左翼にありがちな奴

0
    評価:
    パオロ・マッツァリーノ
    新潮社
    ¥ 799
    (2015-07-17)

    それホンモノ? 「良き伝統」の正体(毎日新聞 1月25日)
    http://mainichi.jp/articles/20160125/dde/012/040/002000c

    日本人は「伝統」という言葉にヨワいらしい。例えば選択的夫婦別姓制度の是非を巡る議論。安倍晋三首相ら反対派は「同姓が日本の伝統だ」と主張し、いくら専門家「同姓は明治中期以降の新しい制度」と指摘しても聞く耳を持たない。このように最近は、新しく、ウソに近い「伝統」がやたらと強調されている気がするのだが……。【吉井理記】
    銀座はゴミの山だった  
    中国の旧正月・春節(今年は2月8日)が近い。流行語にもなった中国人観光客の「爆買い」だが、彼らのマナーはどうだろう。  
    「(ホテルで)酔って従業員に絡む人も」「寝間着にスリッパでロビーをウロウロする人は少なくなったが、じゅうたんにツバを吐いたりたばこを捨てて焦がしたり」「ひどいのはロビーのイスで足を開いて高イビキ」……  
    中国人は、礼儀正しさを伝統とする日本人とは違うなあ……と、あえてそう思い込んでしまう書き方をしたが、実は全て日本人がやらかしたこと。東京五輪の年、1964年3月19日付毎日新聞の東京都内版が報じた日本人のマナーの悪さを嘆くホテル側の声の一部である。前年7月1日付では「汚れ放題東京の顔 銀座の歩道はゴミの山」との見出しで、通行人のごみのポイ捨てや住民が路上にぶちまけた「台所の残り物」が散乱する様子を伝えている。  
    そして今、日本のマナーに反する中国人観光客はいる。列に並ばなかったり、ごみを捨てたりする人を記者も見たことがある。だが−−。  
    「そこは『お互い様』です。最近まで私たちもそうでした。僕は70年代に米国留学したのですが、向こうで何に驚いたかというと、『割り込み』せず、みんなが列を作ること。当時の日本と大違いでした」と振り返るのは、社会心理学者で一橋大特任教授の山岸俊男さんだ。
    ・・・
    「怖いのは、そうした過去を忘れ、今あるものを『これが日本の伝統だ』『昔からそうだった』、そして『だから日本人は昔から優れていた』と思い込むこと。これは非合理的な思考だし、他国を見下す思想につながる。近ごろはそんな風潮が広がっているようで心配です……」
    現状否定のため過去を美化
    では、冒頭の選択的夫婦別姓はどうなのか。戸籍が作られた奈良時代から明治中期までは別姓が基本だったし、初めて同姓を強制したのは1898年の明治憲法下の旧民法で、当時は同姓が基本だった欧米に倣ったのだ。  
    「でも、現在では同姓を強制している国は極めて例外的。なぜ日本はこれほど不自由なのでしょうか」と首をひねるのは武蔵大の千田有紀教授(現代社会論)である。欧米でも近年は別姓も選べるようになっているし、逆に別姓が基本だった中国では同姓も選べる。  
    「明治以降の夫婦同姓が家族本来のかたち、という考え自体が『日本の伝統』と呼べるのかは疑問だし、『別姓を認めると家族の一体感が損なわれる』という反対論も根拠があるのでしょうか」  
    確かに別姓で家族の絆や一体感が崩壊した、あるいは別姓夫婦の子供の「個」の形成に問題が生じた、という国は聞いたことがない。離婚や再婚、事実婚や一人親が珍しくない今、親の姓が同一ではないことを問題にするのは意味があることなのだろうか。  
    中央大の山田昌弘教授(家族社会学)も苦笑いする。「『多数派がやっていること』を伝統と言い換え、少数派を従わせようとしているだけです。自分と異なる考えを認めない。それを正当化するために『家族が崩壊する』と言い出す。そもそも結婚には昔、通い婚などがあったし、家族の形も各地で本家や分家、隠居制のあり方などに違いがあってさまざまでした。それが日本の伝統なんですが……」  
    では、なぜ新しいものを「伝統」と考えたがるのか?  
    「根底にあるのは『伝統の捏造(ねつぞう)』と同じ考え」と分析するのは著書「江戸しぐさの正体」で知られる作家で歴史研究家の原田実さん。現在の道徳や公民の教科書が取り入れている「江戸の商人・町人の心得・風習である江戸しぐさ」なるものが、実は1980年代に創作されたことを2014年に著書で指摘し、今もなお教育界に波紋を広げている。  
    ・・・ 
    「『昔は良かった』という考えがクセもの。この考えに従うと『今ある良いものは昔からあったはずだし、昔はさらに良かったはずだ』との考えに陥りやすい。だから『日本人の道徳・マナーは昔から優れていた』と考えてしまう。『戦後日本から道徳やモラル、公の心が失われた』と言う人は戦前を評価する傾向にあるが、これも同じ。本当にそう言えるのでしょうか」  
    試しに統計を見れば、戦前・戦中(1926〜45年)の殺人事件の人口10万人当たりの発生件数は1・25〜4・14件で、2014年の0・83件より高い。「現状否定のために過去を美化しても、史料に裏切られるのがオチ」と原田さん。
    「理想の人間づくり」行く末は  
    「昔は良かった」と考える人が強調するその道徳教育、安倍政権は18年度以降に小中学校の「特別教科」とすることを決めた。著書「新しい国へ」で盛んに「問題はモラル低下だ」と指摘していた安倍首相らしい。山岸さんは「20世紀で、最も道徳教育に力を入れたのは旧ソ連や中国など社会主義国家でした。自分より公を大切にせよ、と。でも結果はご存じの通り。歴史上、どんな国・社会も道徳教育で『理想の人間づくり』に成功した事例はありません。これこそ『伝統』なんですが」。  年始から夏の参院選について「憲法改正を訴えていく」と力を込める安倍首相。自民党の憲法改正草案の前文には「良き伝統を……末永く子孫に継承する」とある。その「伝統」の正体を注視したい。


