右翼史観への疑問

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    小籔千豊,う?み,TOMI YO
    ネギヤキ
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    (2008-02-20)

    先日、最高裁判所で夫婦同姓に合憲の判決が出て夫婦別姓派が落胆したとニュースは、多くの方がすでにご存じのことかと思う。私にとってこの夫婦別姓は一票の格差と同種の、今ひとつピンとこない系裁判なのだが・・・



    最高裁 夫婦別姓認めず…分かれる賛否、議論必要(読売新聞 12月17日)
    http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20151217-OYT8T50015.html

    民法の夫婦同姓の規定を「合憲」とした最高裁の16日の判決に、選択的夫婦別姓制度の実現を訴えてきた人たちは落胆の表情を浮かべた。  
    一方、同姓を支持する人からは安堵の声も聞かれた。ただ、同姓が国際社会で「差別的な規定」と指摘されるなど問題点は残っており、今後も継続した議論が必要といえる。  
    ・・・
    同委員会委員長で弁護士の林陽子さんは「委員会が出した勧告を各国には尊重してほしいと考えているが、今回の判決の多数意見はそれを無視した形で残念」と話す。日本の立法、行政、司法いずれも男女平等への取り組みに熱心でないと、国際社会から受け取られかねないと懸念する。  
    「ただ、女性判事の3人全員が違憲と判断した点には希望を感じた。当事者が疑問の声を上げ続けることで世論が高まり、議論が深まっていく。今後も議論を続けていくことが大事ではないか」と語った。


    ただ確信をもっていえるのは、一票の格差にしても夫婦別姓にしても左翼の運動なんだろうということだ。左翼とひとことでいってもジャンルが多岐にわたっていて私はそのうちのごく一部しかノリを把握しきれていないのだが、中でも夫婦別姓はフェミニズム系の運動であることが報道記事などからうかがえる。
    そのために夫婦別姓の運動に反発を抱く保守系の著名人も少なくないようで、下に引用した「リテラ」っていう左翼のサイトによれば吉本興業のお笑い小藪千豊もそのうちの1人だったようだ。私は小藪氏のお笑いはあまりよく知らないのだが、この人がサピオとかそういう系の、櫻井よしこが出てそうな感じの雑誌に出ていたのを見たことあるし、リテラによる「例によって小藪千豊」「以前から本サイトでは小藪の保守思想から発せられる放言」などの言い回しから、小藪氏がケントギルバートと同様にネトウヨ芸人として左翼から敵視されているのは間違いない。

    小藪千豊が夫婦別姓をドヤ顔で猛批判! 「夫婦同姓は何億年続く日本の伝統」「別姓を主張する女は不幸になる」(リテラ 12月3日)
    http://lite-ra.com/2015/12/post-1743.html

    今月16日に最高裁大法廷で憲法判断が示される「選択的夫婦別姓」の問題。反対派の「別姓にすると家族の一体感が失われる」という意見に対し、先日、イノッチこと井ノ原快彦が「まあ、(氏名が)同じでも、一体感がないときもあるからねえ」「他人同士でも一体感は生まれるから」と述べたことを本サイトで紹介したところ、賛同の声が多数寄せられた。しかし、今度はイノッチとは逆に、選択的夫婦別姓に猛反発する芸能人が現れた。その人物とは、例によって小籔千豊である。  
    小籔が別姓に猛反発発言を行ったのは、12月1日放送の『ノンストップ!』(フジテレビ)でのこと。この日の特集テーマは「夫婦別姓」だったのだが、小籔は話を振られるや否や「まあ、ぼくはどっちでもエエよと。(声を強めて)そんなにイヤなんやったら!」と宣言。しかし、つづけて出てきた言葉は「どっちでもエエよ」どころか“別姓なんか許してたまるか!”というべきものだった。
    この何億年と日本がずっとしてきたことで、その人自身がイヤやということで、いままでの人たちを否定するがごとく変えたい、そこまでの熱あるんやったら、じゃあ変えたら? 好きにしぃって思うんですけど。じゃあ理由聞いたときに、『あー、なるほど、その理由ですか』っていうのに、僕いままで一度もあったことないですね。失礼ですけど、だいたい、しょーもない理由で。アホな芸人の言うには、ですけど」  
    ・・・
    以前から本サイトでは小籔の保守思想から発せられる放言を紹介してきたが、いやはや、今回の発言はほとんど暴言だ。というより、あまりにバカバカしすぎてため息が出る。  
    まず、小籔は夫婦同姓を「何億年と日本がずっとしてきたこと」「脈々とつづいた制度」と言うが、これが根本的に間違っている。  
    元々、日本において国民全員が「氏」を名乗らなくてはならなくなったのは明治以降のこと。明治民法によって夫婦同姓が定められたのは明治31(1898)年で、“何億年”どころか、たった117年の歴史しかない(だいたい皇紀で数えても日本に何億年の歴史などないのだが)。  
    だが実際、小籔のように「夫婦同姓は伝統」と言って別姓に反対する残念な人は多い。仮に小籔がたった117年の伝統を重んじるというのなら、その「伝統」が生まれた理由を知る必要があるだろう。  
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    記事では小藪氏はフジテレビ系「ノンストップ!」にて、夫婦同姓を日本が何億年としてきた伝統、と言及したことに対して、記者が夫婦同姓は1898年の明治民法からだろ!と突っ込んでいる。これを読んでそういえば億単位前の日本ってどんな感じだったんだろうとふと気になってウィキペディアで「地球史年表」を読んだところ、1億年前は恐竜全盛時代って書いており夫婦同姓どころか人類いないレベル、地殻変動の変遷を見ると当時は完全に大陸と一体化し日本列島としての形さえなしていなかった。
    また小藪氏のほかに、華原朋美の彼氏として一時期ワイドショーを賑わしていた明治天皇の玄孫こと竹田恒泰もTwitterで、夫婦別姓で伝統的家族制度が崩壊すると発言し、やはり夫婦同姓は1898年の明治民法からだろ!って突っ込まれている。右翼が夫婦別姓に対して「家族制度の伝統うんぬん」と危機感を表すと、夫婦別姓派がすかさず1898年の明治民法からだろ!で論破するのがお約束となっている。

    創られちゃう伝統――「夫婦別姓」最高裁判決を受けて生じる無邪気な言説(Yahoo!ニュース 12月18日)
    http://bylines.news.yahoo.co.jp/soichiromatsutani/20151218-00052572/

