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評価:
高井 尚之
プレジデント社
¥ 1,404
(2016-10-28)
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韓流時代(2010〜)
2010年の夏から未曾有のゴリ押しによってK-POPが伝来した。韓国は2000年代半ばにもドラマとかゴリ押ししてきたが、近年はアイドルや化粧品、LINEなどが若いピチピチギャルに人気爆発するいっぽうで、李昭博の竹島上陸以降はネットでしか見かけなかった嫌韓も市民権を得るなど、韓国に関心ある奴=一部のおばはん、ネトウヨという従来のマニアックなイメージとはやや異なる状況となった。
それまでの若人はガラケーでmixiとかcrooz blogとかやってたのに、スマホ(≒iPhone)が普及してからツイッターやインスタグラムなど韓国に限らず国際的なサイトを利用してるし、インスタ映えの需要にともないハロウィンのようなバタ臭いイベントが盛り上がりを見せ最近ではサンクスギビングとかイースターとかまで日本人に定着させようとしている。このように韓国やアメリカの影響力が高まるにつれ、長年ルーズソックスをはじめ国内で独自の発展をとげたギャル文化も無国籍化し、オルチャンだノームコアだインフルエンサーだと英語や韓国語がとびかうようになった。
パンケーキ
やはり2010年代といえばパンケーキだ。私がここ何年かで食べたのは、薄く焼いたのを大量のホイップクリームと食べる奴。型に入れてめっちゃ分厚く焼いた奴。小さくてふわふわで口どけの良い奴。別に特徴ない奴。の少なくとも4種あり、ひとことでパンケーキとかたずけるには種類がバラバラすぎ、そもそもパンケーキが何なのかよく分かってない私にはその混乱に拍車がかかった。
パンケーキという言葉自体は昔からあって、子供心にホットケーキと何が違うのだろうか?という疑問はつねにつきまとっていたが、ブーム以降はその言葉の定義にくわえ、おばはんがスパゲッティをパスタ、ズボンをパンツ、ジャンパーをブルゾン、アベックをカップルみたいにホットケーキ→パンケーキの言い換えに乗ってこれるかいなかが試されているような被害妄想にとらわれている。
またいかなるクリームや果実や葉っぱを素敵に添えたオシャなパンケーキよりも、ホットケーキミックスの四角いバターを載せた見本画像が一番おいしそうでインスタ映えと思うのは私だけだろうか。あんな端まで分厚くて揃った黄色いホットケーキ現実世界で見たことないのだが。
びんに飲み物入れる奴
オシャなパンケーキを出すような店でたまに飲み物をビンに入れてくるのがあるが、あれは何なのだろうか。本当にジャムとか入れる奴じゃないのさ?ていうのをコップみたいに使っており戸惑いを隠せない。
本来保存食入れる奴をコップとして使うのがオシャ。っていうスイーツたちの無茶ぶりを受け入れられるかいなかが、おばはんに試されている。そんな被害妄想にとらわれてしまう。
マシュマロピザ
イスラエルのチョコレートバー「マックスブレナー」が広めたらしい。その店が日本上陸したとき(2013年11月)かと思うが、ミスタードーナツ等、大衆的飲食店でも出すところがいくつかあった。
ピザにチョコレートとマシュマロを載せたような料理だったかと思うが、味はどう考えても森永エンゼルパイだった。そのマックスブレナーってとこのは東京の若い娘さんが泣いて喜ぶくらいだからすごくおいしいのかもしれないが・・・いやでもどう頑張ってもチョコとマシュマロだったらエンゼルパイにしかならんだろう。
アボカド
アボカドを初めて食べたのはいつだったか、そんな昔ではなかったけど、何この味も食感もない謎な物体。と思ったのだけは覚えている。その後2010年代ごろからハンバーガーとか外食でアボカドのメニューが充実してきて、これは果物としてではなく、肉や野菜と共演してこそコクがあっておいしい物とようやく理解した。
パクチー
ここ1,2年マスゴミがすごいパクチーパクチー言い出しパクチーって何さ。とまんまと策略にはまり飲食店でパクチーのメニュー見かけたとき頼んでみたけど、三つ葉みたいな香りの強い葉っぱで鶏肉と相性良くおいしいと感じた。その香りの強さから好き派とまずい派とで好みがハッキリと別れるので話題になったところも大きいだろう。