    江戸しぐさに夫婦別姓・・・と、過去にもブログでとりあげたことのあるこの2つの話題は、多くのばあい右翼のでっち上げる伝統を左翼が冷静で科学的に論破するという構図をとっている。私は以前からその論破ぶりにまったく共感できないでいたのだが、上の引用記事を読んでその違和感の源泉は左翼特有の安倍が戦前回帰しようとしているってな印象与えたろう的下心がチラ見えしているところにあると確信した。
    上の引用文を一部赤文字にしているが、ともかく受ける印象としては「道徳教育」への警戒心が強いということにつきる。しかし道徳教育って何なんだろうか。
    私のJS時代にも道徳の授業はあったが人権教育とか愛国心教育みたいなディープなものは受けた覚えがなく、サンサンサン爽やか三組というNHKのドラマを視聴するクソテキトーな授業だった。だから何でそんなに道徳が論争になるのかあまりピンとこないものはあるのだが、道徳授業を介して坊やたちを将来戦場に送ろうとしてる性格悪い安倍ってな問題意識がどっからきたのか考えてみるとかれこれ10年前、教育基本法が改正した安倍政権第一期の2006年にまでさかのぼる。
    旧教育基本法は1947年3月と、左翼が愛してやまない日本国憲法の1947年5月とほぼ同時期に施行しており、9条に引けをとらぬ人気爆発ぶりを見てもその内容は戦前の教育勅語を否定する方向性だったであろうことがうかがえる。しかし安倍総理は右翼(まだ長州藩)なので、そんなGHQに骨抜きされたサンサンサン爽やか三組みたいな道徳より教育勅語のほうがレベル高いと考え、愛国心「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する」を盛り込んで左翼から強い反発を食らった・・・と、ウィキペディアとかには伝えられている。
    左翼が本格的に安倍や伝統に食ってかかるようになったのは、その頃からだろう。しかし、近ごろは伝統の美しい面を否定しようとするあまり、昔の日本を恐ろしく描くことがあたかも冷静で格好良いとされ、伝統たいして好きじゃない私でさえ「そんなに昔の日本って悪ばっかりなのか?」と反発を覚えることのほうが多い。
    伝統否定はニセ科学批判界隈でもめずらしくない歴史観だ。昔より今のほうが便利で衛生的になっているのだから、それらをもってすれば過去を否定することは簡単なのである。
    しかしそれは今の状況があってこそ過去の道徳や衛生観念に戻れなくなっただけの話であって、当時を生きる人にとってはそれが普通であるし、ほかならぬ中国人だってそういった意味では遅れていてまさしく記事の中では高度経済成長期の日本人と同等として描かれている。しかし中国の道徳や生活のレベルが日本の水準に達していないからといって必ずしも当人たちが苦しんでいたり、私たちに学ぶべきものがないか?と問われると、そうとは限らないのではないか。
    時期がくれば昔やってたことが再評価されることもあるし、そういう変化をいちがいに「過去にしがみついている」とは言うことはできぬ。例えば江戸しぐさ始め左翼が平和でエコで朝鮮通信使とばかりに江戸時代をもてはやしているが、江戸時代が評価されてこなかった時代もまた長らくあったのだそうだ。
    しかし地球温暖化や日韓の醜い争いなど今日的な問題が表面化するにしたがって、「近代」「成長」とは本当に正しかったのか?という問いから再び江戸時代が輝き出したというわけである。だからって別に江戸しぐさを学校で教える必要はないと思うけども、明治維新で日本が近代化したという長州藩の成功体験でなく、その負の面をふまえればじつは江戸時代のほうが正しかった、という考えが出てくるのもそう不思議ではないし、それはそれで学ぶべきものなどない過去ではなく新しい歴史観の1つであるととらえた方がよいと思う。
    そのうえで上の記事を読んでみると、まず昔の日本が江戸だったり戦前だったり戦後だったりと統一感がないうえに、安倍総理の道徳教育をなぜか安倍が嫌いであろう中国やソ連など社会主義国家になぞらえるなど、わざと読者に混乱させようとしているのか?と思うほど、私にとってはよく分からない歴史観だ。まず中国やソ連に対して伝統好きってイメージないし、記事には「昔は日本人も中国人なみだった」といった趣旨でゴミが散らかったような街や電車の50〜60年代の白黒写真が添えられているのだが、「戦後日本から道徳やモラルが失われた」論を文中で否定している以上、ゴミ画像は戦前のほうがいいような気がした。
    だいたいこのゴミ画像の頃は経済成長という点で右翼(資本主義派)に評価されるべきところはあるが、まだ戦争の記憶も生々しく戦前はクソっていう意識が今以上に強く安保反対のデモも凄かったし、帰国事業では多くの在日が北朝鮮に渡ったりと今考えると社会主義全盛時代なので、どっちかというと左翼に美化されることのほうが多いくらいだ。今は右傾化したぶん世の中が悪くなった、と考える人が大半であろう。

    きょうの潮流(しんぶん赤旗 1月25日)
    http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-01-25/2016012501_06_0.html

    最近「アベ過ぎる」という言葉がはやっているそうな。インターネットで検索すると、女子高生の間で使われ始めたとか。他人の話が聞けない、聞かれたことに答えない&ごまかす。そんなときに▼若者言葉は本質をつく場合があります。マスメディアに映る首相の姿から連想したのでしょうが、なかなか鋭い。なにしろ、この間の国会でも野党からの指摘や批判に「アベ過ぎる」をいかんなく発揮しているのですから▼
    ・・・
    こんな話も。全国の「アベ」姓の人たちが困っている。アベを許さないなどと聞くたびにドキッとする。早く辞めてほしい、と。同じ姓をもつ人から嫌がられ、若者にも軽んじられるような首相。それも、気づかない?


    今回は「アベすぎる」ということでアベが形容詞化しているが、過去にも「アベしちゃおう」という動詞が大ブームになったことがあったし、何か去年も「自民党感じ悪いよね」「とりま廃案」など若い衆のあいだで安倍政権を揶揄するするどい新語が次々と人気爆発している。しかしいっぽうで「こんなコギャルがいたらいいなー」っていう日本共産党員の妄想って可能性も否定できない。
    左翼が伝える「若者」の信憑性は、江戸しぐさ程度に考えておいたほうが賢明だ。

    イメチェン失敗

    0
      評価:
      超新星
      ユニバーサル ミュージック
      ¥ 1,601
      (2016-02-24)

      新編集長に元オリーブの淀川美代子、「クウネル」が創刊以来初のリニューアル(Fashionsnap.com 12月1日)
      http://www.fashionsnap.com/news/2015-12-01/kunel-renewal/



      2000年代に乱立したほっこり雑誌の先駆的存在である、マガジンハウス「クウネル」。20日にリニューアル第一弾である2016年3月号が発売されてからというもの、そのあまりの変貌ぶりにアマゾンのレビューが炎上している。

      「クウネル」大幅リニューアルにファンが困惑 クウネル君はリストラ?が話題に(Fashionsnap.com 1月21日)
      http://www.fashionsnap.com/news/2016-01-21/kunel-03/