    12月16日、夫婦別姓を認めない民法の規定について、最高裁が合憲の判断を下し、原告の訴えが却下されました。女性差別の撤廃を求める国連の勧告などもあり、かねてから注目されていたこの裁判ですが、15人の裁判官のうち女性3人全員と男性2人の5人が「違憲」としたように、その判断は大きく一致しませんでした。
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    さて、こうした判決にはさまざまな方が意見表明をしておりますが、昨日から注目されているのは、明治天皇の玄孫(やしゃご)として知られる竹田恒泰さんです。ツイッターで以下のような発言をして、波紋を呼んでいます。
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    いくつか主張をなされていますが、ここで注視するのは4番目「日本の伝統的家族制度が崩壊することにつながる」です。この竹田さんの主張は、本当に正しいのでしょうか? 夫婦同姓は伝統? さっさと結論を言えば、この竹田さんの認識は歴史学的にはかなり怪しいものです。
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    近代化は、明治元年から完全に始まったわけではなく、段階的に時間をかけて進んでいきました。近代の国民国家としての制度が概ねまとまったのは、19世紀後半(明治20〜30年代)です。現在にまで繋がる夫婦同姓が施行されるのは、明治民法の始まりでもある1898年(明治31年)のこと。
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    よく知られているように、夫婦同姓とは家長相続を基礎とした近代家父長制を支えるものとして欧米に倣って整備されたもので、決して日本の伝統ではありませんでした。そもそも明治以前は、家父長制は武士階級(家族も含めると人口の10%)においてのみ見られたものに過ぎず、豪農や豪商などでは母系相続(姉家督)や末子相続などが広く見られていました。つまり、江戸時代の家族制度は多様だったのです(このあたりは、過去にも「同性パートナーシップ条例から考える『結婚』の未来」という記事で触れたので、そちらもご参照ください)。 ことほどさように、竹田恒泰さんの「夫婦同姓は伝統である」という認識は、歴史的には誤りです。
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    エリック・ボブズボウム、テレンス・レンジャー編『創られた伝統』。 エリック・ボブズボウム、テレンス・レンジャー編『創られた伝統』。 そこでひとつ補助線を引いておくことにします。取り上げるのは、エリック・ボブズボウムとテレンス・レンジャーが編んだ『創られた伝統』(1983=1992年/紀伊國屋書店)という本です。その内容はタイトルそのまま。実は伝統ではないのに、近代になって伝統と見なされるようになった文化や社会制度について、研究・分析した専門書です。
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    日本にもこうした「創られた伝統」は多く存在します。いまでも一般に広く知られているところでは、10年ほど前には藤原正彦『国家の品格』でもブームとなった「武士道」が挙げられるでしょう。この言葉が日本で広く伝わったのは、20世紀以降のこと。きっかけは、1900年(明治33年)に新渡戸稲造が英語で発表した” Bushido: The Soul of Japan”でした。日本では、1908年に『武士道』のタイトルで出版されベストセラーとなります。後に新渡戸の肖像は2007年まで5000円紙幣にも使われるようになりますが、それもこれもこの『武士道』があったからこそです。
    しかし、日本文化研究者のバジル・ホール・チェンバレンが早い段階で指摘したように、「武士道」という言葉は1900年以前のいかなる辞書にも載っていませんでした。それでも新渡戸が、(キリスト教の影響をふんだんに盛り込んで)「武士道」をでっち上げたのは、日本を見下す西洋諸国に対しての強い反発があったからです。英語で書かれたのも、アメリカやイギリスの読者を想定していたためです。チェンバレンはそんな「武士道」を「新宗教のイノベーション」とまで断じますが、実際に日露戦争後に日本で出版され大ヒットしたように、このコンセプトは日本人にも大受けしたのです。なんだか昨今の「クールジャパン」という言葉を連想してしまいますね。
    話を最初に戻しますが、竹田恒泰さんの意見はかなり恣意的なものですが、そこに強い作為性を感じるものでもありません。ツイッターの文脈を見るかぎり、どうやら本当に知らないのでしょう。そこにあるのは、自分が望む社会制度を「伝統」だと信じたい願望です。伝統は「捏造される」というよりも、竹田さんのように無邪気な姿勢から「創られちゃう」わけです。
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    なぜこの問題において別姓に反発するのがきまって保守系の人々で、もれなく日本の素敵な伝統をおどかす左翼を危険視しているのか。私は夫婦別姓が合憲でも違憲でも正直どうでもよいのだが、その一点においてのみ気になっている。
    昨年「江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統」(原田実著)という本が出て、10年くらい前に公共広告機構のCMで有名になった江戸のマナー「江戸しぐさ」が嘘っぱちだったと一部で話題になっていたのだが、この本の中で江戸しぐさが育鵬社という保守系の道徳教科書に掲載されたことがクローズアップされたために、今回の夫婦別姓と同じように右翼がでっち上げた伝統だと広く認識されている。しかし個人的に江戸しぐさは左翼の所業としか思えず、右翼が日本の伝統を尊重しているとか左翼がそれを破壊しようとしているというイメージに対して強い違和感をおぼえざるおえなかった。
    左翼が伝統を破壊しようとしているのはある程度事実なのだろうけど、右翼にとっての規範は「伝統」でも「江戸」でもなく、明治(討幕・江戸っ子大虐殺サイド)でなければつじつまが合わない。君が代とか靖国神社だって明治以来なのだから、愛国趣味な概念はたいてい伝統ってほど古くなく、江戸時代よりさかのぼれることはほぼないだろう。
    それでいてなぜ右翼自身までもが明治からの体制や言説を、それ以上古くからある伝統と誤認している例が多いのか。私もあまり日本史には明るくないのだが、天皇における「万世一系」という神話的な概念が「日本の伝統すげぇ」と混同されているのではないかと考えている。
    でもその万世一系な天皇も武士の時代にはあんまり存在感がなく、王政復古したために急に政治の表舞台に出てきたという印象だ。だから右翼を右翼たらしめている、日本は神の国でありその現人神たる天皇をお守りするのは臣民として当然の役目って感じの愛国心は、伝統に培われたというより明治時代の体制がそう整ったと考えたほうが自然なように思う。
    したがって右翼もいっそ日本の素晴らしさすなわち伝統という思い込みを捨て、明治が近代日本のロールモデルであってそれより前は野蛮人で江戸っ子逝ってよしくらいに考えなければ、左翼の伝統主義、今回で言えば「江戸時代の家族制度は多様だったのです」(夫婦別姓の方が伝統的で偉い)を論破できないんじゃないかと思うのだがいかがだろうか。

    ケントとネトウヨ人脈

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      慰安婦否定、憲法攻撃…ネトウヨ化で再ブレイクしたケント・ギルバートに9条擁護とマルチ商法関与の過去(リテラ 12月8日)
      http://lite-ra.com/2015/12/post-1761.html

      今年も残すところ1カ月をきったが、2015年の保守論壇・ネット右翼界隈を振り返ってみると、とりわけ大活躍(?)したのが、アメリカ人タレントのケント・ギルバート氏だ。  
      昨年秋から急に「夕刊フジ」などに登場し始め、今年に入ると「正論」「Voice」「WiLL」といった保守論壇誌へ毎月のように寄稿し、右派が喜びそうな安倍首相擁護や日本国憲法否定、歴史修正主義的な主張をエスカレート。
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      そして、ケント氏は今年、“ネトウヨ文化人の登竜門”こと、あのアパグループ主催の懸賞論文の第8回最優秀賞まで受賞している。アパ懸賞論文といえば、記念すべき第1回(08年)、当時航空幕僚長だった田母神俊雄サンの陰謀論丸出しトンデモ論文が受賞。その後も“ネトウヨのアイドル”こと竹田恒泰氏(第2回)や“尖閣ビデオ流出男”こと一色正春氏(第5回)が受賞している、保守派の歴史学者たちからも呆れられるほど香ばしいアレだ。  
      まさに、名実ともに、ネトウヨ文化人の仲間入りという感じだが、しかし、そもそもケント・ギルバート氏といえば、1980年代に人気クイズ番組『世界まるごとHOWマッチ』へ出演、お茶の間の人気者となったいわゆる“外タレ”だ。カリフォルニア州弁護士の肩書もあり、インテリ風のキャラクターを売りとしていたが、当時は、いまのように改憲タカ派的な言動はほぼなかったように思う。むしろ、『関口宏のサンデーモーニング』のレギュラーを務めていたときは、“外国人”という立ち位置を十分に活用したうえでバランスよくコメントするイメージだった。  
      実際、当時の著書『ボクが見た日本国憲法』(PHP研究所、1988年)を読む限り、現在のギルバート氏とは180度異なる印象を受ける。たとえば、外国人に対する指紋押捺に関してはこう語っている。
      〈いま日本に韓国人が大勢いるのは、日本と韓国の過去の不幸なつながりの結果ですね。僕らは自由意志で来ているけど、何代も何代も日本にいる韓国人は、最初から来たくて来たんじゃないだろうし、帰ろうと思っても、そう簡単に帰れません。(中略)  自分たちにはちゃんと祖国があるのに、祖国でないこの国になぜいるのか、そのことを日本国政府は無視している〉  
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      そもそも、米ユタ州で育ったケント・ギルバートが日本の地を初めて踏んだのは、1971年、当時19歳、モルモン教の宣教師としての来日だった。福岡市など九州を中心に約2年間居住、75年の再来日の際には沖縄に半年間住んだ経験もある。そして、アメリカの大学院を修了し、州弁護士資格を得たギルバートは、東京の国際法律事務所に就職するのだが、彼の運命を変えたのが、前述の『世界まるごとHOWマッチ』への出演だ。
      ・・・
      だが、ケント氏の野望は芸能界の成功だけではすまなかった。このインタビューで「僕の基本的な考え方は、お金の使い方には二つしかない。消費してしまうか、投資するか」と語っているように、ギルバート氏は様々なビジネスに手を出し始めた。外国人を講師とする英語学習塾「ケント・ギルバート外語学院」の展開、タコスチェーン店「タコタイム・ジャパン」への4000万円の出資、そして前述の母国でのアパート経営などなど……。  
      しかし、それらがすべて成功したかというと、そうではなかった。
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      ケント・ギルバートはなぜ突然ネトウヨになったのか? 背後に右派人脈とビジネスのにおい(リテラ 12月10日)
      http://lite-ra.com/2015/12/post-1766.html  

