから、大事なことを忘れちゃったんだよ」
「あたしが本当に誇れるのは」
「いくら食べてもかき氷を嫌いにならなかったことなんだなぁーって」
上の動画を見ると最後できまぐれ漁師のシーチキン氷ってメニュー出てきても違和感ないレベルで、実際に見ていないとはいえ、都会から田舎に帰ってきて海辺で食堂開店、傷ついた少女がじっくりことこと煮込んだ糖みつでほっこりと癒される・・・という、ほっこりのCMや映画で使い回されている設定が満載で、ほっこりさん的にはこんだけ手垢のついたほっこりでも毎回毎回ほっこりできるもんなのだろうか?と疑問に思った。もしかすると全然興味ない人が全部同じに聞こえる(というか実際ワンパターンな)K-POPでも私には違いが分かるのと同じで、ほっこりさんにとってはこれくらいのベタなほっこり具合が安心できるのかもしれない。
ロケ地は伊豆とのことで、深津絵里バージョンの超熟のサインドイッチ屋と同じである。ほっこり食材としてはこれまでパンやスープが多いイメージだったが、新時代を担うアラサーほっこりにはきっとゆるくかき氷の気分なのだ。
映画のように、店構えやかき氷の機械はレトロな方がのぞましい。かき氷推しの文化系女子には蒼井優という先人もいる。
ただ「海のふた」の原作は10年以上前と「かもめ食堂」に代表される本格的なほっこりブームよりは前だそうなので、いくらベタだとは言ってもシーチキン食堂のようなモグリではないと考えられる。
http://www.amazon.co.jp/dp/4838722842
- 2015.11.30 Monday
- ロハス*ほっこり
- 00:45
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- by 悩み