      ライフスタイル誌「クウネル(ku:nel)」が、1月20日発売の3月号で創刊以来初となる大幅リニューアルを実施した。「かわいいものに、トキメキたい」を新たなテーマに掲げ、50代に向けた紙面に編成したが、Amazonのレビューではカスタマーレビューが1.3と低評価。Twitterでは「ずいぶん印象が変わった」や「クウネルくんがいない...」といった困惑を示すツイートが投稿され話題を集めている。  
      「アンアン(anan)」の増刊号として2002年4月から2003年4月までに3冊発行し、2003年9月から隔月発行の雑誌となったクウネルは、「ストーリーのあるモノと暮らし」テーマに掲げ、これまで季節の楽しみ方など日々の生活を豊かにする提案を行ってきた。「オリーブ(Olive)」、「アンアン(anan)」の元編集長・淀川美代子が手がける新生クウネルでは、「年齢を重ねても、心は青春のまま」と感じている50代女性に向け、ファッション、ビューティー、インテリア、料理、旅行など幅広い情報を提供。1月20日発売の3月号では、5人の女性に結婚観や仕事、おしゃれなどを取材してまとめた「フランス女性の生活の知恵」と題した特集の他、新連載として「暮しの手帖」前編集長の松浦弥太郎のエッセイや「クロムハーツ(CHROME HEARTS)」のブレスレット、「コム デ ギャルソン・コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS COMME des GARÇONS)」のシャツなどを紹介する「これからのおしゃれをパワーアップ!10年先も『マイ定番』」といった企画も掲載されている。  
      紙面の内容だけでなく、黒で統一していた表紙の文字を赤に変え、判型のサイズを変更するなどデザインも刷新。Amazonレビューでは「新しいクウネルは大切に時間をかけて作られたのだなと取材されたその方の生き方生活感、物が深く描写されワクワク感を失いかけていた心に響きました」とリニューアルを評価するユーザーがいる一方で、「星5つ」が1、「星4つ」が1に対して「星1つ」が30(1月21日18時現在)となりデザインの変更に困惑しているファンが目立った。中でも話題を集めているのがクウネルのキャラクター「クウネルくん」で、3月号には登場せずネットユーザーからは「クウネルくんは今どうしているのですか」や「クウネルくんがリストラにあったと聞いて気が気でない」などの声が挙がっており、現在もSNSではリニューアルに関する投稿が続いている。



      表紙見ただけで確かにこれはシャバいなとは思った。以前からほっこりの写真や文章の雰囲気からオリーブ(80年代に人気爆発したマガジンハウスの雑誌)との連続性が見てとれたが、このたびオリーブの全盛期をささえた編集長によって「フランス女性の生活の知恵」という何のひねりもない特集が組まれたことに対して、ていねいに暮らす元オリーブ少女が「今さらフランスかよ!」と激怒しているあたり、やはりほっこりとオリーブは切り離せない関係にあることを確信した。

      これがリニューアル前バージョンのクウネル。でも私このバージョンもあんまり読んだことない。
      私は基本雑誌読んでも料理や文章のページはとばすタイプであるし、ほっこりのような化粧っ気がなくいつの時代も流行に流されない丁寧な雑誌は(オカルトを除き)どれも同じに見えるしいくら読んでも内容が頭に入ってこない。中でもクウネルは、ほっこり雑誌の中でもオシャレすぎて頭に入ってこなさでは突出していた。
      だからたぶん私からしたら、リニューアル版のほうが読みやすいだろうなと思う。韓国とか言ってるし。
      しかしクウネルに韓国って何の接点があるのだろうか。今回のリニューアルで50代をターゲットにしたから韓国にシフトしたって言われてるけども、K-POPはどっちかというとピチピチギャル(私含め)向けであり50代なら一般的にはドラマの印象が強い。
      韓流ゴリ押し時にクウネルでも韓国特集が組まれたりマガジンハウスの雑誌ではアンアンがかなり韓国ビジネス乗っかっていたことはあったのだが、どうも今回は新編集長が超新星っていうK-POPグループの大ファンらしいので個人的な趣味のように思えた。韓国でもまた超新星っていう微妙なセレクトがシャバさに拍車をかけており、淀川編集長によるクウネル私物化によってほっこりの嫌韓感情グイグイ上昇が懸念される。

      しかし炎上するレビューを読むにつけ、ほっこりに造詣が浅い私からしたら正直なところ「クウネルがなければ天然生活を読めばいいじゃない」程度に思ってしまった。天然生活は江戸情緒あふれる地方に移住したというロハス街道まっしぐらな服部みれいの連載が始まったこともあるので、本屋行ったらクウネルやギャル雑誌と合わせていろんな今月号を立ち読みしてみよう。←ちなみに読んでも感想文書くとは限らない

      飯島愛は偉大だった

      0
        評価:
        飯島愛,淡谷三治,松井五郎,Bro.KORN,鳥山雄司
        BMGビクター
        ¥ 5,800
        (1993-12-01)

        私がギャル黎明期の考察において重きをおいているのが、くしゅくしゅソックス時代当時セクシータレントとして人気爆発した故・飯島愛の存在だ。現在日本人の歴史観ではジュリアナが流行したのがバブルだとか、安室奈美恵の登場によってコギャルが広まったかのような認識が散見されるのだが、ジュリアナはバブル崩壊後ですでにコギャル(高校生ギャル)が存在しており、テレビでも飯島愛がそのファッションを先取りしていたのである。

        飯島愛 Dear JK c153 (YouTube)
        https://www.youtube.com/watch?v=5jJQ8cNlzyA


        1994年10月に発売された「Dear女子高生」は飯島氏本人による作詞。コギャルのステレオタイプ(茶髪、ガングロ、ミニスカ、ルーズ)が確立する前に書かれたある意味貴重な楽曲である。
        ちなみにこの曲と同時期に始まったフジテレビドラマ「若者のすべて」で木村拓哉のロン毛(長髪)が格好良いと評判で、木村氏はコギャルたちから「キムタク」と呼ばれ始めた。木村氏と飯島氏はともに1972年生まれであり、この世代のチャラチャラ感がルーズソックス時代の方向性を決定ずけたといっても過言ではない。

        歌の内容は、彼氏のバイトしているクラブに出入りするハデな「子ギャル」たちに「おねえさん」格である飯島氏が警戒心をあらわにするというものだ。その子ギャルたちが放課後にはポケベルで「8471」(Hしない?)とやりとりするとかオリジナル名刺を配っているとか、いくつか気になる描写があった。
        「Dear女子高生」というタイトルからも分かるようにここで歌われる子ギャルとは高校生のことで、若さを売りにしたりポケベルやら名刺やらと怪しげなコミュニケーションツールで人脈を広げようとするなど、間もなく到来するルーズソックス時代のノリを示唆している。現在は年増でも見た目が若く女子を自称するけど、ルーズソックス時代の20代は完全にババア扱いで飯島氏は齢22にしてすでにセーラー服が似合わないとか水をはじくとかはじかないとかいうことをネタにしているのだから驚きだ。
        通信手段に関しては携帯電話も94年頃にはドコモのムーバとか言ってたしすでにサイズも大きくなかったけど、メール機能があるわけでもなく少なくとも96年頃まではポケットベルが主流だった。ポケベルは本来、電話番号を表示させてそいつがかけ直すという方式だったと思われるが、コギャルが0840(お早う)とか724106(何してる)などと数字で会話し出した。
        歌詞の中にある「8471」(Hしない?)も明らかにその一例なのだが、471はともかく何で8がエッチになるんだと2分くらい考え込んだけどよく分からん。詳細キボンヌ。
        というわけで90年代半ばにおける公衆電話の人気爆発ぶりはすさまじくJKが列をなし、もの凄い速さで番号を打っていた。電話ボックスにはテレクラの電話番号のチラシも貼られていて、援助交際するハレンチな者もごくまれにあった。
        LINE世代からしたら暗号とか公衆電話とか何それ面倒くせぇと思うかもしれんが携帯の通話料はかなり高かったはずだし、私なんかはポケベルも持ってなくコードレスとはいえ家の電話を家族と共有していたわけで、そんな時代からしたらすでに自分専用の小ちゃな端末でメールみたいなことやってたこと自体すごい便利だったんじゃないだろうか?ちなみに当時ファックスで手紙やりとりするっていうのも、トレンドになりかけてならなかった気がする。←ファックス紗英