      ・・・
      1989年には外国人を講師とする英語学習塾「ケント・ギルバート外語学院」を華々しく開校するも、90年に所属していた外国人講師2人が大麻取締法違反で逮捕されるなどスキャンダルを引き起こし、95年には閉校に追い込まれた。  
      また、タコスチェーン店「タコタイム・ジャパン」に日産自動車と共同出資という形で事業展開したこともあったが、こちらも経営不振で91年4月に解散している。  
      さらに、テレビでほとんど姿を見なくなった99年頃、ケント氏はマルチ商法にまで関わっていた。  
      このマルチ商法は「レクソール・ショーケース」。サプリなどの健康食品や化粧品など主力商品とし、ディストリビューターと呼ばれる会員販売員を構成、あらたに勧誘することで、売上からボーナスをバックしていくというアメリカの連鎖販売取引企業だ。  
      ケント氏はこの会社の日本進出に際して広告塔を務めていたのである。たとえば、99年には『ケント・ギルバートの「レクソール始めませんか!」』『ケント・ギルバートが贈る「レクソール・ビジネストレーニング」』(ともにイーハトーブ出版)という“勧誘本”に出演して、同社の製品やマルチの仕組みを大絶賛している。また、書籍だけでなく、レクソールの販促ビデオにも関与しているが、これまた「なぜ私がレクソールを始めたのか」「ディストリビューター体験談集」など、タイトルからして怪しさが漂う代物だった。しかも、このレクソールの日本進出も最終的には失敗したようで、今ではまったく名前を聞かなくなってしまった。  
      ・・・
      しかも、彼の言論活動にも、このビジネス人脈のにおいが付いて回っている。  
      実は先述の閉校した英語学習塾「ケント・ギルバート外語学院」には、ある保守論壇の大物が関わっていた。  
      その人物とは加瀬英明氏。福田赳夫内閣・中曽根康弘内閣の首相特別顧問、大平正芳・鈴木善幸内閣の外相特別顧問などを歴任した保守系外交評論家だが、1990年代に入って歴史修正主義的な主張を強め、「新しい歴史教科書をつくる会」の顧問に就任。同会の教科書を発行する自由社の代表取締役を務めている。また、日本会議代表委員や日本国防協会評議員など、右派組織の役員としても活動している、バリバリの右派論客だ。  
      ケント氏は、この加瀬氏を自分の名前を冠した「ケント・ギルバート外語学院」の理事にすえていたのだが、その関係は現在に至るまで、ずっと続いている。
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      そして、もうひとり、ケント氏と保守論壇をつなぐキーマンと思われる人物がいる。それはやはり「ケント・ギルバート外語学院」で理事長をつとめていた植田剛彦という人物だ。
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      植田氏は前述の加瀬氏と極めて親しく、ケント氏と加瀬氏をつないだのも、植田氏だったと思われる。前述したケント氏と加瀬氏の対談本『日米知ってるつもり大論争』では司会を務め、加瀬氏の「日本の文化を世界に発信する会」でも、ケント氏とともに理事に名を連ねている。
      もっとも、植田氏はもともと右派というわけではなく、90年代の著書では、従軍慰安婦についても「強制的に集められた」とするなど、バランスのとれた歴史認識を示していた。ところが、加瀬氏が「つくる会」教科書発行のためにたちあげた自由社に取締役として就任したあたりから、急速に右旋回。さまざまな歴史修正主義運動で加瀬氏と行動を共にするようになり、2015年には『目覚めよ!日本』(日新報道)という、「連合国戦勝史観の呪縛からの脱却」をスローガンに掲げた歴史修正本を出版している。  
      そして、ケント氏もこの長年のビジネスパートナー植田氏の右旋回の後を追うように、急激なネトウヨ化をとげるのである。  
      しかしだからといって、ケント氏がこういった右派人脈に操られていると考えるのは、早計だ。たとえば、1993年の加瀬氏との対談本『日米知ってるつもり大論争』でも、ケント氏は加瀬氏の主張に全面的にくみしていたわけではなく「武士道とかはいただけませんね。ああいう精神は、すぐ第二次世界大戦を連想しますから。なぜ特攻隊は、あのように飛行機で身を挺してまで切り込んでくるのか? なぜ、ああまで主君に一方的に忠誠を誓わなければならないのか?」などと、日本の戦前の体質を批判していた。  
      ・・・
      今のケント氏に聞かせてやりたい言葉だが、とにかく、ケント氏は2013年の段階では、右派人脈と付き合いつつも、歴史修正主義とは距離をおいていたのだ。そんなケント氏がなぜ、露骨なネトウヨ的主張を口にし始めたのか。きっかけは、昨年の朝日新聞の従軍慰安婦をめぐる誤報問題だった。  
      誤報問題が盛り上がっている最中の2014年8月22日、ケント氏は、「朝日新聞へのアドバイス」というこんな投稿をエントリーする。
      〈ところで私も「従軍慰安婦問題はあったのだ!」と先日まで信じ込んでいましたから、朝日新聞に完全に騙された人間の一人です。だから朝日新聞は私にも謝罪して欲しいです。保守系の友人たちは「従軍慰安婦問題なんて無かったんですよ!」と何度か私に教えてくれました。しかし私は全く聞く耳を持たなかったので、彼らは密かに私を馬鹿にしていたかも知れませんし、彼らの信用を失ったかも知れません。そのことを考えると精神的苦痛を感じるから、朝日新聞に対しては損害賠償を請求したいくらいです。〉  
      すると、このブログが大きな反響を呼ぶ。それまでのエントリーではコメントが1〜3件、「いいね!」がせいぜい30くらいだったのが、現時点で「コメント88、「いいね!」が1386も集まる反響の大きさとなったのだ。  
      そして、ケント氏はこれを機に、それまでまったく政治的な問題を扱っていなかったブログで、右派やネトウヨが喜びそうな主張を3~4日に1回ほど書き始める。しかも、その回数も主張もどんどんエスカレートしていった。慰安婦否定、ネトウヨデモの支持、韓国攻撃、憲法9条否定、君が代称賛……。在米ジャーナリストのマイケル・ヨン氏が慰安婦否定の論文を書いていると知るや、ブログでその和訳を公開。これまたネトウヨから絶賛を浴びた。  
      さらに、新聞や雑誌からもオファーがかかるようになった。9月には「夕刊フジ」で同内容の朝日新聞批判を寄稿し、11月からは同紙で連載を開始。翌年には「正論」2月号で「韓国よ、あなたがたの父祖はそんなに臆病だったのですか」という韓国ヘイト的論文で右派論壇デビュー。その後、「Voice」(PHP研究所)、「WiLL」(ワック)といった右派論壇誌から引っ張りだこになっていく。  
      まさに、朝日の従軍慰安婦誤報問題を境に、ケント氏は一気に、ネトウヨ文化人の第一線に躍り出てきたのだ。  
      だが、それは、朝日問題をきっかけにケント氏がリベラルに失望し、思想を180度転向させたというような、ピュアな話ではないだろう。  
      前回の記事でも書いたが、吉田証言の信ぴょう性のなさは前々からいわれていたことであり、それを今更誤報だと朝日が認めたからといって、従軍慰安婦そのものが否定されるわけではない。しかも、戦争への認識から憲法観、韓国に対する姿勢までが180度ひっくり返るというのは、どう考えても整合性がない。少なくとも、ケント氏はそこまでバカではないはずだ。  
      むしろ、この間のケント氏の言動を見ていると、その転向の裏に感じるのは、マーケティング的なにおいだ。  
      ケント氏は「夕刊フジ」や「正論」などで、自分のブログがいかに大きな反響を呼んだかをとにかくうれしそうに強調していた。ようするに、たまたま朝日問題について書いたところ、これまでになかった反響を呼び、メディアからも声がかかるようになった。だから、「これはいける!」と、ネトウヨ受けするような問題に片っ端から食いつくようになり、主張をエスカレートさせていったのではないか。  
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      しかし、真にマーケティング狙いなのは、そのケント・ギルバート氏を起用している右派メディアや保守論壇のほうかもしれない。 “テキサス親父”トニー・ラマーノ氏のブレイクや日本スゴイ本の売れ行きをみてもわかるように、ネトウヨ読者の間では今、日本をほめてくれる“白人”、中韓の悪口をいってくれる“欧米人”が大人気だ。メディアはそのことをわかっているからこそ、中身を度外視して、“白人”であるケント氏に群がり、右派論客としてかつぎあげたのである。  
      ・・・