しかしそもそも何をきっかけにこんなゴリ押されるようになったかは不明。パクチー業者の暗躍か。
コメダ珈琲
2000年代からカフェブームだったのが、2010年代から昭和なおもむきの喫茶店が脚光をあびだした。しかし喫茶店って今でも全然珍しくないなかでコメダの何がそんなに受けたのか?逝ったことあるけどチェーン店である必要が今一つよく分からなかった。
瀬戸内レモン
2010年代初頭から瀬戸内レモンを使ったレモン味の菓子がたくさん出回った。尾道が発祥らしいレモンケーキも復権し、ヤマザキのレモナックも前はめったに売ってなかったのに、最近ではよく見かけるようになった。
さくら味
2000年代には森山直太朗を皮切りに桜ソングが春先に大量生産されていた。2010年代に入ると桜の塩漬けみたいな味の菓子が春先に大量生産されるようになった。
コンビニのカフェ化
コンビニでコーヒーを入れてくれるようになったのはセブンカフェのヒットからだったっけと今しがたWikipediaで確認したところ、確かに最初ヒットしたのはセブンイレブン(2013年)だが、それよりも早くローソンとファミリーマートがカフェラテを販売していたらしい。またそれよりさかのぼるとマックカフェが2010年に出た。
90年代以降日本に定着したちょっと高いシアトル系カフェに対抗すべく、まずマクドナルドがコーヒーに力を入れ出し、それに続いてコンビニが安いコーヒーを売り出し成功した。コーヒーが当たったので次はミスタードーナツに対抗すべくコーヒーに合うドーナッツも販売したが、そっちはあんまりパッとしなかったように思う。
焼きいも
コンビニでコーヒーの機械が普及したと同じころくらいにスーパーでは焼きいもの機械が普及し、冬場にはこうばしい匂いをぷんぷんとふりまくようになった。今まで紅はるかでもなんでもない猿にくれてやるような吹かし芋しか食べたことなかったので、冷めてもスイートポテトみたいなねっちょり濃縮された甘い焼きいもには衝撃受けたし安いので出始めの頃めっちゃはまってたけど、ごくたまに吹かし芋みたいな甘くない奴に出くわして腹立つこともある。
綿菓子
何ヶ月か前、CanCam誌にカラフルな綿菓子の袋が付録についてるのを見かけた。この綿菓子って韓国じゃね?と思ったが、日本でもTOTTIというお店が竹下通りとアメリカ村にあってこういうのを売ってるらしい。
しかしCanCamもJJと同じくイーガールズとかいうエグザイル一味の女性がモデルやってるのか。インスタのためとはいえこんなジャンボ綿菓子を食べなくてはいけないとは女子も大変だ。
えごま油
何年か前スーパーで大量に売られているのを見かけて、えごまって韓国じゃね?と思って原産国見たらやっぱり韓国だった。健康効果が宣伝されていたらしい。
マッコリ
2010年代初頭、KARAとか少女時代ゴリ押してたのと同タイミングで韓国がグイグイ売り出して酒コーナーで大量に流通したがすべってた。マッコリを置いていた量販店では、その後韓国製PB製品が売られる傾向があったと思う。
ミスティオ以来の微炭酸を売りにしたサントリー「ソウルマッコリ」のコマーシャルはチャングンソクゴリ押しの側面もあった。でもグンちゃん(と日本ロケの主演ドラマ)もマッコリと同じくすべってた。
食べるラー油
ビンの中に具の一杯入ったラー油で、それをごはんにかけて食べるような調味料だったか、いまいちピンとこなかった。古い人間なので昔からあるごはんですよやザーサイや塩辛の方が良いし、ラー油ってもともと食べるものだろと思った。
ココナッツオイル
いっときココナッツウォーターがはやるって言われてたけど、ウォーターじゃなくてオイルの方が人気爆発したらしい。たぶん何かが美容に良いのだと思う。
生姜
2010年前後に生姜が冷えに効くと東洋医学ぽいふれこみでゴリ押しされていたので、同じころ流行り出した冷えとり靴下と何か関係あんのか?とあたためバブルに警戒した。生姜は好きだが、冷やすとかあたためるとか陰とか陽とかそういうのまじやめてくれ。
米粉