        ブーツはすでに厚底。厚底は2000年代にはあんまり見かけなくなったが、ロングブーツとミニスカートのハレンチな組み合わせはその後長きにわたってギャルファッションの定番となった。

        なぜか股間を押さえる振りつけ。前年のデビュー曲「ナイショDEアイアイ」の時点ではお尻を向けてスカートをまくりTバックを見せつけるという芸をやっていたが、Tバックギャルブームって短かったしこの年にはたぶん封印していたんじゃないかと思う。

        茶髪と小麦肌とベージュ(白ピンク)口紅にくわえて、この時期になると眉もいくぶんか細くなっているような気がする。眉と唇の存在感を消すのはごく最近までギャルメイクのお約束だった。

        小学生飯島愛コンテスト(YouTube)
        https://www.youtube.com/watch?v=gWLLPTu8IwU


        この動画も1994年か。浅草橋ヤング洋品店という当時の人気お笑い番組で、確かなりきりいしだ壱成とか武田真治とか、飯島愛の企画があったのも覚えてるけど、小学生バージョンは初めて見た。
        飯島愛に憧れた小学生が厚化粧してギャルファッションに身を包み、どれだけ飯島愛になりきれているかを競うコンテストで、「ネズミっ子クラブ」のもとになった生ダラのセクシー小学生コンテストと同じノリである。コンテストに出ていた女子小学生は、90年代後半にルーズソックス第二世代となっていくのだろう。
        くしゅくしゅ時代のテレビはきわどい企画が多かった。孫ギャル(中学生ギャル)のみならず、女子小学生までもがAV女優に感化されハレンチな格好するのはいかがなものかと、今ならば誰もが眉をひそめるはずだ。
        だが当時はそうではなかった。バブルはとっくにはじけていたのだがまた持ち直すだろうと思われてそこまで深刻に考えられていなかったし、サリン事件や大震災の直前まではまだ80年代を引きづったもっとも享楽的な時代だったのである。
        そして小学生コンテスト動画は、飯島愛のようにポルノ出身の女が同性の憧れとなりえた何よりの証拠となっている。

        KARAよさらば

        0
          XXX
          評価:
          XOX
          SMAR
          ¥ 1,000
          (2015-12-09)

          世間はスマップ解散危機でもちきりだが、実はヒップダンスでK-POPの日本進出を牽引したKARAが人知れず解散した。

          [芸能]KARA出身のハラ ヨン様の事務所と専属契約(聯合ニュース 1月18日)
          http://japanese.yonhapnews.co.kr/enter/2016/01/18/1000000000AJP20160118002000882.HTML


          今回のスマップ騒動においてキムタクだけがジャニーズに残り他の4人が独立を画策していたという話を聞くと、日本進出直後にKARAが分裂していた状況を思い出さずにいられなかった。KARAの場合ギュリがキムタクのポジションで、あとの4人が事務所を離脱するといってモメていたのだが結局元サヤにおさまったのである。
          スマップもやはり解散はまぬかれたようだし、ごく初期に辞めたメンバーが1人いるなど類似点が多い。しかしKARAは解散危機を乗り越えたにも関わらず、けっきょくニコルとジヨンという2人の離脱者を出した。
          もしかしたらスマップもまた5人でやることになったといっても今回の件でわだかまりが残り、キムタク以外のソロ活動がホサれるとかして結果的に分裂するんじゃないかという気もするんだが、いかがだろうか。何にせよKARAは過去に分裂騒動を2回起こし、また2012年以降は人気にあぐらをかいたシャバい歌ばっかり出していたので日韓両国で低迷しており、今回の解散もあれだけ一世を風靡したことを考えるとずいぶんひっそりとしたものであった。
          一番人気のハラはヨン様の事務所に移籍するとのことだが、俳優の事務所らしいのでどういう活動になるのかよく分からない。また解散といっても、ニコルとジヨンのかわりに2014年に加入したばかりのヨンジはまだ事務所との契約が残っているために、その動向もまた不明である。

          韓国版テラスハウス「ルームメイト」に出演し、親しみやすいキャラクターで好感度の高い新入りのヨンジ。親指と人差し指でハートを作るポーズは韓国で人気爆発中。

          いっぽう早々にKARAを脱退し、日本での女優活動に軸足を移したジヨンは13日に始まった日テレ系のドラマ「ヒガンバナ」に出演している。事務所の先輩にあたる堀北真希が主演を務めているので、明らかに抱き合わせ枠だ。
          以前に単発で放送されていたときに見たけど、正直いってつまらないドラマである。だがジヨンがJYの名で主題歌を担当し3月に歌手デビューするなど優遇されているために、そのゴリ押しと活躍ぶりを静かに見守っている。

          TWICEのツウィが謝罪、「本当に申し訳ありません」(中央日報 1月17日)
          http://japanese.joins.com/article/874/210874.html


          3ヶ月くらい前にデビューし、すでに人気爆発している韓日台の多国籍ガールズグループTWICEが政治問題に巻き込まれた。このグループにおいて一番人気なのは台湾人メンバーのツウィという16歳の美少女(上画像)なのだが、ツウィが韓国の番組の中で中華民国の国旗を持っていたとかで一部の中国人に噛みつかれたということである。
          てことは中国共産党(および中国と国交する国々)的に考えると台湾は中華民国が不法占拠していて、本当は中華人民共和国の領土だというポジションなのだろうか。しかし中国を視野に入れて活動することの多いK-POP界において、TWICEの事務所であるJYPも例にもれずmissAも中国人メンバーが在籍していたりする。
          そうした大人の事情も働いてかツウィが中国に配慮する形で謝罪動画を上げたが、中国はJYPやツウィに対してボイコットともとれる措置をとったり、この一連の騒動が先の台湾総統選に影響を与えるなどデビュー早々TWICEの前途が少々暗い感じになってきている。TWICEはもしかしたら日韓で何かモメるんじゃないかと思っていたが、台湾もけっこう複雑なお国事情を抱えているんだなと考えさせられる一件だった。

          SHINee - 「D×D×D」Music Video (full ver.) (YouTube)
          https://www.youtube.com/watch?v=OTZMso8njbo


          SHINeeの新曲「D×D×D」のDとはダンスのことである。今宵も踊り明かそうぜ!みたいな内容の歌詞だが「欲望」「桃源郷」「むき出し」「流れる汗」「理性を脱ぎ捨てる」とか言っているので、どうもその「ダンス」の意味するところがちょめちょめなのではないかという気がした。
          絶対にちょめちょめのことを歌っているのに、表面的には男女が夜中にダンスでハッスルして汗を流していると言い張るのはよくある手法で、過去にK-POPでは2PM「ミダレテミナ」AFTERSCHOOL「Heaven」が「ダンス」「理性脱ぎ捨て」など今回と同様の語彙を使用している。まあ、だから何なんだって話だが。
          先日SHINeeがこの曲をNHKで披露しているのを見かけた。近年日本の芸能界において韓国人がホサれているうえにNHK自体もともとK-POP推しに積極的でなく、たいていK歌手が新曲披露するのは日テレのベッキーがやってた歌番組くらいしかなかったのでこれは何かの予兆なのかと深読みしたくなった。