      私もここ何ヶ月かでケントギルバートの人気爆発ぶりに注目していたので、つい長く引用してしまった。私が最初にケントギルバートのネトウヨ化を認識したのはたぶんチャンネル桜か何かで動画を見たのがきっかけだったのだが、その直後に知人から「朝生」で見かけたのも聞いた。
      朝生に出てた日にちを調べたら9月末であり、同時期に「そこまで言って委員会」にも出演しているので2015年9月をケントギルバート再ブレイクの瞬間として私の脳内日本史に刻んでおきたい。それにしても、ケントギルバートネトウヨ化の「ネト」って何なんだろうか。
      確かにネトでアメーバブログは書いてるけど、タレントなのだから主戦場はテレビもしくは「正論」「Voice」「WiLL」といった保守論壇誌なのだから、正しくは「テレウヨ」「紙ウヨ」ではないかと思う。しかしこの場合スメハラの「ハラ」みたいなもんで、あまり深く意味を考えてはいけないのかもしれない。
      引用記事が掲載された「リテラ」は私にはかっての「JANJAN」「オーマイニュース」を彷彿させる(実際ライターかぶってんじゃないか)、右傾化して軍靴の足音聞こえまくりな現代社会に警鐘を鳴らし続けている平和の使者のサイトであり、そこでケントギルバートはモルモン教の宣教師として来日後、世界丸ごとハウマッチに出演して80年代の外タレブームに乗り巨万の富を得たけど90年代に落ちぶれてマルチ商法に手を染めていた時期もあったと、だいたい言わんとするところを要約するとこんな感じのことが書かれてある。だから今降ってわいたようにネトウヨデビューしたのも、慰安婦誤報謝罪を受けてブログで朝日新聞批判をぶったところネトウヨに人気爆発し、これビジネスチャンスとばかりにネトウヨに受けそうなことを書き散らすようになったのではないかというわけだ。
      確かに私もケントギルバートのネトウヨ化を受け「こんな人だったっけ」と、ブログをさかのぼって読んだことがあるのだが、記事をまめに更新し出したのはここ1年程度であり、その前はというと「日本人がやりがちな変な英語」みたいな人畜無害なコラムをごくたまに更新する程度だったために、それ読んだときに抱いた印象は上の引用記事とそう違いはない。ネトウヨとしてはニワカであり、ここ2,3カ月の唐突な人気爆発にマーケティング臭を感じてしまったのが正直なところだ。
      しかもマルチやってたってことは本場のアメリカから持ってきて日本人を子分にし、それでEHエリックばりに将来安泰だという算段だったのだろう。そうはいかんぞ。
      ところで上記事でケントギルバートの英語塾の理事でそのネトウヨ化に影響を与えたのではないかと論じられてる加瀬英明はカッパブックス「醜い韓国人 われわれは「日帝支配」を叫びすぎる」(1993年)を著したパクテヒョクの中の人だという噂もある。この本はパクっていう韓国人が「日帝時代はそんなに悪くなかったしむしろ李氏朝鮮時代のほうが地獄だった」みたいなこと書いた本で、現在ネトウヨが言う日帝は朝鮮を近代化してあげたのだからむしろ感謝しろの史観によく似ているのだが、韓国人がやらないような間違いがあるために、これを書いたのが日本人、それも推薦文書いてる加瀬氏なのではないかと言われているのだ。

      あと上記事の最初らへんでギルバートが受賞したネトウヨ文化人の登竜門ことアパ懸賞論文とかいうのに触れられているが、あなた知ってました?アパグループがネトウヨだったって。私この記事読んでそうだそういえば・・・と、アパホテルに泊まったとき部屋にそういう本置いてたのよネと思い出して画像探したらあった。

      著者はいづれも藤誠志となっており、アパ社長の彼氏か何かと思って調べてたらやっぱりご主人なのだそうだ。ウィキペディアを参照すると藤誠志はペンネームで本名は元谷外志雄(帽子で有名な社長は元谷芙美子って名前らしい)、安倍晋三の後援会「安晋会」の副会長だとのことで、左翼のみなさんはアパホテルに宿泊しないほうがよろしいかと思う。

      ハラいっぱい

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        (2013-09-12)

        観光ポスター:美少女キャラは「セクハラだ」批判受け撤去(毎日新聞 12月1日)
        http://mainichi.jp/select/news/20151202k0000m040118000c.html

        アニメの美少女キャラクターを使った岐阜県美濃加茂市観光協会のポスターに「セクハラだ」などの批判が相次ぎ、協会側が駅に張ったポスターを撤去したことが分かった。協会側は「市や市主催の催しに悪い印象を与えたくないため」と説明している。  
        このキャラクターは美濃加茂市の農業高校をモデルに描いた人気ライトノベル「のうりん」に登場する美少女。昨年1〜3月にテレビアニメ化され、人気となった。このキャラクターを使ったポスターは、11月7日から開催している市主催のスタンプラリーの宣伝用に同協会が製作した。11月上旬から同市のJR美濃太田駅に掲示する一方、チラシも作り、地元商店に配布。11月4日には公式ツイッターに投稿した。  
        これに対し、「このイラストでは(イベントに)家族や恋人同士では行きたくない」「人気を集めりゃなんでもいいわけじゃない」などとインターネット上で批判が上がり、協会側は同29日、駅のポスターを撤去した。  
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        この「のうりん」という漫画は初耳だが、名前の似ている「けいおん!」が実在する学校を舞台にしていたのと同じように、美濃加茂市の農業高校を登場させ、アニメのオタクたちによる聖地巡礼を地域活性化につなげたかったのかもしれない。確かに困り眉のおフェロな女性がシャツのボタンをめいっぱい開けてはちきれんばかりの豊かな胸をひじで押し上げ腰をくねらせるさまは、観光客ポスターにしてはいささかエッチな感じがした。
        私はいっとき携帯に表示されるエッチな漫画にマジギレしていた時期があったので、「ひと目のつきやすい場所でエッチな絵はよしてくれ」という気持ちは分かるのだが・・・しかしここでいう「セクハラ」の「ハラ」って何なんだ。ただの「セク」ではないのか?
        いつぞやの記事でも述べたように、近年ハラの乱用が目に余る。こんなポスターごときにまでハラを適用すると、ゆくゆくは真のセクハラ被害者まで軽んじられやしないか。

        体臭・口臭は迷惑 「スメハラ」を防げ(大阪日日新聞 10月21日)
        http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/151021/20151021021.html

        最近よく耳にする「スメハラ」(スメルハラスメント)。体臭や口臭、強すぎる香水など周囲に不快感を与える「ニオイ」は迷惑行為とされ、近年は職場や仕事相手、家庭でもクローズアップされている。中高年の加齢臭に代表されるが、本人には自覚が無い場合も多い。パワハラやセクハラと同様、問題解決のための社員教育教材が開発されるなど、「臭いのケア」が注目されている。
        臭いの調査研究を行っている「マンダム」(大阪市)によると、男性よりニオイに敏感な女性の社会進出や節電による室温の上昇、保温効果の高い衣類の着用などによって、近年「ニオイ」に対しての指摘が多いという。  
        同社が25歳から49歳の働く男女約1100人で調べた「職場において同僚など周囲の人の容姿や身だしなみで『どうにかしてほしい』と思うのはどんなことですか」の問いでも、体臭(60%)と口臭(58%)が共に5割を超えている。  
        体臭は、年齢や発生源によって3種類に分かれるという。(1)10代から30代の脇から発生する汗臭(2)30代から50代の後頭部から首にかけての脂臭(3)50代以降の胸や背中から出る加齢臭−。特に脂臭の原因成分のジアセチルは、臭いに鈍感な人と敏感な人の差が大きく、「鈍感な人に脂臭が発生した場合、周囲の敏感な人は気付くが本人は気が付かず、スメハラの原因となる可能性がある」(マンダム)と危惧する。  
        大阪労働局によると、スメハラについての相談は今のところ無いというが、「放置するといじめや嫌がらせなどに発展しかねない。会社で早急な対応が必要」と指摘する。  
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        ブラハラと並んで最近ハラの市民権を得ようとしているのが「スメハラ」。しかし「へっへっへ。このニオイで人々を苦しめてやるぜ」とハラ(嫌がらせ)目的でワキガや加齢臭をふりまいている人がどんだけいるというのか。
        私からしたら、これもただの「スメ」じゃないのかと。けっきょくマンダムといういち企業がデオドラント市場を拡大しようと社会問題をでっち上げくさい奴を悪者に仕立て上げようとする、その思惑自体がニオイに悩む人へのハラだと思う。

        左翼と若者

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          FNN世論調査で分かった安保反対集会の実像 「一般市民による集会」というよりは…(産経新聞 9月14日)
          http://www.sankei.com/politics/news/150914/plt1509140020-n1.html