2010年前後に農水省がフードアクションとか米粉倶楽部とかいって、稲作や米粉をプッシュし自給率を上げようと大々的にキャンペーンを展開していた。そのために何か大人の事情でミスタードーナツやマクドナルド、その他パン屋などで小麦粉の代わりに米粉を使ったメニューが一時的に急増したものの、白いたい焼きみたいなイケてないモチモチだったのでポンデケージョ世代の私もこりゃ駄目っしょと思ってたらすぐ消えた。
それにこの頃すでに稲作はロハスに浸食されており、日本人は昔から米食べてるからパンより偉いとか田んぼは生物多様性とか、外国の農産物はフードマイレージとか、あと厚化粧のギャルに農業させて農業イケてる☆彡って各種マスゴミで激しく宣伝していた。しかし震災を機になぜか「食べて応援」みたいな変な方向逝きだして音沙汰がなくなった。
甘酒
2010年代はアメリカがありがたられるいっぽうで、レモンケーキや桜、焼きいも、喫茶店、かき氷など、昔からある素朴な物もまた再評価される傾向にあると思う。甘酒もやはり日本人が昔から親しんできた米、それも米麹は自然な甘みなので、美容に敏感なスイーツ女子だけでなく白砂糖や小麦粉を忌避するロハス野郎からも評価が高い。
私は今画像の甘酒アイスにはまっている。食べてみてね。
塩麹
酵素の流れか一時期すごいゴリ押しされてて、見た目が金山寺みそみたいでおいしそーと思って買ってみたけど全然別物でしかも肉炒めとかに入れても全然おいしくないので使い方よく分からなく持て余した。ほどなくしてあまり名前を聞かなくなった。
チアシード
カエルの卵みたいなツブツブが飲み物の中に入っててきもい。ナタデココ世代なのでこれはきっとおもしろい食感にちがいないと出始めの頃とびついたけど、あんまりおもしろくなかった。
タニタ食堂
タニタっていう体重計メーカーの低カロリー社員食堂が話題となった。スイスエミー果実頃や焼きプリン、アロエヨーグルト、近年ではギリシャヨーグルトと乳製品カップ界に革命を起こし続けている森永乳業から出てたタニタの100kcalデザートのプリンかなんか食べたことがあるけど微妙だった。
そもそも大きいカップじゃなきゃ普通100kcalくらいじゃないか?プリンは卵!牛乳!砂糖!みたいなシンプルな奴が一番おいしいから、増粘多糖類とかゼラチンとか入れてる奴基本的に逝ってよし。
糖質制限
ダイエットとか栄養とか興味なさすぎて、こういうの聞いたことあっても理論は難しすぎてサパーリわからん。炭水化物抜きと糖質制限って同義なのだろうか。
いづれにせよ、今までのカロリーで調整ではなくごはんなど炭水化物を抜けば痩せれるっていうのが人気爆発してるようだ。でもパンならともかく日本人なのに一番メインのごはん食べないってそんな食べ方ありえるの?と、塩か漬物だけで永遠に米食べれる私からしたら痩せや健康のためにそこまで犠牲できるのが信じられない。
グルテンフリーっていう食べ方もあって、それは糖質でもごはんはいいけど小麦粉は駄目って食べ方らしい。そっちは美健ガイド社や幕内秀夫あたりに近い思考かなと思う。
とりあえず炭水化物大好き野郎で杜仲茶世代の私には昨今のダイエットや健康食に関する情報全然ついてけない。マクロビも調べるって言ったきり何も調べてない。
不食
デトックスとか言い出した頃から、何を栄養にとりいれるかよりいかに出すか(毒とかを)に焦点当たってきたと思ってたら、もう今じゃ何も食べない「不食」まで極めているらしく、若い娘さんのファッション雑誌にもファスティングとかいう格好良い横文字で断食の記事が載ってた。私は雑誌はモデルさんや服の写真ばかり見て文字のページ普段ならスルー気味だが、こんにちスピリチュアル野郎共が不食づいているために「この流行が若い娘さんにまで」と食いついてみたところ、やり方としては丸一日味噌汁ばっかり飲むらしく、カツオのだしは動物性だから昆布でだしとれとか、白砂糖は体を冷やすとか添加物や農薬などの毒素排出が目的とか有機栽培の味噌とか冷えを改善とか書いてたので、味噌って食材含めてそのこだわり全部ニューエイジ臭っ。と思った。
こんなんで痩せるとも思えないし、毒素排出のためだけに丸一日味噌汁だけとはなかなかきつそうだ。でも丸一日どころか榎木孝明は一ヶ月、いや森美智代は一日一杯の青汁で20年生きてる。