          XOX 『XXX』Music Video(YouTube)
          https://www.youtube.com/watch?v=wxD5vaEwyq4


          最近何かと雑誌とかでゴリ押しされてるジェンダーレス男子のとまん氏が、XOX(キスハグキス)とかいうグループでデビューしたそうだ。絶対K-POP意識してるだろと思うが歌と踊りがしょぼすぎる。

          神山人気爆発中

          0
            省庁移転「待ってます」…京都、徳島(読売新聞 1月15日)
            http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20160115-OYO1T50000.html

            政府が文化庁の機能の一部を京都府に移す方針を固めるなど、政府機関の地方移転が現実味を帯びてきた。徳島県への消費者庁の一部業務の移転にも前向きで、3月末までに基本方針を決める。ただ、東京から遠く離れた地方への移転を心配する声もあり、決定まで紆余曲折しそうだ。
            ・・・
            「地方創生」の一環として、政府は昨年3月、東京圏を除く43道府県を対象に移転先を募集。42道府県から中央省庁や国の研究機関など計69機関について誘致の提案があった。
            ・・・
            「県庁の9階、10階を空けて待っています」。消費者庁の移転を求める徳島県の飯泉嘉門知事は、移転場所として県庁の一部などを提供すると張り切る。職員たちが移り住めば人口減対策にもなるともくろむ。  
            徳島は食品偽装防止の条例を全国に先駆けて制定するなど、消費者行政に力を入れてきた。河野消費者相も前向きだ。昨年末に視察し、今年度中に消費者庁長官や職員を1週間ほど徳島で「お試し勤務」させると明言。今月12日の閣議後の記者会見では、国民生活センターの業務の一部を4月以降、同県内で試験的に行う考えも示した。  
            県は「お試し勤務」の場所として山あいの神山町を用意している。首都圏のIT企業が相次いでサテライトオフィス(SO)を設けている町だ。町のSOで働く隅田徹さん(53)は「徳島はインターネット環境が整っており、東京と変わらないスピードで仕事ができる。省庁が来れば、関連する企業や人も集まり、活性化する」と期待する。  
            ・・・


            消費者庁って徳島の神山に移転する気なのか?神山ってものっすごい山奥でヒッピーのメッカじゃなかったっけ。
            ↓雄大な山の自然の映像

            2009 0531アースデイ神山(YouTube)
            https://www.youtube.com/watch?v=rVXKinii0zI


            カミヤーマンブラザーズ(YouTube)
            https://www.youtube.com/watch?v=llNA2HmAckA

            それぞれの旅を経て、
            4年ぶりに再会した兄弟は
            徳島の神山でこんな暮らし


            【徳島県神山町】旅で学んだ、自給したエネルギーが暮らしを豊かにするということ(灯台もと暮らし 2015年2月7日)
            http://motokurashi.com/tokushima-kamiyama-shunsuke-sadaoka/20150207


            京都や南の島の一部にそういうヒッピー入植地域(コミューン?)があるようなのだけども、神山もそのうちの一つと認識していた・・・というか個人的に神山に対してそのイメージしかない。もうこれくらいになると北欧、江戸、ていねいな暮らし。とかいうシャバいもんではなく縄文とか言い出すレベルじゃなかろうか。
            上の記事読んだらIT系の人が大都会から移住してきてるようなこと書いてるけど、わざわざあんなド田舎に住むあたりロハスの疑いをぬぐえない。しかしこのような神山のサブカルが消費者庁と何の関係があるのかはまったくもって謎だ。

            ギャルは何歳まで

            0
              先のギャルの記事でこんなコメントをいただいた。
               

              そういえばギャルの対象が大学生から高校生へと変わってからいずれこれもまた低年齢化するのだろうか
              逆転するのだろうかと考えていたのだが
              結局今のところどんな感じなのだろう
              今でもやはり高校生主体なのだろうか・・・・ なんだかそれほど・・・ってな感じもする
              というより、一時期小悪魔agehaがもてはやされ、age嬢もといキャバ嬢たちに移行していたのだろうか
              さてそのキャバも今や全く日の蔭・・・


              確かに現在われわれがギャルと言うとき、その言葉が指し示すのは女子高生に限らない。私がギャルファッションの参考にしている雑誌「JELLY」も、姉妹誌に女子高生向けの「ランズキ」があることやモデルの年齢から推察するに、対象年齢は20代前半と考えるのが妥当である。
              くしゅくしゅソックス時代(90年代初頭)における「ギャル」の意味するところは女子大生はじめ20代前半の独身女性であり、けばい女子高生はコ(子)ギャル、けばい女子中学生はマゴ(孫)ギャルということになっていた。それがルーズソックス時代に至ると女子高生がギャルの本家になったために、コギャルの「コ」もいつしか取れていく。
              茶髪、小麦肌、ベージュ口紅、ミニスカート、ルーズソックスといったギャルのイメージを完成させたのは、このときJKだったルーズソックス第一世代(1977〜80年生まれ)である。昭和の若者の流行はメディアやファッション業界が先に作り上げるという部分が大きかったが、ルーズソックス第一世代の価値観はそれまでの大人の常識や女の子らしさから大きく逸脱しており、JK自身が新しくも汚らしいファッションや言葉を次々に作り出し90年代文化の主役におどりでた。
              そのために「egg」(1995年)「Cawaii」(1996年)といった素人スナップを中心とする新しい雑誌が作り出されなければならなかったし、ルーズソックス第一世代の加齢にともないその後の20代ファッションも変化していくこととなる。まずルーズソックス第一世代の中で、高校卒業してもギャルファッションを卒業しない層が存在した。
              当初おねギャルと呼ばれていたと記憶しているのだが(おね=お姉さんの意)、ルーズソックス第一世代が20代前半になってCawaiiみたいなJK雑誌読むのがきつくなってきた・・・けどまだギャルやりたいという要望に応えてか、2000年にSカワこと「S Cawaii」というCawaiiのお姉さん雑誌が出てきた。SカワのSとはおそらくSISTERのことである。
              そのおねギャル需要に合わせるかのように、ルーズソックス第一世代のカリスマ店員が作った「マウジー」「スライ」「リエンダ」が人気ブランドとなっていく。ウィキペディアによると、Sカワの創刊号の表紙もマウジーの森本容子氏だったとのことである。
              というわけで、本来「子」に相当したはずのJKがギャルの本家となったがために、今度は20代前半のギャルが本家に対する「姉」のポジションとなった。Sカワが先がけだったとは思うのだが、ルーズソックス第一世代以降は姉妹誌が出るとき「ポップシスター」「アネキャン」「姉アゲハ」などオリジナルに姉をつけただけのネーミングが多い。
              2000年代より赤文字系(当時の言葉で言うとお姉系)ではカバーできないニッチなおねギャル市場が当たったのか、Sカワの後にもポップティーンの姉貴分「ブレンダ」(2003年)、当時ギャル化していたセブンティーンの姉貴分「PINKY」(2004年)、「ハピーナッツ」(2004年)、2006年にはRanzukiの姉貴分として「JELLY」が続き、同じ2006年ハピーナッツからはお水系の「小悪魔アゲハ」が分化した。このような雑誌の変遷からルーズソックス第一・第二世代(1977〜84年生まれ)が20代前半に相当する2000年代半ばまでのあいだに、「姉」としてギャルの最高年齢が上にスライドしていくにしたがいジャンルが細分化していったことがうかがえる。
              このように高校卒業してもコギャル草創期とはまた違った形でファッション市場を開拓し牽引していく勢いが、ある時期までルーズソックス世代には残っていた。ところが80年代後半生まれ以降は男受けやハイソックス派が存在感を増してゆき、ギャル人口減は避けられない状況となる。
              2000年代後半にはかろうじて益若つばさやくみっきーなどポップティーンのモデルが人気を博したが、2009年には老舗「Cawaii」と佐々木希を輩出した「PINKY」が休刊する。そのへんを皮切りに、2010年代に入るとギャル雑誌の休刊と路線変更があいついだ。
              こうしてさまざまな勢力がほろびた今あらためて現存するギャル雑誌を見てみると、化粧はずいぶんナチュラルになり、90年代以来ギャルのイメージと切り離せなかった茶髪と小麦肌とベージュ口紅は黒髪とおフェロチークと赤口紅にとって変わられ、服装にもこれといった独自性は見出だせなくなった。とはいえハピーナッツやアゲハが出版社を変えて復活したのを本屋で見かけたし、近年ユニセックスなカジュアルファッションが主流になっているJELLYの中から古き良きフェミニンなギャルファッションを継承する「女っぽJELLY」も出てきたので守旧派もまだまだ健在なのかもしれない。