          産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が12、13両日に実施した合同世論調査によると、国会周辺など各地で行われている安全保障関連法案に反対する集会に参加した経験がある人は3.4%にとどまった。共産、社民、民主、生活各党など廃案を訴える政党の支持者が7割を超えた。最近注目を集める反対集会だが、今回の調査からは、「一般市民による」というよりも「特定政党の支持層による」集会という実像が浮かび上がる。  
          集会への参加経験者の41.1%は共産支持者で、14.7%が社民、11.7%が民主、5.8%が生活支持層で、参加者の73.5%が4党の支持層だった。  
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          参加経験者を年代別に見ると、最も高いのは60代以上の52.9%で、40代の20.5%、50代の14.7%が続いた。20代は2.9%で、20代全体に占める参加経験者の割合は0.8%にとどまった。各年代での「今後参加したい人」の割合を見ても、60代以上の23.9%がトップ。20代も15.5%だったが、「60年安保」や「70年安保」闘争を経験した世代の参加率、参加意欲が高いようだ。
          市民団体「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会」が主催して8月30日に国会周辺で行われた集会は「一般市民の怒り」を前面に出し、党派性を薄めた印象を与えた。だが、共産、社民、民主各党などの支持層が中核を担っていることが調査結果からうかがえる。  
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          最近ニュース見たらこの安全保障関連法案で持ち切りで、各種メディアは判で押したように普通の若者さえ反対デモに参加してるってことをしつこく報道している。今若者の間で反米や憲法9条が静かなブーム・・・なのか?
          しかし何でそんなに若者がありがたいんだよ。って気味が悪いほどアピる背景には、逆に若者が物珍しいくらい左翼の高齢化がさしせまっているのであり、個人的には上の産経新聞の60年70年安保上がりの左翼が反対デモの中心という記事のほうが自然に受け入れられる。左翼は少なくとも30年は前から、今若者の間で反米や憲法9条が静かなブームって言い続けており、リーマンショックの時期にも若者が派遣切りで蟹工船(っていう共産党の小説)が人気爆発中っていう報道がよくなされていた。
          まちがいなく左翼はオサレな人やかわゆいギャルがデモに参加してたりといったことがテレビで報じられれば、加齢臭漂うださいデモのイメージが一新され「安保粉砕ってイケてるんだぁ」と、流行に敏感な若者がブームに乗っかってくると思ってるのである。んなアホな?
          またもう1つ高齢化のほかに左翼が否定する傾向にあるのは党派性であり、デモはあくまで共産党や社民党といった特定の政党ではなく、普通の人が多く参加してるってことを強調することが多い。別にそんなことないと思うけど、少なくともベ平連(70年安保)の頃くらいまでは、そうした政治運動がある程度の影響力を持っていたはずだ。
          今の左翼がなんちゃら「派」って言わずに、「ネットワーク」みたいなつまみどころのない格好良い横文字を使い、自らを「市民」と称しているのもベ平連あたりからの流れだろう。ベトナム反戦運動ってのがヒッピーとかサイケみたいにファッションにも影響を与えたりして若者からまあまあ人気あったかもしれないけど、70年を過ぎた頃くらいから左翼はテロやリンチのイメージが強くなったし、団塊世代もロン毛を切って普通に会社勤めするようになった。
          やがて80年代くらいになると、もうネクラな政治の季節は完全に過去のものとなった。人々は何事もなかったかのように消費社会を謳歌しダブダブのスーツ着てディスコティックで踊り狂っていたが、そんな軽薄な時代に突如彗星のごとく現れた新人類が当時ピースボートを立ち上げた辻元清美だったのである。

          今の姿からは想像できないかもしれないが、デビュー当時の辻元氏はナイスバディ(美脚・巨乳)をおしげもなく披露し今どきのピチピチ女子大生ってのを売りにしていたのだ。
           

          世の中、ちょっとおかしいんじゃない。このまま、ぼやーっとしていたら、やばいなぁ---テニスが好きで、ディスコが好きで、おしゃれが好きで、要するに「女子大生」していた私が初めてそう思ったのだった。
          (「清美するで!新人類が船を出す」3ページ)

          「おかしなこと」は、年中無休に次から次へとあらわれる。
          テニスをし、ディスコで踊り、カフェバーで友だちとおしゃべりをし、普通の「女子大生」していた私にも「何か変だな」と思うことがいっぱい。
          (18ページ)


          テニスやディスコやカフェバーという軽快な横文字を羅列して、ゴリゴリの活動家じゃないんですよー。って「普通のギャル」アピールが激しい。こういう若者の政治参加(左翼参加)そそのかしたのは、小田実や筑紫哲也くらいの世代だろう。
          この世代は10歳くらいのときに終戦なのだが、上の戦争世代との確執が深いために団塊世代など自分より若い人に肩入れする傾向が強いと推察される。ピースボート、また同じ時期にもてはやされていた保坂展人(現世田谷区長)など、自分探しの若者を取り込むことにある程度成功した。
          そして80年代後半の反原発ブームでは忌野清志郎など当時人気のミュージシャンが声を上げ、一度はネクラをさけずんだサブカル野郎が再び政治に回帰した時期でもあった。この時点で政治参加に目覚めた人は現在ロハスのポジションにおり、大手広告代理店じこみの格好良いアートディレクションにオーガニックやサステイナブルと軽快な横文字、もしくはほっこりとしたひらがなを多用してネクラな左翼のイメージを払しょくしようとしている。
          というわけで80年代いっぱいまでは一応、ピュアな若者が自分探しや憧れの芸能人を経由して左翼に影響を受けるということはあったかもしれない。今でもミュージシャンが反原発に目覚めることは少なくないのだが、そもそもとんがった音楽とか広告みたいなサブカルをオシャな若者文化ととらえること自体が若者の親世代で終わってるってのが私の持論なのだ。
          またもう1こ若者と別に、左翼が自らの党派性を否定するときに使われるのが「右も左も関係ない」とかいうフレーズで、その言わんとするところは、われわれは是々非々であるからこそ右翼とも共闘するってことなんだろうけど、そこで言う「右」がたいてい鈴木邦男というよど号シンパみたいな人なのが納得いかない。

          ミスターコラージュ

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            「人間として耐えられない」佐野研二郎氏がコメント 疑惑改めて否定(産経新聞 9月1日)
            http://www.sankei.com/affairs/news/150901/afr1509010032-n1.html


            今月1日に決定された疑惑の佐野研二郎デザイン五輪エンブレムの使用中止にあたって、決め手になったとされるのが外国人のブログから拝借した空港の写真である。これは広告の部分だけハメコミ合成したシンプルなパクリであるために、佐野氏も言い逃れができなかった。

            右下にあったコピーライトなんちゃら〜っていう著作権を明示した透かし文字をトリミングしていたこともあってその悪質性が話題となり、ほどなくしてエンブレムの使用中止が発表された。しかしフランスパンをケチったときも思ったけど、羽田空港の交通費さえケチるという、そのドケチぶりが気になってしょうがない。

            使用中止が大々的に報じられて、このエンブレムや元ネタとされるベルギーのリエージュ劇場のロゴが何回も映し出されていたが、五輪エンブレムは見れば見るほど不可解である。
            最初私はこの騒動を受けてエンブレムを見たとき、第一印象として「TLって何」と思った。元ネタとされるベルギーのリエージュ劇場は「THEATRE DE LIEGE」とあるので、じっさいTLを表しているんだろう。
            しかし東京五輪のTは東京としても、Lがどっからやってきたのか。後からこのエンブレムはTを意味していると聞いたが、だとすると右下の三角はいったい何なのだろうか。
            この三角部分にしても、それぞれ金と銀が使われているのでメダルの色なのかと思うが、だとしたら銅がないのも気持ち悪い。審査員は「素人には分からないかもしれないがうんぬん」と言っていたけども、分からなすぎにもほどがある。

            そんななか、招致活動に使われた桜のエンブレムを再利用しようという声が高まっているが、結局また公募で決めるのだそうだ。というわけでエンブレムの件はこれで一件落着といったところであるが、おそらく今でもフランスパンと羽田空港以外は明確にパクリと認めていないので佐野コピペ世渡り野郎疑惑の火種はくすぶり続けている。

            トートバックに引き続き新たに出てきたパクリ疑惑画像のうち1つがこの左に傾いた水色の漢字「涼」をモチーフにした広告で、右が元ネタとされているが、発表時期が近いこともあってパクリではないという意見もある。しかしかりにパクリでないとしても、団扇展のほうが「涼しい」の真ん中部分をうちわに見立てたのに対し、佐野氏のほうは扇子の扇形と「口」部分に何の関係があるのかよく分からないことから、五輪エンブレムと同様にしっくり来ない気持ち悪さがある。

            もう1つがメガネを使った多摩美術大学の広告だが、メガネをパクったことよりもこのアイコラ(アイグラスコラージュ)不自然すぎだろと思う。佐野氏の事務所ミスターデザインに目の悪い人くらいいそうなものだが、わざわざ指をコラするくらいなら最初から手持ちのメガネ持って撮影したほうが早くないか?