              Sカワ2015年11月の表紙は中村アン(28歳)で「23才女子がオシャレに盛れる服!」とあり、対象年齢は明らかに高校生ではないが左上に「今イケてるコってGAL CHICだよね」と強気に「ギャル」「コ」を自称している。というわけで今の基準では、いちおう20代一杯まではギャルを名乗っても良いとみた。(このほどJELLYを卒業したモデル森摩耶はちょうど30歳である)

              ギャルの先祖

              0
                90年代半ばから2000年代後半まで、少女のファッションリーダーであり続けたギャルはどこから来てどこへ行くのか。が、当カテゴリー「ギャル・JK今昔」の探求するところである。そのどこから来たのかという点において、先日50代の知人より興味深い話を聞いた。
                話を要約するとこんな感じだったかと思う。90年代半ば以降に「コギャル」がギャルの名をほしいままにするまでは、女子大生(学生に限らず20歳前後の嫁入り前の娘)がギャルだった、という歴史認識はわがブログでもすでに開陳したとおりであるが、当時のギャルは自分のことをギャルと自称することはなく、あくまでオッサンなどが「若いネーチャン」のニュアンスで呼んでいたのみだったというのだ。
                つまりギャルが自らをギャルと名乗る、もしくはオッサン以外の人も若い娘をギャルと呼ぶようになったのは、コギャル以降なのだという。にわかに信じがたいが、そう言われるとそういうような気もしてきたので、そうなのだろうか。
                ところで、こんなギャル動画を見つけたのでちょっと見てくれないか。

                上岡龍太郎 関西お立ち台ギャル(YouTube)
                https://www.youtube.com/watch?v=fvhsRLSdz00


                これ「バブル当時の番組」って紹介されてるのだけども、どう見てもバブル崩壊後(くしゅくしゅソックス時代)の映像である。当時は女子高生が消費の主役として頭角を現すなどすでにルーズソックス時代の片鱗が見え始めているにもかかわらず、特徴がなさすぎてほとんどバブルと混同されているのが歯がゆい。

                日焼けした女たちが、Tバックのくいこんだ尻をブルンブルンさせながらおもしろい踊りを激しく踊っている。お立ち台とTバックってことは、1993年ではないだろうか。
                この年はジュリアナや飯島愛がよくテレビに取り上げられており、こうしたハレンチなギャルがイケてるって風潮があった。いっぽう後輩格のコギャルのあいだでもモラルの欠落が継承され、当時制服やブルマーを売る「ブルセラショップ」が話題になり始め、ルーズソックス時代に入ると援助交際が彼女たちを語るうえで欠かせない要素となった。

                上岡龍太郎「あなたたちは・・・ストッキングは履いてないんですか?」
                お立ち台ギャル「履いてないです」
                上岡龍太郎「ストッキング履いてない・・・ていうことは」
                肥後「ナマじりだよー!」

                足のすき間からストッキングごしにパンツ丸見えな女もいるいっぽうで、ストッキング履いてない女もいる。すでにこの頃ナマ足志向(ストッキングがださいという認識)が芽生えていたことを示唆しているのかもしれぬ。
                それにしても、巨乳が現在においても助平業界で安定した人気を誇っているいっぽう、尻はどうだろうか。このTバックブーム時は尻がセックスアッピールとして君臨した最期だと思えてならない。

                ヘアメイクなど見ると、黒髪・白肌・とさか前髪・赤口紅の80年代型が健在であるいっぽう、のちのコギャルとほとんど見た目の変わらない茶髪・小麦肌・ベージュ口紅の飯島愛型が追い上げてきている。95年になると眉毛が細くなり髪の毛先がシャギーになって、80年代型ギャルはほぼ絶滅した。
                しかしこの番組、放送当時は私もよく見てたんだけども夕食時にやってたわりに今見るときわどすぎるなと思う。ルーズソックス時代に入るとなぜかテレビでの女性の露出がぐんと減ったし、オウム事件の影響でオカルト番組もなくなったために、こうした倫理観の麻痺した番組を見ると、くしゅくしゅ時代らしいなーとそのおおらかさを懐かしく感ずる。
                このころくしゅくしゅソックスをはいて通学していた70年代半ば生まれのJKは「卒業したらTバックでブイブイ言わしてやるぞ」と思っていたのに、いざ卒業したらルーズソックスJKがチヤホヤされ出し何の波にも乗れなかった。

                爆音には爆音を

                0
                  2016年は水爆の爽快な爆音とともに明けた。



                  水爆実験、金第1書記が命令書に署名 「爽快な爆音」で新年を(AFP 1月6日)
                  http://www.afpbb.com/articles/-/3072326