            佐野氏の著書「思考のダイエット」(マガジンハウス)
            お金がない、時間がない、じゃあどうするか。と意味深な問いかけがなされている。

            パクリダメ

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              評価:
              佐野 研二郎
              誠文堂新光社
              ¥ 3,024
              (2006-12-02)

              佐野研二郎氏、トートバッグ問題を謝罪 共同制作者が「第三者のデザインをトレース」(ハフィントンポスト 8月15日)
              http://www.huffingtonpost.jp/2015/08/14/sano-kenjiro-apoligized-plagiarism_n_7990884.html


              いちやく時の人となった博報堂出身のデザイナー佐野研二郎。
              東京オリンピックのエンブレムに興味なく、パクリって聞いたときも「まぁそういうこともあるさ」くらいに思ってあんまり食いついていなかったのだが、ネットで「オールフリー絶対もらえる!夏は昼からトート」をはじめとする膨大な比較画像を目にしてから、なるほどこれは小保方さんぶりにコピペ世渡り野郎の再来なのかと遅まきながらことの重大さを理解した次第である。

              ネットで盛り上がっていた「オールフリー絶対もらえる!夏は昼からトート」のパクリ疑惑は、ほどなくしてテレビの報道も後追いし、佐野氏も「共同制作者がパクった」と罪を手下に押しつけて逃げ切ろうとした。だがかりにそれが本当だったとしても、オールフリーの広告では「佐野研二郎デザイン」を銘打っているために無名なコピペ野郎のデザインを自分の手柄にしてるんかい。と、むしろその佐村河内性によって火に油を注ぐ結果となった。

              しかし・・・このトートバッグ、見れば見るほど腹立つ。
              そもそも「夏は昼からトート」って、どういう意味なのだろうか。「夏は昼からオールフリー」というのであれば、バーベキューの帰りに運転するなど昼からビールの代わりにそういう物を飲む機会もあろうかと思うのだが、夏以外は昼にトートバッグ持ってたらあかんのかい。と、トートバッグ大好きっ子として聞き捨てならない。
              また30種類もあるせいか、コピペうんぬんを別にしてもやっつけで統一感に欠ける印象を受けるし、麦をくわえた小鳥やら古びた英語の書物、フランスパンといった題材にそこはかとなくseriaバリのエセほっこり感がただよっている。実際このトートで多用されている小鳥の絵は、ナチュラルキッチンっていうほっこりを基調とした100均雑貨からコピーしているのだそうだ。
              ていうかフランスパンくらい自分で買って写真撮ったらよさそうなもんだが、おそらく佐野氏はあまり固いパンが好きでないためにケチったのだろう。

              日本人しか使わないだろう袋に、なぜやたらめったら不必要な英語をちりばめるのか。
              騒ぎのもとになったエンブレムも文字のTとHかと思ったけど、Hに見えた二本柱は=(等号)ってどっかで見て、90度向き変えたらもはや別の記号だろと思った。こういう訳わからぬ広告デザイナーと高感度消費者の内輪ノリに国民を巻き込まないでおくれ。

              Tシャツも“コピペ”? 佐野研二郎氏を襲った「新たな疑惑」(日刊ゲンダイ 8月15日)
              http://nikkan-gendai.com/articles/view/news/162771


              写真△魯蹇璽螢鵐哀好函璽鵐困Tシャツの襟首部分らしいのだが、なぜか全然関係ないギタリストの写真,鮠ー蠅忙箸辰討い襪箸里海箸澄このSMALL以外に誰も読まないだろう英語をギッシリしきつめたところが佐野デザインの真髄なのかもしれない。
              この事件についてしみじみ思うのは、もはや日本人もパクリを理由に嫌韓できない時代なのだということに尽きる。

              原宿系も衰退

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                『宝島』と『CUTiE』が8月に休刊 サブカル&ストリートファッションを創出(7月29日 ライブドアニュース)
                http://news.livedoor.com/article/detail/10407733/

                宝島社は29日、同社が発行する月刊誌『宝島』と『CUTiE』の2誌を休刊すると発表した。同社は9月から新しい事業年度を迎えるにあたり、雑誌の選択の集中を進めており、『宝島』は来月23日発売の10月号、『CUTiE』も来月11日発売の9月号をもって休刊となる。
                『宝島』は1974年6月に創刊。サブカルチャーをメインに扱う雑誌としてスタートし、80年代にロックバンドやファッションをメインにした誌面へリニューアル。忌野清志郎やザ・ブルーハーツなどが登場し、当時の若者のバイブルとして圧倒的な支持を受ける。90年代はヘアヌードや風俗情報を掲載する内容に舵を切り、2000年代以降はビジネス誌として発行を続けてきた。  
                小泉今日子や小沢健二と小山田圭吾によるフリッパーズ・ギター、さらに電気グルーヴ、スチャダラパーなど数多くのミュージシャンが連載を担当。また、新聞・雑誌の誤植や街の中の変わった看板などを紹介する読者投稿コーナー「VOW」は、何度も単行本化されるほどの人気企画だった。  
                『CUTiE』は1989年9月に「宝島の女の子版」として創刊。ストリートファッションをメインに扱い、現在では多数のファッション誌で特集される「ストリートスナップ」をいち早く取り入れた。
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                老舗原宿系雑誌だったCUTIEはAKBに毒され半端なギャル雑誌のようになっていたが、昨年リニューアルとともに面白い服装の能年玲奈を表紙に据え再び原宿系に回帰したかのように見えた。しかし、今しがた休刊のお知らせを受けてここ何か月かのCUTIEの表紙の画像を見たところ、再びAKB軍団に毒されていることが判明した。
                しかもリニューアル前は大島優子とか前田敦子、渡辺麻友、板野友美といった面々だったが、リニューアル後に表紙になっている奴は誰一人分からん。分からないけども、とにかくAKB軍団であることは間違いないのである。

                乃木坂46斎藤飛鳥が「CUTiE」初の専属モデルに決定!異例の大抜擢に期待の声(Aol NEWS 2月18日)
                http://news.aol.jp/2015/02/17/saitoasuka/

                最近ではファッション関係でもその注目度がうなぎのぼりのAKBGの各メンバーだが、このほど、女性向けの人気ファッション誌『CUTiE』に、乃木坂46の斎藤飛鳥(16)が専属モデルとして起用されることが明らかとなり、注目を集めている。
                斎藤は同誌2月号でもモデルとして登場したこともあるが、その際の反響が思いのほか大きかった様子で、同号は見事完売。現在、彼女自身についても、女性ファンも急増中とあって、今回はそうした経緯を踏まえて、専属モデル契約となった模様だ。なお、1989年の創刊以来、同誌が専属モデルを起用するのは初めてのこと。まさに異例の大抜擢といったところであるため、早くもネット上では「マジかよ 上り坂不可避やん」「これはすごい」「これは朗報」「ついに乃木坂の大本命が動き出したな」「朗報過ぎてワロタ」「やっと世間があしゅりんたむに追いついたか」「我々齋藤飛鳥軍団(仮)の勝利だ...CUTiEいっぱい買ってよかった...あしゅが報われる幸せ、噛み締めたい」「こりゃ12thセンターあるで」「とりあえずCUTiEの定期購読申し込もっと」といった驚きと喜びの声が相次いでいる。
                『CUTiE』と言えば、つい先日も、AKB48の島崎遥香が「デコ出しショット」で表紙を飾り、話題となったばかり。そこへ来て今回の専属モデル起用という流れだけに、今後もAKBG所属の各メンバーによるファッション界への進出は相次ぎそうな気配だ。