                  北朝鮮は6日、同国初の水爆実験を「成功させた」と発表したが、実験実施の命令は、3週間前に金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記が自ら署名していたと、同国国営テレビが伝えた。署名に添えられたメッセ―ジには、水爆の「爽快な爆音」とともに2016年を迎えると記されていたという。  
                  北朝鮮が同国初の水爆実験として小型爆弾の爆発実験に「成功した」とする発表は、同盟国・中国も含む近隣諸国を驚かせ、非難を巻き起こしている。  
                  北朝鮮国営テレビの報道は、昨年12月15日の日付が入った金氏の署名の写しを映し出した。署名の横に書かれた直筆のメッセージには「初の水爆の爽快な爆音とともに、2016年を開始しよう。核強国、社会主義朝鮮、偉大な朝鮮労働党を全世界が仰ぎ見るように!」と記されていた。  
                  同放送はまた、1月6日の実験実施を最終的に許可する1月3日付の第2の署名も映し出した。



                  お誕生日おめでとう。水爆実験成功おめでとう。気分ー爽快だよー♪

                  平壌市民「米の敵視続く限り、水爆開発は不可避」(テレ朝news 1月6日)
                  http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000065695.html

                  北朝鮮が「水爆実験に成功」と発表したことについて、平壌市民の反応が入ってきました。  
                  平壌市民:「本当に痛快だ。米の北朝鮮敵対政策が続く限り、我々の水爆開発は不可避だ」
                  胸がスカッとする。核の棒を振りかざす強盗に核の棒で立ち向かうのは当然だ」


                  この実験に対し、水爆にしてはショボすぎという見方がもっぱらだが、北朝鮮の人民たちはたいそう喜んでいる。
                  しかし胸がスカっとしたのもつかの間で、韓国は昨年DMZの地雷で韓国人兵士が負傷したとき以来のK-POP爆音放送で反撃、新年早々南北朝鮮に爆音がとどろいている。放送は最大24km先まで聞こえるほどやかましいらしい。
                  爆音放送の内容は今言われている限りではK-POPのほかに天気予報、また西岡力によればキャピキャピギャルの声や肉食べたとかいった韓国人の豊かな食事内容、とにかく韓国の愉快な感じをあますところなく伝えており、貧しい生活を強いられる北朝鮮人民に動揺を与えるのに効果的なのだという。K-POPは少女時代やヨジャチング(新人グループ)などのガールズグループの他にBIGBANGも流れていると伝えられている。

                  韓国軍が対北宣伝放送再開 体制批判や最新Kポップ流す(聯合ニュース 1月10日)
                  http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2016/01/08/0200000000AJP20160108003500882.HTML

                  北朝鮮の4回目核実験への対抗措置として、韓国軍は予告通り8日正午に最前線部隊11カ所で拡声器を使った北朝鮮向け宣伝放送を全面的に再開した。  
                  韓国軍による対北朝鮮宣伝放送は136日ぶり。宣伝放送は昨年8月、北朝鮮軍が南北軍事境界線に接する非武装地帯(DMZ)に埋めた地雷で韓国軍兵士が重傷を負った事件への報復として11年ぶりに再開されたが、南北緊張の解消に向けた同月末の南北高官協議での合意を受け、中止された。  
                  ・・・
                  宣伝放送は対北朝鮮心理戦のFM放送「自由の声」を流すもので、軍は施設ごとに1日2〜6時間放送するとされる。  
                  軍関係者によると、昼夜を問わず不規則に放送を行うという。出力を最大にすると、夜間は約24キロ、昼間は約10キロ先まで音が届く。  
                  放送内容は大きく、「ニュース」「韓国社会の発展の様子」「北朝鮮の実情」「南北同質性回復」「北朝鮮の体制批判」に分けられる。  
                  今月6日に実施された4回目の核実験にも言及し、「北は核実験で経済難にさらに拍車をかけた」と非難するとされる。  
                  また、天気予報やラジオドラマのほか、BIGBANGや少女時代などが歌う最新のK−POPも含まれる。  
                  ・・・



                  この実験でささやかれているのは中朝関係の悪化だ。昨年朴槿恵大統領が中国の軍事パレードに出席したり、年末には中国で公演を行う予定だったモランボン楽団が急にキレて北に帰ったりと、かねてより中朝間には不穏な空気が流れていた。
                  今回の水爆実験はモランボン楽団ドタキャン事件と何やら関連ずけて報じられるむきもあるが、結局のところ何がしたくて水爆実験成功を自称しているのかはよく分からない。今後の動向に注目だ。
                  で年末の慰安婦日韓合意における「軍の関与」フィーバーに沸いた左翼はさぞ、しょぼーんとしてるかと思いきや、今回の実験で核より在日へのヘイトが心配だと、いぜんとして差別主義の日本人に矛先を向けていた。もちろん関東大震災のようにデマにもとずいていたりした場合はヘイトとなるのかもしれないが、実際に核実験やってる今回の場合は・・・

                  ツヤ肌

                  0
                    正月にギャルの服買おうと初売り行ったが、タイムセール時じゃなかったせいか全く安くなかった。だもんで韓国コスメ買ってきた。

                    この中で特筆すべきはハイライトである。私はハイライト塗ると肌のボコボコまで立体的になってしまうのだが、今回買った奴はギラつきや粉っぽさがなく少女のようなみずみずしい肌ツヤが演出されまるでハリが出たかのごとき錯覚を覚えた。
                    ↓乙女ちっくなコンパクト

                    そういえばけっこう前買った「ニンフオーラボリューマー」ってのがあって、そっちはまったく使いこなせていない。これをファンデーションに混ぜると韓国女性のような水光肌(ムルグアンピブ)になれるというふれこみなのだが、混ぜたところでベタベタするだけで困った。

                    エチュードハウス久しぶりに行ってみて、クッションファンデーションとリップティント推しでそれ以外はおざなりになっている印象を受けた。前はうっとうしいとさえ思っていた販売員もつれなかった。

                    アベ政治やや迷走中

                    0
                      あけましておめでとう。慰安婦問題解決おめでとう。おめっでっと、おめっでっと♪←kinkikidsの歌

                      日韓外相会談 慰安婦問題で最終的解決を確認(NHK 12月28日)
                      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151228/k10010355451000.html

                      日本と韓国の外相会談がソウルで行われ、慰安婦問題を巡って、日本政府は責任を痛感し、安倍総理大臣が、心からおわびと反省の気持ちを表明するとしたうえで、日韓両政府は韓国政府が設置する財団日本政府の予算からおよそ10億円の資金を拠出し、元慰安婦への支援事業を行うことで合意しました。また、両政府は、この問題が「最終的かつ不可逆的に」解決されたことを確認しました。
                      日本と韓国両政府は、両国の関係改善の大きな障害となってきた慰安婦問題の最終的な妥結を目指し、28日、韓国のソウルで、岸田外務大臣とユン・ビョンセ(尹炳世)外相による日韓外相会談を行いました。
                      会談のあと、両外相はそろって記者発表を行い、合意事項について発表しました。この中で、岸田外務大臣は「慰安婦問題は、当時の軍の関与のもとに、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感している」と述べました。そのうえで、岸田大臣は「安倍総理大臣は、日本国の内閣総理大臣として改めて、慰安婦としてあまたの苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する」と述べました。
                      ・・・
                      岸田外務大臣は記者団に対し、「今回の合意により、慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認した。このような合意ができたことは歴史的、画期的な成果であると考える。これにより、日韓関係は未来志向の新時代へと発展すると考える。また、日韓、日米韓の安全保障協力も前進させる素地ができたと思う」と述べました。