                なんでこの斎藤飛鳥というおなごが男女ともに人気爆発中で完売までしたのに休刊なのだろうか。
                最近の雑誌モデルはアイドルばっかりで、CUTIEごとき専属になるのにそんなにハードルがあるとも思えない。先日も「AKBが載っていなくて素晴らしい」と好感触を覚えていたギャル雑誌「JELLY」までどこの馬の骨か分からんアイドルが参入してきたので、ただ今不買運動実施中である。(もともとブックオフでしか買ってないが)
                しかし上の記事読むと、けっきょく男のファンが買う部数水増しするためにこんなアイドルばっかり使うってことなのだろうか。東方神起が表紙の雑誌をオバハンが何冊も買うとかいうのは聞いたことあるけども、とするともはや女性雑誌の多くは付録とアイドルがメインで誰も中読んでない可能性が高い。
                で、ギャルと同じく原宿系も滅亡なのか・・・と、競合誌のzipperについて調べるとやはりこちらも季刊化とのことで、90年代半ばに隆盛をきわめた高校生のストリートファッションも20年の時を経て終わりを迎えつつあるのかもしれない。
                私自身はあんまりおしゃれとかは興味なかったのだけども、ルーズソックス第一世代なのでギャルや原宿系の枠組みができた頃の雰囲気はかすかに覚えている。それまでティーン誌というと、何度もこのブログに書いているようにセックスに関する本ばかりでファッションは二の次三の次って感じだったのだ。
                ただCUTIEは89年創刊ってことだし、ヒステリックグラマーやミルクなどCUTIE系のブランドは90年代にはすでに有名だったのでコギャルのように1,2年で形成されたジャンルではないと思う。また原宿系とか青文字系という言葉はなく、渋谷ほどは注目されていなかった。
                だから篠原ともえみたいなキワモノタレントを例に出して、個性強すぎてモテない不思議ちゃんみたいなイメージで語られるのにはやや違和感がある。CUTIE系はわりと彼氏もいればルーズソックスもはくような、(個性派なりに)普通の女子高生だったのではないかと。
                そもそも原宿が個性派ファッションの殿堂として認知されるようになったのは、2000年代に入ってゴスロリなんかが注目を集めた影響だろうという気がする。
                90年代半ばから10年ほどの間ファッションは若者が作り出しているというエネルギーがなんとなく感じられたし、ジャンルごとにふさわしいブランドがあったと思うのだが、だんだん保守的になるにつれ枠組みがあいまいになり、今ガウチョパンツがよく出回っているように流行することが決まった服が流行するという感じになってきた。
                くわえてLCC(ローコストクローズ)時代であるから、現代の娘さんもGUやグレイルで適当に流行ると言われているものを取り入れ、それなりにセンスよく高見えさせるってところで安カワコーデを楽しんでいるのではないだろうか。
                まぁそんな知ったふうなファッション語りはこのくらいにして、私はじつはCUTIEよりももう1冊宝島社より休刊になるという「宝島」のほうが気になった。もともと宝島はヒッピー雑誌だったはずなのだ。
                ヒッピーのバイブルに「ホールアースカタログ」という本があって、ステーブジョブズにも大きな影響を与えているのだが、明らかにその丸パクリだろって号を私は持っている。ちゃんと読んでないけど。

                表紙だけではなく、中身も同じような感じだ。こういう地球の絵は環境運動などでよく見かけるが、もちろんニューエイジ思想と無関係ではない。
                まぁそんなヒッピー雑誌がどういう変遷を経てオッサン向けとおぼしき情報雑誌になったのかよく分からないのだけども、近ごろ慰安婦問題について調べてゆくうち、この宝島という出版社が20年ほど前からネトウヨカルチャーを牽引していたのではないかという疑惑が私の中で生じている。

                熟女好き

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                  膳場貴子アナ、結婚&40歳で妊娠報道 “3度目の正直”で初出産へ(7月25日 zakzak)
                  http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/news/20150725/enn1507251700016-n1.htm



                  初め「NEWS23」は筑紫哲也という朝日新聞出身のキャスターが司会で、もともとNHKだった膳場氏は途中から山本モナと一緒に加入したのだが、山本モナが民主党議員とくちずけしたり筑紫氏がガンで亡くなったこともあってかいつの間にかメインキャスターを務めていた。
                  私は筑紫哲也時代は左翼爺の辛気臭い番組だと思って全然見ていなかった。しかし同時期に日テレが「きょうの出来事」から突然「NEWS ZERO」っていうジャニーズとか芸能人の出る黄緑色のガチャガチャした番組になったので、おのずとNEWS23のニーズが高まっていったのである。
                  朝ならば芸能人や新人女子アナ、セントフォースのキャピキャピも良いかもしれぬが、やはりおやすみ前のニュースはきょうの出来事がそうだったように、櫻井よしこさんや井田由美さんのようなベテラン美熟女キャスターにしっぽりとニュース読んでもらいたいって方も多いのではないだろうか。その点膳場氏は今どきのアラフォーには珍しいまでの落ち着きと三雲孝江を彷彿とさせる美貌が、TBSのカラーとも合っていて非常に素敵だ。
                  そんな膳場さんが今回、妊娠結婚ということでこの先しばらくお休みされるだろうことはいち視聴者として寂しくもあるが、ぜひ元気なお子さんを生んで幸せな家庭を築いてほしいと願う。
                  ただNEWS23自体は、さすが筑紫哲也だけあって訳わからねぇと思うことが多い。TBSは情報7daysやひるおび、アッコにおまかせなどバラエティ色の強い情報番組を除いては、もっとも左寄りの報道をしているように見受けられる。

                  落寸号令雷て何ですのん

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                    8.6秒バズーカって知ってる?

                    今年に入って「ラッスンゴレライ」が大ブレイクしている吉本のお笑いである。知らない方はぜひYouTubeで動画を見ていただきたい。
                    私はテレビに吉本かジャニーズかAKBが出てたら問答無用で消す運動を実施しているためラッスンゴレライをよく知らなく、先月知人から「全然おもしろくないからちょっと見てみて」と言われ、おもしろくないなら見たくないと断ったのに携帯で無理やり動画を見せられた。

                    太いほう「ラッスンゴレライ」
                    細いほう「えっ?えっ?なんて?」
                    太いほう「ラッスンゴーレライ♪フー!ラッスンゴーレライ♪フー!ラッスンゴレライ、説明してね♪」
                    細いほう「やちょっとー待ってちょっとー待っておにーさーん。ラッスンゴレライてなんですのーん。説明ーしろと、言われましても、意味わからんから、できまっせーん」

                    とまぁ文字にすると2人のやりとりはこんな感じなのだが、私はひと目見てオリエンタルラジオに似ていると思った。愉快なリズムもさることながら、とくに「ちょっと待ってちょっと待って・・・」と突っ込んでいる、細いほうのカン高い声とキレのある動きがオリラジの藤森慎吾氏に見えてしょうがない。
                    しかし、ラッスンゴレライとは何なのだろうか。
                    この後も太いほうが「楽しい南国。ラッスンゴレライ」だとか「彼女と車で。ラッスンゴレライ」だとか無茶ブリするたびに細い方が「ちょっと待って・・・」と呼び止めラッスンゴレライが何なのか問うのであるが、結局太いほうはラッスンゴレライが何なのか明かさないまま「教えてあげないラッスンゴレライ〜♪」とリズムに乗ってフェイドアウトしていくという、どうにも後味の悪い結末なのである。
                    途中で「サウジアラビアの父さんと〜インドから来たお母さんの〜あいだに生まれたお前〜の名はラッスン、ゴーレーライ」と太いほうが歌いだすのだが、細いほうは「ちゃうちゃう!ちょっと待ってちょっと待っておにーさーん。おれサウジとインドのハーフちゃう〜」と即座に否定している。
                    動画を見終えたとき、自分の顔が完全に無表情なのに気づいた。「結局ラッスンゴレライとは何なのか」という、怒りにも似た感情がこみ上げてきたのである。
                    私がその存在を知って間もなく、ネット上ではこんな話もまことしやかにささやかれるようになった。

                    「ラッスン」由来でデマ拡散…8.6秒バズーカーが“風評被害”(日刊ゲンダイ3月25日)
                    http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/158323

                    “ラッスンゴレライ”のリズムネタで大ブレーク中のお笑いコンビ「8・6秒バズーカー」。吉本史上最速でDVDを発売し、その記念イベントでは寝る間もなく働き続けていることを明かすなど、まさに人気絶頂の2人だが、このところコンビ名やネタの由来をめぐってとんでもないウワサが広まるという“風評被害”にさらされている。  
                    なんと、「8・6秒」のコンビ名が、広島に原爆が投下された日付「8月6日」と共通しているとの指摘から始まり、「ラッスンゴレライ」は「落寸号令雷」という米軍が原爆を落とす号令の暗喩であるなどとする書き込みが、ツイッターやネット掲示板で大拡散しているのだ。  
                    さながらフリーメーソンの都市伝説みたいな話で、ほとんどの人はデマとして認識しているが、ラッスンのネタに出てくる<南国>というキーワードや<バリ、グアム、ハワイ>という都市名が、「当時の日本国政府の首脳部の攻撃対象地策定の過程を暗喩している」などといった尾ひれまでついているから、真に受けてショックを受けているファンもいるという。
                    ・・・


                    デマに苦しめられているからといっても、まったく同情の念はわいてこない。これが風評被害だと言うならば、8・6秒側も説明責任を果たさなければならないまでのことである。
                    オリエンタルラジオの場合は「ハチ公引きずり、散歩をさせる♪」「待ち合わせのみんなもついてくる♪」「武勇伝、武勇伝♪」といったぐあいに、その武勇伝のありえなさ、バカバカしさからクスっと笑えるのであるが、ラッスンゴレライはありえないかもバカバカしいかも分からない現状でそれがおもしろいのかどうか判断することは容易ではない。
                    ただ、オリエンタルラジオがラッスンゴレライをコピーしている動画は普通に笑えた。コメント欄にも「オリラジのほうがおもしろい」と好評なようだが、これはオリラジのパチモンをオリラジ本人がコピーしているという、その状況が笑えるのであって、ラッスンゴレライ自体がどうかは今後の情報開示次第であろう。

                    赤文字系への誤解

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                      ルミネのCMが女性蔑視だとして炎上したらしくそれについて先ほどネットでいろいろ見てたのだが、CM自体のいわんとするところがよくわからないため何ともいえない。炎上ポイントは、ひっつめ髪でトレンチコートにボーダーTシャツで出勤する主人公が、男の上司から「職場の華」巻き髪OLと比較される場面である。
                      それを受けて「変わりたい?変わらなきゃ」というコピーが出てくるので、いかにもその上司の価値観を肯定しているかのようなつくりだということであるが、でもこの上司が性格悪い奴としてえがかれているようにも見えるため、これには誰もが納得する続編があったのかもしれぬという気がしなくもない。
                      いづれにせよ「変わりたい」と思ったボーダー女の出方しだいだ。

                      ていうか職場の華うんぬんよりも、その前のやりとり「なんか顔疲れてんな残業?」「普通に寝ましたけど」「寝てそれ?」のほうが失礼きわまりない。このCMについては、セクハラだなんだと言ってるけどイケメンだったらいいんだろうという意見もあるが、「寝てそれ?」は相手がイケメンでも女でも許されぬ万死に値する蛮行である。
                      男は「寝てそれ?」って言われても、殺意が芽生えないのだろうか。

                      ルミネをこじらせて――「ありのままで」からの逆走(3月21日 yahooニュース)
                      http://bylines.news.yahoo.co.jp/soichiromatsutani/20150321-00044065/


                      女性蔑視とみなされたCMが抗議によって中止に追い込まれる事例は過去にもあった。
                      上の記事で紹介されているハウスのラーメンのCM「わたし作る人、ぼく食べる人」(1975年)であり、私も聞いたことはあるのだが、抗議した団体が「国際婦人年をきっかけとして行動を起こす女たちの会」とのことで、ウーマンリブ華やかりし頃の「女たち」松井やよりや榎美沙子の名前が脳内をよぎった。
                      それはともかくとして、この記事で気になったのは以下のくだりである。
                       

                      ヨシノさんと呼ばれる女性は、まるで無印良品のカタログに載っているようなスタイルですが、そんな彼女が「単なる仕事仲間」として評価されるのに対し、花がらのプリーツスカートをはいて茶髪を巻いた女性は「職場の華」と評価されます。
                      この両者は、女性ファッション誌の文脈で言えば「青文字系vs赤文字系」という対立です。青文字系とは『Zipper』や『CUTiE』(最近はかなり変わりましたが)など、赤文字系とは『CanCam』、『ViVi』、『JJ』、『Ray』です。
                      その対立は、古くは1996〜97年頃のコギャル全盛期から見られます。具体的には、アムラー(安室奈美恵ファン)vsシノラー(篠原ともえファン)といったスタイルの差異に顕れており、当時は『CUTiE』の読者欄で「コギャル撲滅キャンペーン」という企画が組まれるほどでした(現在まで続く詳しい流れは、拙著『ギャルと不思議ちゃん論』参照)。
                      ヨシノさんは、2話目で“歴女”(歴史好きの女性)だと判明しますが、彼女のような派手ではない文化系の女性が「変わらなきゃ」とルミネに言われるわけですから、当事者にとっては「余計なお世話だ!」となるわけです。20年近く前からずっと燻り続けている火種に、ルミネはガソリンをぶっかけたようなものなのです。
                      また、巻き髪女性を単に男性に媚びているような存在として描くことも、読めていないなと思わずにはいられません。ひとむかし前、「モテ」という言葉が赤文字系の女性ファッション誌を賑わせましたが、実はその「モテ」にはふたつのタイプがありました。 ひとつが『CanCam』タイプです。専属モデルに蛯原友里を擁した『CanCam』は、一貫して女性(同性)の視点を重視した「モテ」を唱えていました。まず女性にモテることが必要で、男性にモテることはその次だったのです。 もうひとつは、『JJ』タイプです。こちらはもっと単純で、男性だけにモテることを考えていました。それは「モテ」というよりも「コビ(媚び)」と呼べるものです。
                      「モテ」と「コビ」――この微細な違いは、雑誌の売り上げに大きな影響をもたらしました。『CanCam』が一時期は60万部以上の人気となったのに対し、『JJ』は部数を落とし続けたのです。
                      こうしたことを踏まえても、職場で男性から女性に向けられる性的視線に従うことを善しとするテーゼがいかにピントがずれているかがわかるでしょう。


                      要約すると、ルミネCMにおける主人公と職場の華は青文字系vs赤文字系の対立であり、コギャル時代からアムラーvsシノラーとしてくすぶり続けている火種だというのである。
                      90年代の青文字系が篠原ともえファンというのも大いに異論があるが、それより何で青文字系が「無印のカタログに載っているようなスタイル」なのだろうか。渋谷系やほっこりならともかく・・・青文字系というのは今で言うきゃりーぱみゅぱみゅ、ちょっと前なら木村カエラあたりを想像していただけると良いように、古着などを好むカラフルで奇抜なキャラで知られる原宿ファッションの一派であり、逆にこの主人公のトレンチコートにボーダーのほうがむしろJJに載っていそうなコンサバ系の服装なのである。
                      じっさい無印はJJによく広告出しているし、これにスタバ風味の紙コップ持って(CMでは上司のほうが持っているのだが)1人笑いしながら歩いてたら完璧だろう。だからCMで「さえない女」設定にされるにしては普通にオシャレなので、そのへんもCMが不可解な1つの要因でもある。
                      「職場の華」はというと、大人可愛い「美人百花」「andGIRL」あたりが近いかと。

                      今日びあんだけブリブリの格好するのはその2誌くらいしか思いつかない。2年ほど前だったか小嶋陽菜や芹那などのAKB系の人々がねじ込まれ出したのと、平子理沙の時代終わったなと思い出してここんとこ見てないのだが、モデルの顔ぶれからしてあれは赤文字系から独自に発展したジャンルであり、2000年代初頭にJJあたりで展開されていた可愛ゴー(可愛くてゴージャス)の残党ではないかと推測される。
                      記事ではエビちゃんのCanCamが女受けモテでJJは男に媚びていたから伸び悩んだとの解釈だが、私の歴史観においてはまったく逆で、CanCamのほうが男受け意識だったという認識だ。今でこそJJは優等生的な東京ファッションだが、かって同じ赤文字系でもJJは読者モデル中心のコテコテ神戸系女子大生ファッション、CanCamは長谷川京子あたりをロールモデルとする東京OLといった大きな違いがあった。
                      前者は関西なだけあって男受けというにはかなりケバかったし、当時小悪魔アゲハみたいな雑誌もなかったのでお水の人も読んでいたほどだった。男受けの定義が「女からすると地味」という真理にもとずくとCanCamは早くから髪の毛もゆる巻きであり、2000年代半ばから恋コスメとかいってピンクの化粧品(ピンクミラージュ、ベビードール等)が流行り出し、モテや愛されという価値が高まりつつある時流に乗ってエビもえのツートップを雑誌の顔として売り出して成功した例であろう。
                      そんな時代の中で可愛ゴー以降の方向性を打ち出せなかったJJが失速し、最近までAKBやおしゃPなど読者置いてけぼりで意味不明な路線に走っていた。もっとも、愛され離れがすすんでいる今ではCanCamも迷走しているかもしれないが。
                      そもそも男受け意識したからといって、男社会に従属していると解釈するのはフェミの思想に影響された40代以上特有の考えだ。
                      そのへんは愛されOLを牽引したのが、女なのにミニスカートで地べたに座り「ウゼー」「ムカツク」などと汚い言葉を使いだしたルーズソックス第一世代なことをふまえれば押切もえの例を出すまでもない。人はそう簡単に変わるわけではないのである。

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