                      年末のドサクサで突然、慰安婦問題が解決した。だが外務大臣が公式に「軍の関与」とかいう奴を認めてしまったがために吉見義明教授の正当性におすみつきが与えられるかっこうとなり、朝日新聞謝罪より虫の息となっていた良心的知識人のハッスル具合がにわかに盛り返している。
                      ニュース番組をチラ見したかぎりでは、今回の合意にあたって韓国で基金が設立され日本政府から10億円拠出することになるそうだ。しかし基金といえば、過去に良心的知識人がやってた「アジア女性基金」(1995〜2007年)が存在していたはずである。
                      あれも河野談話と同様にもともと慰安婦問題終わらそうと思ってやってたんだろうけど、けっきょく挺対協(挺身隊問題対策協議会)が受け取りを拒否していたがために、同じ左翼どうしなのにアジア女性基金との関係は最悪だ。このように慰安婦問題が解決するかいなかは、韓国政府ではなく挺対協のさじかげんにかかっているのである。
                      テレビの報道を見ると挺対協の固有名詞はほとんど出なく「市民団体」と紹介されている。日本大使館の前でハルモニを引き連れて「水曜デモ」やっている映像は多くの人が見たことあるだろう。
                      大使館前に慰安婦像を設置したのも挺対協だ。あの少女は慰安婦と女子挺身隊(戦時中、軍需工場などに動員された若い女子)が混同されているがために12歳とからへんの設定になっているらしい。
                      慰安婦像については、今回の合意において撤去しないかぎり日本側も10億出さないといった話も報じられている。しかしそもそも挺対協がそんな10億ほしがってるわけもないし、撤去する気など鼻からないだろう。
                      おそらく挺対協は日本政府が法的責任を認め、北朝鮮の慰安婦にも国家賠償するレベルでないと納得しない。日本の良心的知識人含め、日韓友好を装いつつも今年50周年を記念した日韓条約および日韓請求権協定を反故にする傾向がいまだに強いのは、挺対協が北朝鮮とかかわりが深いことと無関係ではないと思われる。

                      慰安婦問題の不可逆的解決だって?(BLOGOS 12月29日)
                      http://blogos.com/article/152317/

                      慰安婦問題が「最終的かつ不可逆的に解決」したという。
                      アメリカに促されて日本政府が折れた。
                      韓国が折れたとは思わない。
                      なぜなら65年の日韓請求権協定で日本統治時代の問題は
                      「完全かつ最終的に解決済み」だったからだ。
                      国際条約で解決済みだった問題を蒸し返すことは、
                      重大なモラル違反だ。
                      条約自体を信じられなくなったら、外交の意味がなくなる。
                      日本政府は韓国側の「条約違反の問題蒸し返し」を一度、
                      許容した。
                      93年の河野談話で、すでに「軍の関与」は認めている。
                      当時の橋本龍太郎首相が元慰安婦に謝罪の手紙も書いた。
                      さらにアジア女性基金で「償い金」も元慰安婦61人に払った。
                      挺対協がこれに反対したから元慰安婦全員に払うことが
                      出来なかったのだ。
                      韓国政府はこの時点で国内の世論を抑えねばならなかった。
                      国民の代表である政府が合意した問題を、国内の
                      反対勢力が強硬だからと、また態度を豹変させて蒸し返す。
                      こんなことを何度も繰り返していては、韓国に限っては
                      外交の意味がなく、条約や協定の意味もなくなってしまう。
                      ・・・


                      私の見立てでは、慰安婦像の迅速な撤去と挺対協ほか慰安婦関係の対応を韓国政府に任せるため妥協案で手を売ってしまったのだと思う。請求権協定に関しては先日、韓国憲法裁判所で違憲ではないと判断され、これと加藤元ソウル支局長の無罪判決とWで韓国による日本への歩み寄りだと報じられた。

                      日韓請求権訴訟、憲法判断せず…違憲の訴え却下(産経新聞 12月23日)
                      http://www.sankei.com/world/news/151223/wor1512230032-n1.html

                      【ソウル=名村隆寛】韓国憲法裁判所は23日、1965年の日韓国交正常化の際に締結された日韓請求権協定で、韓国人の個人請求権が「完全かつ最終的に解決された」と定めたことが「違憲だ」とする訴えについて、「(訴えの)適法要件を満たしていない」として、違憲性についての判断はせず、却下した。  
                      日本の朝鮮半島統治時代に動員された軍属の遺族が、2009年に未払い賃金の支給を求め訴訟を起こし、さらに「日本政府と日本企業に個人が財産権を主張できないのは、財産権の侵害であり違憲だ」とし憲法裁に審判を求めていた。  
                      憲法裁は「請求権協定は訴訟で争うものではなく、当該事件に適用されるとみることはできない。協定条項が違憲だとしても、当該事件に影響はない」とした。一方で、「同条項が合憲であると判断したのではない」とも説明した。  
                      憲法裁の「却下判断」で、韓国政府が日本に同協定改定を求める義務は示されず、日韓関係のさらなる悪化は回避された。  
                      しかし、憲法裁は11年に慰安婦と在韓被爆者の賠償請求権をめぐる請願について、協定の規定に基づき解決のための手続きをしないのは「韓国政府の不作為」で違憲と判断。「請求権協定で解決済み」とする日本の主張にもかかわらず、韓国では集団訴訟などに発展した。
                      また、韓国最高裁は12年に「個人の賠償請求権は消滅していない」と判断し、その後、韓国で起こされた元徴用工らによる訴訟では、日本企業に賠償を命じた判決が相次いでいる。

                      【用語解説】韓国憲法裁判所  1988年創設。法律などが憲法に違反しているかどうかの判断や弾劾審判、政党解散の審判などを行う。所長を含め大統領が任命する9人の裁判官で構成。うち3人は国会が選出、3人は大法院長(最高裁長官)が指名する。法律の違憲決定など重大な判断には6人以上の賛成が必要。最高裁との権限の優劣は定められていない。昨年末に最左派政党を強制解散させる決定を出し、保守系の朴槿恵政権に近い立場を取るとの見方もあった。(共同)


                      でも日韓条約の時も「完全かつ最終的に解決された」と韓国政府と約束したのに今こんななってるし、今朴槿恵みたいに従北勢力に厳しくしてる大統領だからまだいいけど、次の大統領選で金大中とか盧武鉉みたいな左翼政権が出てきたらまた「朴と安倍みたいな極右が勝手にした合意なんて知らんがな」と、ふりだしに戻ってしまうんじゃないだろうか。

                      | 1/1PAGES |

                      profile

                      calendar

                      S M T W T F S
                           12
                      3456789
                      10111213141516
                      17181920212223
                      24252627282930
                      31      
                      << January 2016 >>

                      selected entries

                      categories

                      archives

                      recent comment

                      recent trackback

                      search this site.

                      links

                      others

                      mobile

                      qrcode

                      PR

                       

                       

                      powered

                      無料ブログ作成サービス JUGEM